「それにしても。」バイス 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
それにしても。
普段は殆どパンフレットを買わないのですが、今回はせっかくなので少しは勉強しようと思って買いました。値段は新書一冊ほどしますが、この内容ならお買い得です。イントロダクション、ストーリー、関係者の対談、町山智浩さんを始めとするレビューなどなど。どれをとっても映画の理解が深まるし、作り手の人たちのただならぬ〝勇気〟が伝わってきて有意義な読書と同様な満足感が得られます。
それにしても。
国民に対して、どれだけ大きな責任と影響力のある立場だとしても、権力を握ってしまった人の多くが、結局は『時間のかかる大きな目的』(大雑把に言えば、国民全てが日常の中で命の危険を感じなくて済むような平和と食うに困らない社会の実現と維持……国家というシステムの機能、外交も経済も教育もその為にあるのだと思います)よりは『比較的早期に実現する自分のための小さな目的』のために行動してしまうのですね。
パンフレットの中で、町山さんが紹介しているアダム・マッケイ監督の言葉が深く刺さってきます。
「権力の監視を怠れば政府は暴走する。国は危機に陥り崩壊するだろう。自分のすべてを懸けてでも疑わなければダメだ。時には仕事を失い恥をかくかもしれない。でも歴史は証明してくれる。最終的にはあなたが正しいことをね」
シャンタルさん
コメントありがとうございます。
色々な立場や意見があると思いますが、国益を「平和と食の確保」と限定的に考えると、特定機密○○法とかあたりから、割とあからさまに、政策の優先順位に⁇となることが増えてきたような気がするのですが、考えすぎでしょうか。