「蜜蜂はどこ?/音楽に身を浸す喜び(原作未読)」蜜蜂と遠雷 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
蜜蜂はどこ?/音楽に身を浸す喜び(原作未読)
塵くんとお姉さんがピアノ工場で弾く、月の光〜イッツオンリーアペーパームーン〜ムーンライトソナタの即興連弾がとてもステキでした。海辺の満月の黄色と薄闇の青(ピアノ工場へ向かう道)もきれいだったし、二次予選であーちゃんが弾くピアノに映り込むお母さんと幼きあーちゃんの映像も良かった。
印象的な演出、映像がいくつもあって胸が踊りました。
水の跳ねるところ、馬が駆けるところも、意味は分からなかったけど、印象に残る映像でした。
原作は未読です。松岡茉優に惹かれてみることにしたのです。
桐島といい、あまちゃんといい、問題のあるレストラン、真田丸、万引き家族…と、出演作品のどれを取っても印象的で、数年前に出演したボクらの時代で、10年以内に映画賞を獲りたいと言っていたハングリーな感じが好きで、密かに応援しているのです。なので観ました。観て良かったです。
役者でいえば、風間塵くん役の子も良かったです。誰の手も及ばぬ処にある強い個性が感じられ、魅了されました。
あとは喋らないクロークにいるはいりちゃん。
あと、審査員のひとりの演奏中にパン食べてた人、のだめカンタービレでマルレオケのコンマスの人やと思います。テオが困ってるんちゃうか?と思いました。
音楽については、プロコフィエフのコンチェルト2曲ってなかなか並ばない演目ちゃうかな?とか、バルトークのコンチェルト、好きかもって思いました。
プロコフィエフはバレエ音楽でしか知らなかったけど、コンポーザーピアニストだったんですね。
あと、カデンツァを自由に作曲しましょうなんて課題、でるんですねー。へー、と思いました。
わたしは本当に演奏するセンスが全くないので、長く習ったピアノもろくに弾けません。部活で始めたクラシックギターもソロで聴かせる技術は得られませんでした。でも音楽は大好きです。ポップスもロックもクラシックも詳しくないけど好きです。なので、良い音響でかっこいい音楽が味わえて、それだけでだいぶ元が取れました。
このように映画はほんと、なかなかよかったですが、タイトルにある蜜蜂が羽音さえしませんでした。遠雷は出てきましたが。
劇場から出るとき、原作既読と思しきの方々が、色々愚痴っておられたので、小説に置き去りにされた要素も色々あったんでしょうね。
でもなんせ上下巻のぶあつーい長編小説を2時間にしたんだから、多少はね。
もちろん、私が盗み聞きをしたお客さんたちも、好意的な感想の上で、あーだこーだ言っておられました。
原作は、、、上下巻、、読んでみたいけども、、長、、うーん。