ちいさな独裁者のレビュー・感想・評価
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結局地球上で一番の悪は人間なんだろうと
この手の映画をいい作品と言うべきではないでしょう。
見応えのある映画と言うとよいでしょうか。
見ていて辛くなります。毎度この手の映画を見る度に思う事は、戦争から何も生まれないし、結局地球上で一番の悪は人間なんだろうと・・・・・
本来なら、自分の命が大切で、戦争に加担したくない人間が、ひょんな事から地位を得て、人間らしい心を失い逆の人間となっていく、多分ヒトラーもそうだったんじゃないか・・・・
第二次世界大戦では、本当にどれだけの命が無駄に奪われてきたのか、奪った命は意味が有ったのだろうか・・・
本作品を見ているとてもやるせない気持になります。
映画の別の部分を言えば、出てくる役者さん全員、強者揃いです。芸達者と言うか見ていて気持ちが良くなる位良い演技です。
監督のロベルト・シュヴェンケって上手いですね。毎度関心しますが、本作品、サントラが大変によく、効果音のようなサントラが、場面場面センスのよいタイミングでなり始めるので、本作品の不気味さ異常さを一層盛り上げてくれます。
また、ある意味、別の見方をすれば「時計仕掛けのオレンジ」を連想出来るような感じかな・・・・
しかし、私自身、ここ数年、毎年公開される第二次世界大戦のドイツモノを毎回楽しみにしては見ていますが、歴史をしる意味でも良いと思いますが、あまりにも知り過ぎて、当時の悲惨さなど、同情と言うよりも、目を伏せたくなる位嫌になってきました。
二度と戦争は起こさない。
気分の悪くなる映画ではありますが、世界の人達一人ひとり見るべき映画だとおもいます。
鋼鉄の制服ここにあり!
これが実話なのだからビックリ!
20歳とは思えない落ち着きと冷静さを兼ね備えた、まさに鋼鉄のような男。
上等兵だった彼が、脱走した先で手に入れたのは大尉の制服。
この制服には、無敵の力を秘めた恐ろしい力を兼ね備えていたのです。
軍服着ていれば、誰もが大尉として振る舞える1945年。
誰もが制服を着た彼を大尉と信じ、服従していく世界。
制服の力って恐ろしい…。
ヘロルトっていう、なんともヘロヘロな名前の少年なのに、丈の長い大尉の服を身に纏えば誰もが報復する現実。
これも戦争という不思議な力によるものなのでしょうか?
人を簡単に殺して、嘘ばかり突き続けながら生きる若者。
こんな若者が、意気揚々と活躍できたことが只々恐ろしい。
「自分は大尉だ」と威張り散らし、「ハイルヒトラー」と発言すれば、電話一本で人殺しも許可されてしまう世の中。
秩序も道徳も何もない時代では、裏切り、嘘、暴力だけが唯一生きる糧だったとしたら…、正義も何もあったもんじゃありません。
彼だけが犯罪者なのではない、この時代に関わった全ての人が、「ハイルヒトラー」の魔力にかかってしまった、まさに悲劇の記録です。
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