蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
全334件中、261~280件目を表示
語りすぎない邦画がやっと…
邦画を観ていて一番うんざりするのが、登場人物たちが語りすぎるところ。この作品は役者の力を信じて、台詞でなく表情・演技で語らせる。そこが素晴らしい。
音楽の力も信じていて、「それがどんな演奏だったのか」を語らせない。ただ、私のようなクラシックに不案内なものにとってはちょっと飲み込みづらかったのも事実。
この監督が他のジャンルを題材にした作品を観てみたい。
役者陣の素晴らしい演技のなか、事実上の主演の松岡茉優はちょっと「芝居しすぎ」ではないかと思わせられたが、ラストですべてを帳消しにしたね。良かった。
世界はね、いつだって音楽に溢れているんだよ
原作未読。それゆえの不明な描写はいくつもあった。そこは問わない。それよりも、三人の若き天才たち(つまり明石は彼らを引き立てるための駒なのだろうと思うが)の、天才振りを堪能することにおいては十分すぎるクオリティだ。これから先、ピアノ協奏曲に対する興味も増した。文字だけじゃ表現しきれないものは必ずある。だけど、文字だからこそ伝えられる機微も当然ある。映画鑑賞を機に小説の読者が増えれば、映画は成功なのだ。そう思ってクレジットを見たら、監督は「愚行録」の石川慶。なるほど、東欧に精通していることもあり、クラシックも範疇なのだろう。
台詞にもあるように、現実社会にはいろんな音が溢れている。それを音楽ととらえて自分の世界を広げられるのは才能だ。その才能を乗りこなせず足踏みするのは辛かろう。そんな亜夜は、本番前に関わらず、「私は・・、」と言葉を詰まらせて、自分の苦悩を処理しきれずに思い悩むのだ。彼女はその言葉のあとに、どんな言葉を飲み込んだのだろうか?
それでもピアノが好き、か。
やっぱり怖い、か。
たぶん、彼女の感情の中にはどっちの言葉もあったんじゃないだろうか。錯綜する思いの大きさに押しつぶされそうになっていた彼女は、それでも自分自身で乗り越えた。だから、最後のシーンが美しいのだ。彼女の笑顔がまぶしいのだ。彼女が欲していたのは結果じゃなくて、ピアノが好きだという感情だったのだろうから。
音楽は素晴らしかった!
原作は読まずに行きました。
ピアノのシーンは素晴らしかった!
あれは映画館で味わうべき音色だと思いました。
ただ、音楽にフォーカス当てすぎてて、人物の描写や説明が足りなさすぎ。感じ取ってね、というメッセージなのだろうか?
映画館出て本屋でちょっと立ち読みしただけで、「あ、そこはそう意味だったんだ」とかいっぱいありました。原作読まないと理解はできないかも。
役者さんたちの演技は素晴らしかったです。
それだけにもうちょっと丁寧に描いた作品にしてほしかったです。
悪くはない。が、原作のダイジェストのよう
原作がとても良かったので期待膨らみながらの鑑賞。良かった。途中何度もうるっと来たり、ピアノの演奏に合わせて体が動いたり。物語に入り込んだ。
でもそれは、原作の感動を思い出したからなのかもしれない、と思ってしまった。説明や背景描写が足りないと感じた箇所もいくつもあったし、原作読んでない人はこれ見て内容理解できたのか、感動できたのかが逆に気になったくらい。
それとは別に、松岡茉優さんは素晴らしい女優さんだと改めて思えました。演技の上手さはもちろん、表情がどんどん変わる。くしゃっとした笑顔に魅了されました。
ラスト圧巻!
音楽の物語はいいです(*>д<)
そして、天才の苦悩は多数。でも本物は悩んだりしないんですよね。
天才と回りが固め始めると、窮屈でのたうち回る。
今回敢えて原作なしで観賞したのですが、かっこ良かった🎵オーケストラの素晴らしさや雨の音、紙の上でどのように描いていたのか、逆に興味が湧きました。
芸術的な観点から見れば確かにいいが……
原作を読んで、今回の映画化を楽しみにしていた所謂原作ファンの感想です。
まず、原作との差異がほとんど見られなかった。登場人物は全員私が想像していた通りの人物像で、少しばかり安心していました。昨今の小説や漫画の実写化の風潮として、少し不安視している点があったために今作はその点、安心してみることができました。
内容としては原作を読んでいない初見で映画を見ている人にとってはよくわからない作品だったと感じました。本当は演奏中にその各々の心理や葛藤がまるで流れ込んでくるかのように見えるのですが、実写化に際して、監督は芸術的な美しさを追求したのでしょう、映像美だけをみるならばピカイチの作品だったと言えますが、物語としてみるならば……という感じです。
原作を見ている私からしても、今作はあまり感情移入がしにくいと言いますか、心理描写がないために全員が何を考えているのかがあまり理解できずにいたのを覚えています。
93歳の母が眠らずに観て満ち足りていた
93歳になる母と一緒に鑑賞。クラシックなど、殆ど聞いたことがない母が眠らずに観ていて、筋はわからないけど、いい映画だったと述べたのは驚きでした。音楽と映像を聞いて観ているだけで、満ち足りたのだと思います。
ぼくも、松岡茉優の背中がアップした演奏シーン以降から、身を乗り出すようにして見入ってしまいました。その理由は自分にもわかりませんが、これぞ、テレビでは不可能な映画の領域でしか、味合えない濃密な時間でした。
強いて言えば、世界が鳴っていることに気づけば、あなたが世界を鳴らしてもいい、という通低音がずっと4人のピアニストにあったということかな。
音楽未経験者にはもの足りないかも。
映像も音楽も演技も素晴らしかった。しかし、ストーリーにあまり動きがない為、音楽未経験者にはもの足りないと感じるかもしれない。逆に音楽やピアノに精通している人にはこのくらいのストーリーが奥深さをより良く感じるのだろう。
誰も寝てはならぬ
原作未読
小説は読んで面白かったものは映画化やドラマ化されてもなるべく観ない主義
がっかりしたくないからだ
心地よい音楽は眠気を誘うのかもしれない
眠らないように必死で起きてた
鹿賀丈史の声で脳がクリアになった
ありがとう劇団四季
のだめのようなコメディー要素は全くない
クラシックを聴くのは大好きだがピアニストの人間ドラマには興味がないようだ
youtubeで毎日近藤由貴のピアノ演奏を聴いているが彼女のプライベートは知りたいと思わない
だから自分のような人間にはこの作品は向いていない
斉藤由貴が英語喋っているのは新鮮
あとタバコも吸っているのも初めて見た
モルモン教徒はダメだと記憶しているが
妖艶な雰囲気を醸し出している
ピアニストたちの1人で新人の男の子の顔が可愛い
ゲイじゃないけど好きなタイプ
上田慎一郎の短編映画で冴えない映画監督を演じていた俳優さんがスタッフ役として出ていて嬉しかった
片桐はいりは少ししか出てないが確かな存在感(笑)
クライマックスでピアノを弾く松岡茉優の演技はダイナミックでカッコよかった
公の場で安藤サクラをライバル視しているだけあります
終わりよければ全て良し
天才が向こう側の人だとしても
原作未読。
真正面から骨太に物語を描ける、国内では希少な監督だと思います。役者陣の演技も素晴らしく、噛み応えのある作品。音楽そのものの描き方も、端折ることなく丁寧に感じました。
という良作だからこそ気になるのが、芸術における天才は、なぜ少し「幼く」「不思議」な存在として、乱暴に言えば「一部が欠けている」感じで描かれるのでしょうか。
恐らく時間の制約等もあるでしょうが、「ちょっと不思議な芸術的天才」のキャラクターにはめることで、キャラクター説明を省略できる、ということもあると思います。もしくは原作がそうなっている、事実芸術的天才はそういう人が多い、ということがあるかもしれません。
しかしその人物描写はどこか既視感があり、この監督だからこそ、皆がキャラクターに逃げることの多い芸術的天才という人物像を真正面から描いて欲しかった、という残念さもあります(この監督は「逃げた」のではないとは思いますが)。
高島が向こう側とこちら側に一線を引いた時、私は対象への理解を得難い観察者となってしまった、視線が一つ上がってしまったことが、少々哀しかった。もちろん「登場人物に共感できない!」「感情移入できない!」みたいな、クソみたいな意見を言うつもりはなく。
ただしそれでも十二分に良作。雰囲気だけではない、質実剛健で骨太な作品を今後も期待します。
俳優が世界を鳴らすのよ
要所要所で挟み込まれる黒い馬のイメージは幼い頃母を亡くした事とそんな時でも「天才少女」を要求する周囲への恐怖かな。
その恐怖から立ち直るために挑んだコンクールを通して、世界は蜜蜂の羽音から遠雷の轟音まで音に満ち溢れ、それを知ることで自分の音楽を取り戻していく話。
素直によいストーリーなんだけど、それ以上に俳優たちがとても良い。
他人と関わることに臆病になっている冒頭から演奏を通して悦びに溢れた笑顔まで振りはばの広い松岡茉優、やがて遠雷のように名前を響かせる事を感じさせる安定感のある森崎ウィン、そして蜜蜂のように軽やかな表情を見せる鈴鹿央士。
特に鈴鹿は「若いのに凄いな」と観ていたらエンドロールに「新人」とあって二度ビックリ。
音楽と原作を愚弄する最低のクズ映画
なんたることか、最終のコンテスト演奏中に審査員が雑談しているのです、大声で!
まして酷いのは、一人の演者に有利になるように、オーケストラの配置をドラフトするのです、指揮者が、なんという横暴と悪行!
四人の演者の内、若者二人と松岡は、傍若無人で、酷い行いばかりです。
普通にしてる松阪桃李が、素晴らしく見えるだけ、悲惨な、酷い人たちです、指揮者や審査員をはじめとして。
最低の内容に愕然としました。
あちら側の世界
音楽に限らず、古くから続く技術の世界には、それぞれ道を極めた人たちの、あちらの世界がある。凡庸な自分にはよくわからないが、こうした映画やドキュメンタリーで見るごとに、あちら側の世界を垣間見ることができる。
本作、若い天才たちと、それと競いながら見つめる少し年上の高島明石(松坂桃李)の構図があり、その点で本作のポイントと感じた。明石がつぶやく「天才たちの世界はわからない」とか、「あなた達天才を見てると、自分も音楽をやっていていいんだと思える」といったセリフが、単なる天才同士の極限の交流ではなく、あちら側の世界を日常に紐付けてくれた。ま、そういう明石も相応の天才なのだろうけど。
松坂桃李も、若手イケメン俳優から、こうした脇で物語を締める良い役者になって来まさしたね。主演の松岡茉優は、亡き母の関わる音楽へのトラウマを抱えた復活をかける天才役、森崎ウィンが、悩める野心家の若き天才を、新人の鈴木央士が天性の才能を持つ少年を演じ、それぞれ独特の役をとても自然に見せていた。特に、周囲の天才に影響を与える風間塵役の鈴木央士は、本当に楽しそうにしていて、見ていてホッとする。
本作のキラーワード「世界が鳴っている」について、多分彼ら天才とは感じ方は違うものの、だれでも共感できる経験はあると思う。そうした普遍性と、天才たちの世界をミックスさせた良作だと思います。
ピアニストのことがよくわからなくても
原作未読 たくさんの人がピアニストを目指すも、進むのはほんの一握り そんなセリフがありましたが、他の世界でもわかっていることなのに「一握りを目指す」 ピアニストでなくとも日々格闘している人には共感する領域なのでしょう この領域までくると他人を嫉むことよりも、自分との向き合い方こそが問われてくる 4人各々のおかれている場所と、向かおうとしている場所、描くことは大変だったでしょうが、キャスト・スタッフの皆さんの力量です 音楽やピアノがわからなくても、わかりたくなる作品でした (10月6日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)
心地よい音に包まれた濃密な時間
一切の無駄がない完成度。
特に大きな事件が起こるわけでも無く、意外な展開があるわけでもないのに、
心を揺さぶられます。
客電がついた時に、思わず拍手したくなる作品でした(実際に拍手している人がいました)
これは映画館で観た方が良い。
全334件中、261~280件目を表示