劇場公開日 2019年4月5日

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「現実と近過ぎて笑えない」バイス はとさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5現実と近過ぎて笑えない

2019年3月19日
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鑑賞方法:試写会

知的

子ブッシュを隠れ蓑にしてホワイトハウスを牛耳っていたチェイニー副大統領の悪行をアダム・マッケイ流のゴリゴリなブラックジョークで描いていくのだが、今の日本の政権とあまりにも酷似していて全く笑えない。アメリカでこれを観るのも居心地が悪いと思うんだが、今の日本では更なり…!ぐったりしてしまった。
権力が一点に集中することがいかに恐ろしいかを際立たせているので、三権分立も議会が分かれていることも重要だという当たり前のことを痛感する。そして何よりメディアが政権がおかしい時に批判できるかどうかが問われている。この後アメリカの政権は民主党になるが、また共和党に戻っているのが辛い。
主演のクリスチャン・ベールはどこ?と思いきや、声がバットマンを思い出して懐かしい…そして意外と、ちゃんと彼の面影が見える場面が多い。
しかしエイミー・アダムス演じる妻のリン・チェイニーの賢さが冴え渡っていて、時代が時代なら彼女の方が政治家としては遣り手だったのでは?と思わせるほどだった。
他の俳優陣も大変豪華なので、あっあの人も出てる!という楽しさはある。サムロクちゃん演じるブッシュのお飾り具合は最早かわいいレベル。カレルもいつものかわいい方のカレル。語り手と、アリソン・ピルが良かった。

はと