劇場公開日 2019年2月8日

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ちいさな独裁者のレビュー・感想・評価

全64件中、1~20件目を表示

4.0「服は人を変える」の悪い例

2020年3月30日
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鑑賞方法:VOD

日本版のポスターが秀逸だと思う。主演俳優の顔をカットして軍服を全面に押し出す。主人公は軍服に操られる存在に過ぎない、真の主役は軍服なのだと力強く訴えている。
着る服によって気分が変わることは誰でもあるだろう。しかし、その効果は強すぎた場合、この映画が描くようなことは誰にでも起こりうるかもしれない。服は人を変える力がある。これはそれが悪い方向に変わってしまった場合の物語だ。ナチスの軍服は、その意味で非常に完成度が高いと言える。ただの若造にあれだけの威厳と権力を与えてしまうほどに強力なデザインだったということだ。
しかし、服だけであれだけ人間性が変わってしまうことがあるのだろうか。服という外部要因だけでまるで違う人間に変身してしまうとしたら、人間の本質とは何なのか。玉ねぎの皮のように剥き続けたら、中には何も残らないもので、どこまでも外部要因の積み重ねでしかないのだろうか。そういう人間の本質の空洞さのようなものが見えるから本作は恐ろしい。

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杉本穂高

4.0驚きの実話〜「総統」という言葉が持つ魔力

2025年10月3日
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鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

知的

2018(日本は2019)年公開、ドイツ・フランス・ポーランド映画。

【監督・脚本】:ロベルト・シュヴェンケ

主な配役
【ヴィリー・ヘロルト上等兵】:マックス・フーバッヒャー
【フライターク上等兵】:ミラン・ペシェル

原題は、『Der Hauptmann(大尉)』

実話というから驚く。
しかも、本作は大きな脚色はせず、
史実に沿って製作されたというから、
二重に驚いてしまう。

この出来事が起こった背景としては、

◆ナチスドイツにとって終戦直前の敗走期であったこと
◆精兵として有名だが絶対数が少ない「降下猟兵」所属であったこと

があるのではないか、と思う。
「事実は小説より奇なり」
を地で行くストーリーだ。

後方の掌握、を口実にやりたい放題。

歴史の面白さは、
ドイツ人が実質的に無罪放免したのに対して、
連合国側が彼を赦さなかったことだ。

当時のドイツ軍部の混乱、腐敗、
「総統」という言葉が持つ魔力が
よく表現されている。

サイドストーリーではあるが、
戦記好きは必見だろう。

俳優陣の演技も素晴らしい。

エンドロールと共に流れる映像を観て、
『帰ってきたヒトラー』を思い出した。
☆4.0

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Haihai

3.0前後半で別の映画

2025年9月28日
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鑑賞方法:VOD

将校の軍服で身分を偽った脱走兵が終戦間際の混乱の中で別の脱走兵たちや他の将校を欺いて行く前半と、完全に将校になりきって狂気に身を投じていく後半に分けられる。

前半はこう言う隠し事系の映画が好きなのもあるが、身分がバレないかハラハラの展開でとても面白い。が、しかし、後半は戦争の狂気を描くWWIIのヨーロッパ系の戦争映画に変わってしまう。それ系の映画も嫌いではないのだが、あまりの世界観の変化に着いて行けなくなってしまった。惜しいなぁ。

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マルボロマン

4.0これ実話なのがは凄いしヘロルトが20歳そこそこの若者だった事に驚愕...

2024年6月23日
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鑑賞方法:VOD

これ実話なのがは凄いしヘロルトが20歳そこそこの若者だった事に驚愕しました。

面白い作品と言ったら語弊があるがそれでも観て欲しいです。
このヘロルトは若者だからこその度胸ぷりなのか頭もキレる強者なのか、ブレーメンの音楽隊の様にどんどん仲間を増やして行くザマはなんだか感動すらした。
そしてこんな残忍な事が出来るのは逆に幼さゆえなのだろうか?
この手の作品は見終わって気分はかなり悪くなるのが普通だが、何故かそんなに落ちなかった。
エンドロールもなんか笑えてしまった。

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コチョ

3.0胸糞映画

2022年3月20日
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鑑賞方法:VOD

普段戦争映画は観ないのですが何となく観てみました
脱走兵の虐殺シーンは終始胸糞悪かったです。
それにしても収容所での電話のやり取りで何故バレ
なかったのかが不思議、だって存在しないはずの大尉のはずなのに
なんで全権任せられる事になっちゃうの?
まぁ本人の才能+戦争末期での混乱等色々要素は
あったのでしょう。
それと戦争映画という事で今のウクライナ情勢も重なりました
ロシア軍による民間人への虐殺などヘロルド達がやってた
脱走兵への無慈悲な大量虐殺とやってる事同じ・・・いや現実は
子供を含めた非戦闘員が犠牲になっているのでそれ以上の悪逆非道な
振る舞いですよね。

ロシア側にも大義がない戦いに駆り出されたであろう若いロシア兵の
中には訳もわからず死んだ者や当然脱走した者もいるんじゃないかな、
映画での極限状態での狂気ぶりを見ていると今これと同じ事が
たった一人の権力者のせいで現実に行われているんだと思うと
胸が痛むばかりです。

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和徳

4.5狂気

2021年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

としか言いようのない、、
残酷で恐ろしい映画です。
これが実話だから尚更です。
ラストのエンドロールが特に印象的でした。
映画としては良く出来てると感じた。

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T-KAZU

3.0私もこうなり得る。

2021年1月6日
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退廃的に煮詰まる集団は連合赤軍の如し。

誰かの庇護と責任と恐怖の元で進んで人の道を踏み外すリアリティ。

私も容易にこうなり得ると思える。だから推せる。

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きねまっきい

4.0脱走兵が偶然見つけた軍服で大尉になりすます。弱い立場の主人公を最初...

2020年10月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

脱走兵が偶然見つけた軍服で大尉になりすます。弱い立場の主人公を最初は応援してしまう。今にもバレるのではとハラハラドキドキ。
この主人公の変貌っぷりが最大の見どころ。グロ描写注意!エロは終盤、少しだけ(笑)
ほぼ実話というのが衝撃。生きるためなら人はこんなにも…戦争の恐ろしさよ。

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はむひろみ

4.0人は変わる

2020年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

第二次世界大戦のドイツ、主人公は脱走兵、たまたま将校の軍服がある自動車を見つけ、大尉になりすます。
最初のうちはびくびくしながらの偽装だったが、そのうちゲシュタポもビックリのナチスに変身する。
人間はこんなにも変わるのか、と恐ろしくなるが、逆に良い方に変わることもできる、と慰めることに。

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いやよセブン

4.0ナチスの映画を観ると、つい自分の国のことを考えてしまう。

2020年8月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

ハリウッド映画では残虐な悪役を一手に引き受けている感のあるナチスだけど、この映画を観ると、脱走兵の処分に司法を介在させようとしたり、少なくとも自国の兵士の人権については配慮されていたんだね。
そうなると、つい人権どころか人命さえ軽視された、わが国の軍隊はどんなだったか、なんて考えちゃう。
ひどい話がいくらでもあったんじゃないかな。
そんな話が映画化されたら、って思うけど、この国じゃそんなこと、まずありえない。
だって、この国って、いまだに大日本帝国だもん(笑)。

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Syouiti

1.0事実かどうか極めて怪しい

2020年5月13日
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戦争末期ドイツでは脱走兵は多かったのは事実だが、こんな話が本当にあったか真実を知ってる者はいない。架空話だと映画が引き締まらないから事実を元にした可能性が高い。

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野獣三郎

3.0え!実話なの!?

2020年1月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

盗んだ制服で、どんどん偉そうになっていくヘロルト
実際二十歳の男に周りがどんどん騙されていく。
当時のドイツ、ヒトラーの威光、勲章や制服に惑わされ、どれだけ権威主義体制なのかがわかる。
それにしてもヘロルトの口のうまさ、結構堂々としていて確かにその辺の才はあるのだろう。
だがラスト、悪事がばれてまた脱走するあたりが所詮口先だけなんだなぁと落胆する。
まあ、日本もこんな風に口先だけのバカが多いので大して変わらないんだろう。
エンドロールは滑稽でとても良かった。

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まあ映画好き

3.5戦争と言うもの

2020年1月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦争と言うものがどういう人物を産み出すのかと言うことが良く伝わる映画。

最後のエンドロールは現在へ警鐘を鳴らしているのでしょうか。

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Headhunter

5.0衝撃

2019年10月15日
PCから投稿

こんなことが実話だなんて。
そしたら、ユダヤ人大虐殺も、ヒトラー一人のせいにしてるけど、ドイツ国民全体でユダヤ資本を強奪するためにやってたんじゃないかとも推測出来ますね。
なんだか凄い映画です。

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アサシンⅡ

3.0狂気的

2019年9月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

前半はなんとなしに面白おかしく観ていたが、気づいた頃にはある意味引いてた自分がいた。
その狂気的な振る舞いは他の兵隊たちをあざむき、むしろ自分たちが略奪や殺戮を繰り返しエスカレートしていくわけだが、考えてみたら騙すヘロルトも騙される兵隊たちも初めからクズなわけで、最後にはお互いの立場も理解しながら止められない流れの中愚行を繰り返していく。
これが事実だということがにわかに信じられないし、劇中の最後の一言には衝撃だった。
ほんとに本当の出来事か??今の感覚でははかれないほど、めちゃめちゃな時代だったのだろう…
いやぁしかし話変わりますが、はきはきとしたドイツ語ってかっこいいですな!

《鑑賞履歴》
2022/9/12

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ぽじのふ

5.0期待以上!!

2019年9月4日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

予告編から面白そうだなと思って観に行ったら完全に期待以上でした
実話の物語ながらストーリーは面白いし、役者さんの演技すごいし
この映画を通したメッセージ性も考えさせられるところがあり多くの人に観て貰いたい映画

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FBI

4.0史実と言う事で。。。

2019年5月27日
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鑑賞方法:映画館

興奮

収容所の所長は少佐だと思うので、主人公は大尉でなく、少佐であった方が良かった。
が、観賞後に実話だったと聞いて、最後にビッくり!
ならば、大尉という設定でヨシ
最初の逃亡時の顔と、後半の顔が別人の様に代わる事で彼の心の中がよく表れていた。
素晴らしい演出力と演者に、この映画のすばらしさを感じた。

エンドロールは「返ってきたヒトラー」みたいだった。
この映画を観たら「サウルの息子」をまた観たいと思った。

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YAS!

4.0(°_°)予想通り胸糞悪し

2019年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

予想通り胸糞悪い映画でした。
偽物が権力を握り立派な様相をまとえば悪いことならなんでもできちゃうってことでしょう。その偽物の命令に逆らえなくなるのが本当に怖いところ。エンディングは明らかに現代にダブらせているメッセージがあるってことでしょう。
レビューの中に安倍首相へ見せたいと言ってた人がいましたが私は逆で、何年か前民主党が政権を握っていた時代がこの状態であったんじゃないかと思いました。鳩山、菅、明らかな偽物。あれが続けば大虐殺に似た状態に日本の政治はなっていたのだろうと思います。

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おにっち弐号

4.0“比較的”面白いナチス内部映画。

2019年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「誤ったことをしてしまったら、せめて認めろ・・・?」 なんだかわからない父親の言葉らしいが、そんな単純構造の頭の20歳のヘロルト。部隊を抜け出し偶然拾った将校の制服を纏うと人が変わったようになる。道中、脱走兵と思しき兵に何人も遭遇するが、一様に「部隊からはぐれてしまった」と言う。ちょっと騙してみるかという軽い気持ちで始めた成りすましに皆まんまと引っかかっていく様子が面白いのだ。一人、ズボンの丈が合ってないことに気づいた上等兵もいたが、逆にヘロルトを利用しようとしたのだろう。軍用車の後ろを歩くのが不満そうに思えた。

 人間は皆権威をまとったかのような制服には弱い。いや、男ならコスプレイヤーやメイド喫茶でも弱いじゃないかと思った方、それもある意味正解なのかもしれない。周りの人間が逆にもてはやし、忖度することによってコスプレ本人もその気になるからだ。

 ナチスの映画としては珍しくユダヤ人迫害シーンが一切ない。これも特徴の一つなんだろうけど、ナチス・ドイツに限らず、戦争を行ってる国ならばどこでも当てはまりそうな戦争心理が描かれている。敵前逃亡とか脱走兵というのは重罪であることも全世界共通だろうし、食うものに困った兵士が民家に侵入、略奪、レイプ、殺人など、非人道的な行為すら万国共通。そんな彼らの罪を許し、仲間になれ!と上官に説得されれば、二つ返事でほいほいついて行くのも理解しやすい。病気も蔓延してなさそうだし、人肉を食らうまでの鬼畜に陥っていないだけまだ可愛いものだとさえ思う・・・。とにかく、どんな戦争にもこうした悪魔的状況が必ず生まれるものだということはハッキリ言える。

 実話を基にしているらしいので、ここまで空軍大尉を演じ切るのは凄いことだと思う。たしかに嘘のつき方も徹底していて、“総統直々の命令”だと言えば誰も逆らえなくなる。犯罪者収容所では90人ものドイツ逃亡兵を虐殺するが、そこで味を占めたヘロルトは今まで自分で手を汚さなかったのについに自ら射殺する。さらに空爆を逃れた仲間たちとともに“即決裁判所ヘロルト”なる車で街を街宣したりする。タイトルバックがドーンと出たから、もういい加減に捕まれよと思ってもまだ続く。この蛇足的なまでに執拗に映像化するのも嫌戦感を煽る効果なのかもしれないなぁ・・・。

 “比較的”ネタのコメディアンのシーンは笑いたいのに笑える雰囲気じゃなかった。同じ状況で自分だったらどうする?と問われると、やはり服従するんだろうな~と、一般人がファシズムに走る心理面を描いたブラックコメディ作品でした。

〈追記〉
ナチスの制服を着る話なら『ウォーキング・ウィズ・エネミー』の方がおすすめです!

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kossy
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