蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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分かるけど贅沢を言いたい
恩田陸の原作の本の厚みを知っていると、贅沢なのは分かるけど、4時間、5時間の大作でもいいから見たかった。コンパクトにまとまり過ぎてしまった印象。もったいない…
2時間ものだと考えると良い
ヨコハマ映画祭にて
おいおい、映画終わった瞬間、これでいいの!?って思っちゃったよ、、終わりなの!?って…
まずあんまり魅力的なキャラがいない、もしくは、キャラが魅力を出す前に終わっていた…
だからもっと観たいと思えなかったし、誰かが何かを克服してもなんのこっちゃって。
唯一、松坂桃李演じる、市民代表の彼がよかったですな。モットーがわかりやすくて。他はもう天才の域だからなのか、わたしには理解できませんでした…
松岡茉優ちゃん、ああいう演技コンセプトなんだろうが、あまりにもあざとすぎないか??あんな子いたら、嫌われるぞ。新人賞とった鈴木央士に食われてる感がありました。彼のがキャラにハマってた。
そして、母親との回想シーンがまたかまたかと思うほど出てくるくせに、その重要性はあまりわからず…結局、なにがあったねん。
森崎ウィンはいい声だけど、たまに違和感…はまり役ではあったかも。
予告では、いったい誰が勝利するのかって感じだったけど、実際そこはさらっとしていて、序盤から明白だったんよな…
そこがどうでもよくなるほどの物語があったわけでもないのに。
なんか、全くもって残念な映画だった。
原作を読んでいないわたしが悪いのかも、ごめんなさい。
原作未読。珍しく残念感のない松岡さん。
2020年は見逃していたこれでスタート。
恩田陸はデビュー時から追っかけていたが、最近は全然読めていなくて、今やファンですというのが申し訳ないような体たらくである。
ピアノやクラシックには疎い当方だが、小説では難しい音楽表現を実際の音で流せるのは強みだったかな。逆にいうと原作はそれだけ難しいことをしていたことになるのか。
逆に人物描写はちょっとずつ足らない印象か。
あそこでもしや「月光」かと思ったらやっぱりでちょっと嬉しくなる(『バイオハザード』で覚えたくちである)。
松岡さんは天才という役どころだけど周りに他にも天才がいるので、そこまで弾けてはいなかったように思う。ただ連弾シーンはエロスを感じさせて意表を突かれた。やらしいことしてないのにやらしいデス。そこは文句なしに素晴らしかった。
高校生の私には難しかったが
少し途中寝てしまった部分もありましたが、俳優陣の演奏のシーンに鳥肌でした。それぞれの個性が光ってて音色に表れてるような。何よりあの若手の男の子は誰だと思ったら広瀬すずがスカウトした鈴鹿央士くんでびっくり😳写真で見るより遥かに良くて、純粋そうな少年の役にぴったりでした。
コンクールを聴きに行った気分
コンクールを通じてのノミネータの葛藤や成長はストーリーではあるが本質はこの人達が奏でる音楽を聴く事にあった気がする。
背景を知って聞くからさらに、という事はあるのかも知れないが、ピアノを聴いているだけで涙が出るという経験を初めてした。
表現や解説のセリフは蛇足とも言えるが、わかりやすいと言えばわかりやすい。無くてもよかったかな。
役者の演技、特に松岡さんの表現力は凄まじかった。
最後の協奏曲の演奏はアユニD(BiSH)かと思った。
音楽が魅せる感動。天才達の友情と戦い。
【賛否両論チェック】
賛:天才達それぞれの珠玉の演奏の数々に、音楽が持つ魅力を堪能出来る。彼らの絆と戦いの行方にも注目。
否:どうしてもクラシックを弾くシーンの繰り返しなので、興味がないと眠くなってしまいそう。
夢を追い続ける4人の“天才”達。そのバックボーンや努力の仕方はそれぞれ違えども、お互いに刺激し合い励まし合いながらコンクールを戦っていく姿に、切磋琢磨とはこういうことを言うんだなと、思わず考えさせられます。
珠玉の演奏シーンはまさに圧倒されてしまいますが、それと同時に、
「世界はいつだって音楽で溢れてる。」
という塵の言葉のように、音楽という本当に儚いもので感動させられることが、少し不思議でもあります。
どうしても同じようなシーンの繰り返しではありますが、音楽の道を極める天才達の戦いの行方を、是非ご覧になってみて下さい。
ソリッド・ステイト・プレイヤー
とても荘厳で、重力、重圧のかかるクライマックス迄のコンテストの舞台設定と、そこからの解き放たれるピアノの迸りのダイナミックさ、鋭さが、今迄のこういうピアニスト作品の中で群を抜いて表現力の高さとして具現化できた実例として掲示されたものはないと断言できる程素晴らしい。原作未読なので、あくまで映画での感想だが、この緊張と破裂をここまで緻密に厳しく突き詰めた構築は邦画では表現できてなかったかも知れない。そう思う程の作り込まれた出来である。
比較として引合いに出すものではないだろうが、例えばアニメ『四月は君の嘘』のような、ピアニスト達のそれぞれの内面や環境、境遇、そして関係性を丁寧に描くことで、ピアノ自体に疎い素人の自分でも楽しむことが出来る手法が主だと思うが、今作は出来る限りその内容は匂わす程度で、全てをさらけ出さず、あくまでも個々人の内面の思考を顔の表情、動き、等演技の力のみで駆動するレベルの高い展開なのである。それは安易にヒューマンドラマに落とし込むことなく、天才たちの苦悩、邂逅、共鳴という常人では理解出来ない言語の交差をまざまざと見せつける力強い表現がスクリーンに繰広げられているのである。
ストーリーとしても、原作が大変ヒットしているからであろう、ユニークな構図が取られていて、ここからもこの作品の希有な内容が見て取れる。母親を亡くし幼少期に演奏が出来なくなった主人公、師匠のロボット的教えに苦悩する男、努力により市囲の自分を証明したい男、そんな登場人物達の苦悩を、まるで風の如く吹き飛ばしてくれる神童。この音楽の天使が動くことで、本来持っていた才能を目覚めさせてくれる事になった主人公の圧巻なクライマックスの演奏は、恥ずかしい事に、ドンドン自分の躯がリズムを取って動き、自然と音楽に浸りきってしまう事に驚く。凄まじいパワーが、自分の躯の核を揺さぶり、響かせる事により、難解なクラシック曲でさえ、ビートを刻んでしまうのである。この圧倒的な映画力と、スタッフロールでの、途中の欄に見落としてしまいそうに差し込まれている監督名の奥ゆかしさのギャップも又、大変興味を抱くのだ。
今作品の高次元のレベルを嫌と言うほど感じたところで、今後の邦画の行く末を安心して胸をなで下ろす自分がいる。制作陣、俳優陣の資質の高さに惚れ込む作品である。
天才ピアニストの話というより、栄伝亜夜トラウマ克服物語のようだった。
恩田陸の同名小説を、実写映画化。原作は未読。
ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたち。彼らにはそれぞれの事情があり、苦悩と挫折、そして成功へと成長していく姿を描いた作品。
母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜役に松岡茉優。
最後まで暗くて、ボーッとした感じで、演技力なのか、演出力なのか、どうみても天才ピアニストの感じがしなかった。
マサル・C・レビ=アナトール役の森崎ウィンは俳優としての成長が感じられたが、天才ピアニストの感じが今一歩。風間塵役の映画初出演の新星・鈴鹿央士は、天才ピアニスト感がでていたがおしい!もう一歩という感じ、でもこれから大いに期待できる。
天才ピアニストとして、お互い刺激しあって気持ちを高めていく描写、天才的魅力をもっと欲しかった。
栄伝亜夜トラウマ克服物語になってしまったのが残念。
ただ4人の俳優が、ピアノを猛練習したであろうと思えたことには拍手を贈りたい。
世界が鳴ってる
ピアニスト達が、触発し合い
見えざる領域への扉を見つけ、
自分達の世界へ旅だっていく
お話しでした。
人の五感でよいと感じると
こんな感じですが
味覚→美味しい
視覚→美しい
触覚→気持ちいい
嗅覚→いい臭い
聴覚→?
心地いい?
どういう言葉がしっくりくるか
選べないんですが、
音によって感情が
揺さぶられるんです。
本作の音は、
聴覚に直接届いて
訴えてきます。
主演の4人にそれぞれ
国際的なピアノ奏者が
いて人物の背景や現状を
音で表現しているのが
わかります。
一般社会では、
ちょっと変な人が
何かが欠落しているが故に
天性の才を身につけていて、
その天才達しか
到達できない領域で
お互いが反応しあって
成長し、彼らの奏でる音の
美しさに心が奪われます。
観ていて、純粋に音の美しさに
浸れるのは、
彼らが足の引っ張りあいなど
をせずに、
お互いを高めあう空気が
こちらにも伝わってくるから。
演者の感動が観客に広がるんです。
ライバルを助け、最終的には、
場のレベルが上がり、
自身の演奏も一皮むけていく4人。
演奏は自分との戦いという
コンセプトを
ライバルとの不毛な駆け引き場面を
映さないことで際立たせています。
だから
栄伝亜夜の
最後の演奏は鳥肌もの。
庭には植えたつもりが無いものの
方が多く育つという
ことわざのように、
刺激しあって
予想しない才能の引き出しが
増えていくのを
スクリーンを通して
共有するのが心地いいです。
美しい音の旋律が
頭を駆け抜けていく
快感を体験できます。
小説と併せて楽しみたい
原作が面白くて一気に読んでから、映画も待ち切れない気持ちで鑑賞。
亜夜のコンクールエントリー番号、小説では88が44だったので半分くらいの分量なのねと考え、割り切って観ることができました。
風間塵をはじめ演奏者は小説のイメージに合っていて嬉しくなります。どちらが先でもいいけど小説も読んで堪能したい作品です。
映画観てから原作読んだ結果
映画の内容は原作の2割程しか描かれていないと感じたが、映画だけ観る分には十分楽しめる。演奏シーンも素晴らしいし、2時間程度という限られたなかでうまくまとめてあると思う。
しかし原作の細かい描写があっての風間塵の存在感だったり、栄伝亜夜の葛藤だったりが生きてくる点は否めない。原作読んでから映画を観た人には物足りなさを感じるかもしれない。
とは言え先に原作を読んだ人も音楽は楽しめるし、あの風間塵の実写化、しかもまるで本から出てきたようなハマり具合で再現されているので、そういう視点では楽しめると思う。というか全体的にキャスティングがいい。ただ、映画には奏が出てこないので今思えばそこは残念だった。
本選の演奏曲、マサル(プロコフィエフ3番)と亜夜(プロコフィエフ2番)の曲が映画では逆になっていた。映画を先に観たもんだから、あたしのなかでプロコフィエフの3番(CMで流れていたあの曲)はどうしても亜夜のイメージになってしまっていて多少違和感が…(その他にも原作との違いは結構ある。)
もしかしたら3番の方が大衆ウケするからという理由で逆にしたのかもしれないが、そうだとすると原作内で描写されていた'音楽で集客するには人気のある曲を選ばないと'というジレンマがそのまま表れているようで面白い。
映画を観て面白いと感じた人はぜひ原作を読むことをおすすめしたい。映画よりももっと泣けるし、音楽ってこんなに素晴らしいんだなと、とても幸せな気持ちになれるから。
ピアノの神様
松岡茉優が素敵です!
もちろんピアノの演奏シーンが多いですがクラシックとかピアノが分からない私でも楽しめました。
雨音と遠雷、そしてピアノ。
個性的な4人のピアニスト。
ピアノの神様に選ばれるのは誰か。
そもそも芸術に順位をつけるのって難しい。
演奏シーンも本当に弾いてるみたいで感動しました。
最後にコンクールの結果をさらっと見せたとこも良かった。
音楽はやや難解
国際音楽コンクールでの4人の軌跡を追う。
天才3人と凡才のストーリーを上手く絡ませながら、
決勝までの行方を描いている。
原作は読んでいないが、ここまで音楽を聴かせながら2時間に纏めるのは至難の技だっただろう。どこを取ってどこを削るかの連続だったと思われる。
映像もイメージカットは非常にインパクトがあり、グレーディングにもこだわっている。
音もドルビーサラウンド7.1chにしてあり、臨場感が出るようにそれぞれの楽器ごとに収録してあるというのだから驚きだ。
最も重要な音楽のファクターは、藤倉大が作曲しているため、超絶かつ難解だと感じる。もう少し一般に親しみがあるメロディラインを展開しても良かった。プロコフィエフのピアノ協奏曲3番はプロコが日本に来た際にインスパイアされて創作されたものであるので、最後に持ってくるあたりは分かってるなーと思わされてしまう。2番は最も現代音楽感強めなので、親しみにくい感が出てしまう。むしろ個人的には1番の方が断然ゾワる。リストは一瞬しか出てこないし、もう少し古典的な曲も聴きたかった。
プロコフィエフは天才作曲家であり、ピアノ曲やバレエ曲も数多く残しているが、プロコの曲がここまでクローズアップされたのは本当に嬉しい限りである。
風間くんの木製のピアノや指から血が出るシーンは、脚色し過ぎで現実離れしているのでマイナスポイント。
キャスティングはよくできている。
あなたが世界を鳴らすのよ、は名言。
どこか俯瞰しつつ眺める情景
原作を読んだわけでもないので、予告編で勝手に想像しつつ観た映画。
結果、良い感じに肩透かしを喰らった。其々の中に潜んでいる情念みたいなものが、もっとぶつかり合うのかな?と思っていたのだけれど、案外ドライ。でも、それって物語的なものであって、その実この位に静かで切ないものなのだろうな、なんて思った。だから、物足りなさを感じつつも、結構な満足感を持って劇場を後に出来たきがする。決定的な所で言葉が少ないのだけれど、役者さん其々の動きで何かしっくり来ちゃったのですよね。音が言葉が魂に響く!って程ではなかったのですが、だからこそ腹に落ちた一本ではありました。
だからこその遠雷。
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