「スラッシャー界の大先輩」ハロウィン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
スラッシャー界の大先輩
鑑賞するにあたり、ジョン・カーペンターの「ハロウィン」は一応観ておくべきか。マイケル・マイヤーズという人物をある程度おさらいしてくれるが、その親切心もそのはず。なんせ第1作は1978年!知らない世代が多くなりつつある現代で、全米2週連続1位は凄いと思う。マイケル・ベイのプロデュースしたプラチナム・デューンズの作品群よりもいい風が吹いているのではないか。インパクト大のジェイソン、夢という世界を支配するフレディ、チェーンソーの大量殺人鬼レザーフェイス等、沢山の殺人鬼が闊歩する(?)現代において、「目的が明確に分からず人を殺める」というのはマイケル・マイヤーズことブギーマンだけだ。過去の大量生産されたシリーズ作品において、だんだんその不気味さが薄れていってしまった感が拭えなかったが、本作ではそれがこれでもかと上手く表現してくれている。
ハロウィンの夜に浮足立つ街に突如平然と現れ、人の少ないところを狙って殺しを続けるワンカットのシーンはスラッシャームービーの名シーンに認定したい。あのシーンに説明不要のブギーマンの恐怖が完璧に表されている。
過度な殺害描写は描かれておらず、映像的には地味な方だと思うが、後半の直接対決がより盛り上がる要素に直結しているため、構成も上手いのだろう。近年80年代のホラーが続々とリメイクされているが、ぜひ殺人鬼たちの殺し屋チームを作って戦って欲しい。きっと大いに盛り上がる作品になるだろう。