In the Life of Music 音楽とともに生きてのレビュー・感想・評価
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テーマ曲「バッタンバンに咲くプルメリア」の出だしが「夢先案内人」に似てる
1968年、ベトナム戦争の影響も懸念される中、カンボジアの牧歌的な雰囲気の中、ある村では村長宅でコンサートが開かれていた。この様子と現代2007年との対比もすごく良かった。カンボジア系アメリカ人ホープが母親の歴史と向き合うために訪れ、母の故郷へと向かうのですが、自転車が車に代わってはいるものの貧しさが未だに残っているのです。
そして1976年カンプチア。クメールルージュによる搾取と大量虐殺。ベトナム戦争、アメリカのカンボジア空爆といった苦難の歴史の中、ホープの両親にも悲劇が待っていた。その後は描かれてないけど、母娘は難民となったのだろうと想像できる。ただ、ホープの若さからしても、その時の娘なのかわからないし、全体的に人物関係がほとんどわからないのが難点。
平和な時代と苦難の時代。そして歌い継がれている「バッタンバンに咲くプルメリア」が心に残るのです。伯母(大叔母?多分自転車少年の妹)もホープの母について語るわけでもなく、祖国にヒット曲を捧げようとする彼女の歌声が響く。
ラストシーンは印象的でしたが、家に帰ってから口ずさんでみようとすると、どうしても「夢先案内人」になってしまう。数々の曲も日本的だったりタイ風だったり中国音楽っぽかったりするのですが、70年代に多くの音楽が失われてしまったんだろうな~と、感慨深く思いを巡らせてしまう。主人公の女の子は可愛いです。
【追記】
「いつでも夢を」にも似ています・・・
失われたカンボジア文化を想う
クメールルージュによってカンボジアは多くの人々とともに文化も失った。映画や音楽もだが、近年ようやく紹介されるようになった。シン・シサマスがNHKFMで紹介されて独自のポップスを進化させていたことに衝撃を受けた人は少なくないだろう。しかしほとんどの作品とともに偉大な作曲家は消えてこの映画に表されているような運命を迎えてしまったのだろうか。そこから立ち上がらなければならないとはいえ、多くの禍根と反省を促す映画となっている。
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