「鼻息荒し君」ハロウィン KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
鼻息荒し君
復活と再生のオープニングクレジットからテンションだだ上がり。
黒背景とコントラストの強いオレンジ文字、ジャック・オ・ランタンに歓喜。
還暦を越えてもマイケル・マイヤーズのナチュラル殺人は止まらない。ローリーへの執着も健在。
精神病棟の気味の悪さから始まり、例のマスクを取り戻すまでの過程が最高だった。
汚いトイレって本当に嫌だ。汚いトイレで訳もわからず殺されるのはもっと嫌だ。歯を降らせないで。
画面の端でさりげなくぶち殺すマイケルの姿やトイレでの追い詰め、恐怖が始まる一連の流れは今作で一番好き。
勘の悪いかわいこちゃんだったローリーが、狂気と怒りの狭間に取り残された強きおばあちゃんへと大成長していて胸が熱くなる。
マイケル・マイヤーズを仕留めるに特化したカラクリ屋敷のような家も素敵。
そして親子三世代のドラマある奮闘に感激。
英才教育を受けたカレンのあの一声に痺れたし、アリソンの地味な一撃の勇気にガッツポーズ。
人間関係を簡潔に上手く伝えてくれるので、殺され要因のちょいキャラにも適度な思い入れが生まれてショックが増した。
おそらく何年もベビーシッターをしてきたヴィッキーと生意気坊やジュリアンのやり取りを思い出すと泣いてしまうし、ローリー達の団結にも泣いてしまう。
来るのか…来ないのか…やっぱ来たー!!みたいな、わりとオカルトホラーチックな演出が多くてハラハラして楽しめる。
リズミカルな殺人やサービスゴアショットにも概ね満足。
加えるならば殺される際の痛みや絶望、人の形が崩れていく過程も観せて欲しかったとは思う。
死体のディスプレイも抜かりなく。
バカな彼氏や下品な父の言動があまり生かされていないのが気になった。
特に彼氏なんて結構フォーカス当たっていた割には途中から放り出されてるし…。
ローリーへのショック療法的にブギーマンの仮装して誤って殺されたりするのかと思っていたのに。
好奇心旺盛なドクターは面白い方向に話を持っていってくれたので大好き。Say something!!
ハロウィン2(ブギーマン)は何年か前に劇場で観ていたけれど初作は未鑑賞だったので慌てて前日に予習。
過去作に通じる演出も多く、ハロウィンへの愛を感じる新作だった。
マイケル目線の一人称ワンカットが無かったことが不満だけど、常に脇についたシーンはあったのでまあ良いか。
荒い鼻息が大好き。