さらば愛しきアウトローのレビュー・感想・評価
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レッドフォードが築いてきたものがあらゆる表情や余白に宿っている
ロバート・レッドフォードがこれを機に俳優引退するという。残念ではあるが、82歳という高齢ゆえ、それも致し方ない。いやむしろ、自らの企画でこのラストムービーを仕掛けられたことを思うと、それはとても幸福で美しく、非常に気持ちのよい幕の降ろし方と言えるのかもしれない。
それゆえこれは、実話をモチーフとしながらも中身はまるっきり「レッドフォードによるレッドフォードのための映画」だ。ふとした瞬間に過去作の香りが漂い、あたかも彼が演じてきたすべての主人公がここに集約されているかのよう。最小限ながらどこまでも小粋で、無駄のない布陣も胸を打つ。
起承転結のメリハリやラストの盛り上がりに欠ける部分は確かにあるものの、本作の妙味はむしろ一瞬一瞬にこそ宿っている。これまでの映画の記憶が余白にぎっしり詰まっていることを考えても、若い観客にとってはこれをきっかけに彼の出演作に興味を抱く絶好の機会にもなるはずだ。
これはレッドフォードならではの落とし前
発砲なし、暴力もなしで銀行を襲う74歳。見た目も振る舞いも紳士だが、やっていることは紛れもなく犯罪者。演じるロバート・レッドフォードが幾度となく演じてきたキャラクター名で言うなら、アウトロー。そんな彼に心奪われる恋人もいる。そうか、これはレッドフォードが思い描いてきたヒーロー/アウトローの完成形か。年相応に老いさらばえもせず、かと言って年甲斐もなく色恋に迷わず、誰に何と言われようが、本能的に自由を求めて人生の黄昏を彷徨う姿は、まさにレッドフォードならでは。同じく俳優監督としてさららに年上の現役であるクリント・イーストウッドが、老いと共に愛嬌を溢れさせるのとは違う、硬質な魅力が、本人が引退作と一応明言する本作からは感じ取れる。それが、何よりも美貌を指摘されてきた彼の、いからも彼らしい落とし前なのだと思う。
これが実話ということが信じられない。 銃をちらつかせるだけの銀行強...
これが実話ということが信じられない。
銃をちらつかせるだけの銀行強盗が100回近くも成功するものなのか。
顔は完全に見られているし、防犯カメラもあるだろう。
終始「そんなうまくいくか」という思いで観ていた。
性分
人の性分はなかなか変わらないんだなと思わせる作品でした。
いぶし銀のオーラがかなりでた感じがいいですね。
ロバート・レッドフォードが演じるカッコいい紳士の爺さんは、憧れます。また、シシー・スペイセクも魅力的な老女がよかったです。
ドンぱちしない銀行強盗なので派手さはないですが、楽しめました。
70歳くらいの自分が観たら、どのように感じたでしょう?
高齢の強盗常習犯を活写した物語。
ロバート・レッドフォード最後の作品。
生い立ちの不幸から犯罪に手を染め、そこから脱獄と強盗の人生を送る主人公。人生の終末に近づいても強盗を続ける彼に悲哀を感じることはありません。息を吸うように、食事を獲るように、野球選手が野球をするように・・・役者が映画に出演するように、自然体で強盗を重ねていきます。
映画はクライムサスペンスではなく、。老いらくの恋を交えた郷愁を誘う人間ドラマ。
正直、サスペンスとは言えないこの映画は私好みではありませんでしたし、人生の終わりを感じるドラマに共感を覚える年齢でもありませんので、評価はやや厳しめです。
もう少し年齢を重ねると、また違う感想を持つのかもしれませんね。
スティングが無性に見たくなった
個人評価:4.0
楽に生きなくていい。楽しく生きていければ。心を掴まれる名言。また原題よりも邦題の方が惹かれ、作品にもよくあっていると感じる。
レッドフォード最後の作品。あのチャーミングな笑顔はもう見れない。スティングが無性に見たくなった。
レッドフォード最後の作品にふさわしい味わい深い映画だった。 派手な...
レッドフォード最後の作品にふさわしい味わい深い映画だった。
派手なアクション、どんでん返しも無い、ある意味淡々とした作品であるが、ワンシーン毎が絵になる。
かっこよい老い方、古き良き70'sアメリカ。
映画館で見たい。
歳を喰わなければ、微笑の仮面は作れない
リュック・ベッソンの「ニキーター」を思い浮かべた。
暗殺者の育成機関の教官であるジャンヌ・モローがニキータに気品について教えるシーン。
「気品」を作り出す方法はひとつ。それは「微笑」だ。
皺くちゃになってしまったレッドフォードは余りにも無残で痛々しい。が、微笑みは往年のあの頃よりもず~と良くなっている。それは独創的な銀行強盗、フォレスト・タッカーを演じていたからなのだろう。実在の人物が故に役者は演じることを躊躇する。模倣はモノマネでホンモノ足りえないからだ。模倣が本物を越えてしまうことは充分にあり得るが並み大抵の努力では不可能とされている。
レッドフォードはモノマネを排除し、銀行の窓口で行員に向かい気品に満ちた「微笑」で語り掛けるシーンに全身全霊を傾けたに違いない。
老いることは避けられない。誰しもがそうだ。
ならば、朽ち果てていく己の姿を楽し気に微笑みながら受容するのが肝要なのだ。
特に面白くない
異様なまでの豪華メンバーとそれを活かしきれてない変な映画。トム・ウェイツとダニー・グローヴァーもったいなすぎ。ひどい映画って訳でもないけど何かこじんまりまとまって心に残らない感じ。ロバート・レッドフォードこれが引退作なんて締まらないなー。あとこの主役すごい美化されてるけど、実際身近にいたらクソ野郎だよね。
老けたなあ、でもカッコいいなあ、でもやっぱり老けたな〜、でもいい味出してるなあ
予備知識0で鑑賞。そもそも俳優に詳しくないため、ロバート・レッドフォード以外、観た後にあれは誰だったんだろうと調べてみると、出演者のほとんどがこれまでに観た作品に出ていた人(特にトム・ウェイツ。ファーストアルバムも大好き。あとはキャリーのシシー・スペイセク)で、あの人だったんだ〜と楽しみが膨らみました。俳優引退とのことですが、作中のタッカーのように、またこりずにやってほしいなと。個人的にはスティングみたいなものを希望します。
老兵は、静かに去る。
一言「レッドフォードは、最後までレッドフォードだったな」。
レッドフォードの引退作と聞いていたけどさて。
銀行強盗なのに、銃はジャケットの裏から見せるだけ。
「今日が初めての仕事なのに」と泣く女性行員には、「大丈夫泣かなくていいんだよ」。
こんなスマートな紳士的強盗って、ほのぼのするというか。
スリリングさには欠けるけど、魅せます。
そんな「黄昏ギャング」を追う刑事役、ケーシー・アフレックが。
地味な刑事役がまた渋い。
レッドフォードを追いかけているはずが、いつのまにか他人の気がしなくなって。
逮捕しなきゃいけないのに・・・と感情移入しちゃうのは、わかる気がする。
もちろんちょっと「最後の恋バナ」もあって。
シシー・スペイセクを配役っていうのも、いい枯れ具合。老いらくの恋って感じで。
淡々としているので、若干眠気は感じちゃったけど。
途中若い頃のレッドフォードの写真も出てきて。
「老兵は静かに去る」って感じかな。
原題は「The Old Man &the Gun」。邦題全然違うけど。
引退作ということで「さらば」と「愛しき」って言葉を使いたかったのでしょう。
字幕が久しぶりの戸田奈津子さんでしたよ。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「子供の頃のあなたが持っていた夢も希望も。
かなえるには時間と世界が、必要だった」。
ケイシーアフレック
映像のノイズがこの映画をかなり良く見せている。あの絶妙に古臭い感じはすごくいいが、映画の内容はなにが言いたいのかすごくわかりづらかった。それはまだ鑑賞者が未熟なだけなのかもしれないけれど。
人生の大半を刑務所で過ごした人のお話。
80年代の事件だけども、これ実はだからっていうのが驚き。
今なら監視カメラですぐ逮捕だけどね。
ロバートレッドフォードが歩き方なんかも格好良くって、82才とは思えない演技。
また次回作も期待したいな。
さよならオールドマン
クリント・イーストウッドの「運び屋」を思い出したな。2人が自身の人生を投影した作品がいすれも、家族を顧みないロクでもない人物の晩年が少しのナルシズムとともに描かれた作品だったということに、なんかしみじみ。
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