劇場公開日 2020年9月4日

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「運命を潔く受け止める」mid90s ミッドナインティーズ h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5運命を潔く受け止める

2020年9月9日
iPhoneアプリから投稿

90年代は東西冷戦が終結し、米国では空前の好景気に沸いていた時代。しかし米国社会は何かすっぽりと穴が空いたような空虚感が拡がり、音楽は退廃的な世界観を表現するように攻撃的なGrungeやHip Hopがmovementをおこす時代(いきなりスタートの外食のシーンのBGMが「Kiss from a Rose」でシビレる)。

そんな空っぽのような時代の空気感と、そのなかで生きていく若者たちの姿をドキュメンタリーのように淡々と描いていく。

この作品の登場人物は総じて自らの運命を受け入れたなかで生きている。
「こんな境遇にいるのは、親のせいだ、国のせいだ」とnegativeに周りの環境のせいにはしない(少なくとも文句を言っているだけのようにはみえない)。
今の境遇を潔く受け入れたうえで、自分に何ができるか、どうすべきかを各々が考えもがいているものもいれば、今の人生を楽しんでいるものもいる。受け止めかたは人さまざま。

個人的には母親のDabneyの生きかたにとても興味を覚えた。遊び人だった人が親になると、途端に自分にないものを求めるため、厳しい教育熱心な親に変貌しがち。彼女はときおり厳しい一面も見せながらも、温かい目で息子を見守っている。シングルマザーで男の子ふたりを育てつつ前向きな姿勢がとてもステキだ。圧巻は最後の大事故のあと。息子の病室に悪友(?)たちを招きいれる彼女の懐の深さにホントに頭が下がる。

スクリーンでいきいきと躍動するグループの主要メンバーたちはプロの俳優ではなくプロスケーターというのが驚き。

atsushi
カールⅢ世さんのコメント
2020年9月13日

キャサリン・ウォーターストン この映画の撮影後に子供生んでいる。シングルマザーらしいです。誰の子供かわからないらしいです。この映画、本物の人で成り立つているようです。

カールⅢ世