「心をこめれば贋作も本物になる」プロジェクト・グーテンベルク 贋札王 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
心をこめれば贋作も本物になる
テーマとしてはこれしかない!贋作も本物を超えることがあるんだと。監獄から手紙を出すシーンなど、最初から緊張感MAX。香港に移送されてからも、かつての恋人だったユンが迎えにきてくれて、徐々に過去を語りだすといった手でストーリーは展開する。しかし、お前も贋作だろ?と、ホー警部やユンや「画家」さえも疑って見てしまいました・・・この疑心暗鬼に溢れた鑑賞法は『ユージュアル・サスペクツ』でも失敗しています・・・
まぁ、そんなストーリーそのものよりも、米新100ドル札をいかに偽造するかというテクニックに惚れ惚れしてしまいました。ここまで手が込んでいたら、そんなに儲からないんじゃね?などと感じるとともに、原版、無酸性紙、特殊インク、透かし、凸版凹版など通常の印刷知識だけではわかんない、科学的な偽札作りに呆気にとられてしまいました。
カナダで恋人同士だったレイとユン。画家として成功したユンに比して、レイは贋札作りの道を歩む。世界中での取引において、カナダではインクを奪うために警備員たちを殺しまくり、ゴールデン・トライアングルでは復讐のため「将軍」と呼ばれるボスと私設軍隊を殺しまくる。
ここではチョウ・ユンファが二丁拳銃、さらには二丁マシンガンをぶっ放し、爆弾炸裂、仲間もロケットランチャーでアジトを壊滅!無茶やりおる。そこで愛人(?)のシウチンを助け、自分の恋人にしてしまうレイ。整形で顔も変えて・・・など、アクションも全開、チョウ・ユンファファン必見のシーンだ。
このシウチン(ジョイス・フォン)がまたいい。命を救ってくれたレイに尽くし、徐々にユンに似てくるのです。刑事とユンの婚約者殺害の部屋では茶髪だったし、これが記憶を曖昧にしてくれるギミックとなっています。え、どっちだっけ・・・と。また、ホー警部も過去の顔と現在の顔が微妙に違ってるし、もう贋作ならぬ贋顔ばかり。クルーズ船での出来事の時系列も違っているのでさらにややこしい。
「画家」=チョウ・ユンファでも良かったんですが、最後にはやっぱり・・・と、翻弄され続けていたホー警部だけが可哀そうに思えてくる。海外の撮影もいっぱいあるし、結構金かけてるな~と思わせる。とにかく掟(自ら偽札を使うな)を守らなけりゃね。誰が作った掟か知らんけど。
グーテンベルクとはドイツの印刷機または発明した人名。サブタイトルの「贋札王」なんて、「巌窟王」をもじっただけか?などとも感じたオープニングの牢獄シーンでした。
kossyさん、2回目見ました!警部補の良さがぐいぐい来てしまいました。一見「男たち」ですが「女たち」の話ではないかと感動してしまいました。この映画教えて頂きありがとうございます!映画見ると頭が興奮状態でなかなか眠れないのが嬉しいというか問題というか…!
kossyさん、コメントありがとうございます!「男たちの挽歌」のマッチくわえてる人ですね!見てみます!香港ドルも全くよくわからない。沢山なんだな、です。