「20年たってしまったが、バーナデットが新たな1歩を踏み出し、エルジーが気が付いたということで、取りあえずヨシとするか。」バーナデット ママは行方不明 マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
20年たってしまったが、バーナデットが新たな1歩を踏み出し、エルジーが気が付いたということで、取りあえずヨシとするか。
ぶっちゃけて言うとバーナデットは退屈していた。天才とまで言われた才能を埋もれさせ家庭にいるだけの暮らし、生活、人生が退屈でつまらない。息苦しさや、窮屈さも感じてたかもしれない。
バーナデット自身がそれらを感じ、自覚していたかは分からないが、パートナーのエルジーが全く気付かずにいたことだけは間違いない。バーナデットを家庭に閉じ込め才能と創造性を発揮できなくしてしまったことが、彼女の心を乱してしまったとは思っていない。
映画は2つの会話、つまりバーナデットが久しぶりに会った知人とした会話、エルジーとカウンセラーとがした会話を交互に対比して見せることで、エルジーが全く分かってないことを観客に分かりやすく示してくれている。
バーナデットの知人とカウンセラーは真逆の結論を出す。
バーナデットと話した知人は、君はやはり建築家の世界へ戻るべきだ、外の世界へ飛び出すべきだと言う。
一方、エルジーと話したカウンセラーは、バーナデットを家庭から更に閉じ込め入院するように言う。
僕は終盤にバーナデットが南極へ向かい、そこで再出発を決意し家族が祝福する迄の一連の流れより、2人の会話の対比のこの場面のほうが印象に残った。
もっと早く話し合ってこうなってたほうが良かったと思うが、話し合わなかったのは2人の意識の差が原因かもしれない。
あくまでも僕の周りの少数からの伝聞だが、いま具体的に結婚を考えてなくても、いつかは結婚をしようと考える大体のの女性が、出産を機に仕事を辞めるか続けるかという選択を1度は考えるらしい。具体的に考えなくても頭に浮かぶぐらいはするらしい。中学、高校生ぐらいで考えることもあるかもしれない。
対してほぼすべての男性が、パートナーの出産を機に辞めるという選択肢を考えない。辞めるということが思いもよらないというべきか。
相手のパートナーに「仕事はどうする?」とか、「どちらでもイイ」とか、「辞めてほしい」とか言うが、自分が辞めるという選択肢は全く考えない。小さい頃から見聞きしないので全く考えないのだろうか?。 昭和の頃は選択肢はゼロ、今でもほぼゼロだろう。裏付けるデータは調べていないから推測。
イロイロ聞くと、女性のほうが子供の頃から選択したり気をつけないといけないということが多い。だからパートナーだからこそ話し合ったた方がイイのだが、コミュニケーションをパートナーと多くとっていると思える欧米でもこういう現状なのだなあと思う。僕の知ってる欧米はTVドラマや映画のみの情報だが。
あと原題Where'd You Go, Bernadetteが何でこんなコメディタッチな邦題になるんだ?内容と少しずれてないか?と最初思った。
だけど、僕のように「邦題なんか何だろうがケイト・ブランシェット主演なら見に行く」という人は見に行くし、そうでない人用にはコメディっぽい題名にしといたほうが観客数が多くなるような気がする。
・・・というような事ではなかろうか。