劇場公開日 2019年4月5日

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「ただの伝記としてなら」バイス Golgo14さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ただの伝記としてなら

2019年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

アメリカ国民に警鐘を鳴らす作品。

冒頭に「史実に基づくが、ディテールについては不明瞭」と、あるように大筋は真実なのでしょう。
そのために実在する人物のそっくりさんのオンパレード。
しかし近過去の単なる伝記ものの映画として観たら全く面白くない。

世界で最も強大な権力を持っているアメリカ大統領。
その選択を誤ったり、その権力を悪意を持った人間に委ねてしまった後の世界の悲劇を描いている。
そしてそれはまさに現在のアメリカそのものなのだ。
そう、この作品はトランプに対するネガティブキャンペーンなのです。

マッケイ監督は2つの大きなミスをした。
1.そっくりさんを大勢並べたばかりに伝記の色合いが濃くなってしまったこと。
2.ラストでディベートの最中に取っ組み合いのシーンを入れてしまったこと。国内が分断しているということを言いたかったのかもしれないが、全くの蛇足だった。

我々からすると、アメリカ人、しっかりしてよ、と思うばかり。
だけどラスト・ベルト・エリアやミッド・ウェストの人間はこの映画は観ないだろうなあ。

最後に、チェイニー夫人役のエイミー・アダムスは相変わらずナイスだけど、「人生の特等席」でC・イーストウッドの娘ミッキー役の方が彼女らしさが出ていて良かったなぁ。

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Golgo14