「ベッキーは良かったけど」麻雀放浪記2020 TheNextThreeDaysさんの映画レビュー(感想・評価)
ベッキーは良かったけど
残念ながら何度も欠伸が出た。
全体の感想は、監督、脚本、俳優がチグハグで噛み合っていないということ。
がっかりしたのは、哲が成り上がって行くのが見せ場なのに、さらっと進んでしまって、カタルシスがない。
また墜ちる理由も唐突で、チンチロを無理やり入れ込んだ感じで、感情移入できず。脚本の浅さ、練り込み不足が見られた。
編集、もっとテンポ良くできる。2時間はちょっと長い。
セット、閉塞感、圧迫感、逃げられない感じが続くのは辛い。
居心地の悪さ、臭いがしそうな不愉快さはリアルだが。
美術、ごちゃごちゃ。
情報が多く、読んでも別にストーリーと関連もなく、疲れる。
諷刺、監視社会と東京オリンピック批判は良いが、警官の描写は単調。
撮影、iPhone画面は安っぽくてマイナス。
揺れなくて良い所で揺れる。
コメディだからこそ綺麗な絵の方が良い。
と、色々不満を挙げたが、事前に読んだ原作よりは良い。
原作もかなり支離滅裂で、人物描写が下手なのに評価が高すぎる。
瀧は、本当に端役で拍子抜け。
こんな役に、とばっちりで公開中止になっていたら、確かに勿体無い。
ただ、カットでも撮り直しでも楽にできるだろうと思われる出演時間。
「逆に話題になってラッキーだったんじゃ?」という爆笑問題太田の感想は、ドンピシャ。
白石監督は何か持ってる。
期待しないで観たので腹を立てずに済んだ。
むしろベッキーの演技力に驚いた。
演技は、主役○、小松◎、的場△、竹中は私は昔から生理的に✕。
ヒロインも最後まで可愛く見えては来なかった。
パンフレットが売切れは邦画で初めてだったが、買えないで私には正解。
ただ白石監督には期待している。
今の邦画では監督しか観る価値がない。