「人種差別をリアルに描いた問題作」ヘイト・ユー・ギブ よしさんの映画レビュー(感想・評価)
人種差別をリアルに描いた問題作
幼馴染を、警官に不当に殺された少女の再生の物語。
警官による黒人射殺事件を正面から扱った問題作。日本未公開作品とのことですが、一見の価値がある秀作です。
少女の動揺、哀しみ、怒り、そして制御も分類も出来ない気持ちが、とても丁寧に静かに描かれています。
また、少女の視点を通して、社会の不条理、暴力、差別、そして家族愛が描かれていて、とても考えさせられる内容でした。
派手な演出は終盤位でしたが、少女のモノローグに独特のリズムと心地よさがあり、2時間を超える上映時間もそれ程長くは感じませんでした。
ただ、とても残念だったのは主人公と友人である白人少女との確執。と言うか主人公少女の問題。エリート校に進学する自分を「スター2」と言って周囲を偽り、大切な幼馴染を亡くしたことも隠し、そのくせ白人少女に友情や理解を求めるのは違うように思えます。私からすれば、白人だからと言って差別していたのは、主人公の方だと思えました。流石にそういう描き方は出来なかったのでしょうが、私的評価としては少し下げさせてもらいました。
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