「終戦直前、脱走兵がナチスの軍服を拾って着用し、虐殺の限りを尽くす独...」ちいさな独裁者 samさんの映画レビュー(感想・評価)
終戦直前、脱走兵がナチスの軍服を拾って着用し、虐殺の限りを尽くす独...
終戦直前、脱走兵がナチスの軍服を拾って着用し、虐殺の限りを尽くす独裁者と化す衝撃の実話物。
服装の変化だけで、人間の残虐性が表出する“ごく普遍的な”事象を描写。ハンナ・アーレント提唱の“悪の陳腐さ”に回帰する。これは、正に現代劇。ドイツ制作というのも意義深い。
服装の変化で人格が変わる点(また実話に基づく点)においては、映画esと通ずる。esでは、囚人役と看守役に分かれ衣装を着て実験が行われた際の、看守役の残虐性を色濃く映し出した。
両作品とも、戦時に問わず、人間の潜在的な負の面を認識させてくれる警鐘映画。
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