「自立羨望仲間焦燥誤魔化す青少年時代の想い出 Motor」mid90s ミッドナインティーズ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
自立羨望仲間焦燥誤魔化す青少年時代の想い出 Motor
内容は、90年代中頃アメリカのとある母子家庭の少年と街の不良グループとの出会いをスケートボードを🛹通じて、肉体的にも精神的にも成長させる話。好きな言葉は『ありがとうと言ってもいい?!』スケートボード🛹の板を貰って、仲間に認められた時に確認する言葉。お礼を言うと不良には不向きだと言われたが信頼して言う場面。仲間からは『当たり前だろ?!』とさらっと言われる返しとボード表面の🛹滑り止めのヤスリ板を貼るところでの逆光とが少年に居ないはずの父親との会話の無い会話をする様な関係性の願望が垣間見えるようで美しかった。『どんな場面でもポジティブにいろ!』🛹スケートボードをしてた裁判所前で初対面の人にインタビューする場面。創作活動をするものに、自分自身に言い聞かせたい言葉だったんだろうなと思いました。好きな場面では、親のお金を盗んで自分で太腿に櫛を当て罰を与える仕草やビデオゲームがスーパーファミコンからPlayStationに変わったりストリートファイターのTシャツを着たりと自分と同じ年代を重ねた共感がとても心地良かったです。少年時代の背伸びした感じと時間が有り余る程あるような虚無感と途方もない不安と希望が当時の音楽に乗せて絶妙に描かれて居た様に感じます。自分の少年時代を思い出す様でした。自分はアメリカに住んでないので分かりませんが、学校に通って授業や部活動に大半の時間を費やしてました。この映画では学校生活が全く描かれてませんが、主人公の母親なら何か言うと思うんだけどなぁ。不良と言えば学校生活のはみ出し者なんだけどなあ。。最後の『フォースグレード!』と笑顔でプライベートビデオを撮るフォースグレードに向かって話す主人公から仲間との思い出を作れ良かったなぁ。登場するスケートボードのプロ達の表現も格別で非常に自然でした。彼等にとっては日常なのがよく分かりました。映画自体は綺麗な三幕構成。衝突で区切られて居る所が好きです。①兄に壁に思い切り打ちつけられる場面 ②穴を飛び越えようとして落下机の上に衝突する場面 ③飲酒運転の車に乗り事故にあい生死を彷徨う重傷を負う場面 青少年のドラッグやアルコールやタバコなどの表現が今では過激に感じられますが、さまざまな登場人物の目線で映画を見ることができる素晴らしい作品です。