メランコリックのレビュー・感想・評価
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ゆるさとバイオレンスのバランス
生まれたままの姿で水に身を沈める。風呂という場所と『死』は、観念的にとても近い場所にあるように思う。
夜の銭湯で、殺人と死体処理が行われている。一見奇抜に思えるシチュエーションが、観念的にも効率的にもバッチリ嵌まっていて、そのアイデアだけで作品の土台として十分な魅力がある。
メッセージ性があるようでないようなフワフワした雰囲気、登場人物達の明確なベクトルなき生活、描かれないバックグラウンド、思考停止で転回する事態、正体のはっきりしない憂鬱と刹那の満足感などが、望洋としていながら妙にリアルで、いかにも現代的だった。
鑑賞した50席程度のミニシアターの規模も、狭い世界に終始する物語のパーソナルさにマッチしていた。
アイデアと、空気感と、場所が揃って、醸し出される独特の雰囲気を、十二分に堪能できた。
凄く小規模で、凄くゆるーいフイルムノワールといった感じ。殺人シーンも余りエグい描かれ方はしないので、バイオレンス苦手な私でも余り嫌悪感なく見られた。
銭湯の日常と殺人の非日常のギャップ、それにさしたる抵抗なく馴染んでいく和彦、仕事として疑問なく淡々と励む東や松本。特に和彦の実家のシーンが、テンプレなサザエさんかよ!というようなほんわか夫婦で、仕舞いにはあの状況でその反応!?というちぐはぐさ。可笑しさを通り越してちょっと怖いわ!このむず痒いような気持ち悪いようなシュールさもいい感じ。
この、ダークでシュールながら非現実的で呑気な空気感を、意図的に作り上げたのか、単にどっち付かずになったのかで、評価や好みが随分変わってくる気がする。
見るからにインディーズという、演技や画面の粗さ、舞台のコンパクトさ。完成度は高いとは言えないが、そこは作品の性質上、少し差し引いて見てもいいだろう。
論理的に説明的に、筋立てて話を追おうとするのはお勧めしない。意義や整合性を求めてしまうと、あり得ないとか、説明がなされないとか、結局何が言いたいのかとか、気になる所が沢山出てきてしまう。
風呂でぼうっと、妄想や回想や考え事を巡らしながら、気持ちよさとどことない不安に包まれているような、奇妙な肌触りを楽しみたい。
ワンアイディアが秀逸
長編第一作目とあって全てが新鮮でした。
まず作品の骨子となるワンアイディアがすごい。
その視点が素晴らしく、成る程と唸らされます。
ジャンル的にクライムムービーなんでしょうけど、見終わるとサスペンスコメディといった感じでした。
キャストもそれぞれのキャラがちゃんと立っており、メインキャストの3人に至っては実に魅力的でした。
冴えない主人公は本当に冴えない(でも眼鏡を外した時イケメンがバレてます)空気出てますし、吉田さんが本当にどこにでもいそうな女の子役なんですが実にキュート。
そして何より松本が格好良いんですよね。屈託の無い可愛さもありながら、アクションでは凄い魅せてくれます。
本作ではアクションの構成・演出も担当しているようで、その動きにも納得でしたよ。
この三人は今後の活躍も予感させてくれますし、是非見てみたいと思いました。
タイトルのあるように実に憂鬱な空気から始まり、とてものんびりとした中で物語が進みます。
このゆるい感じが後から効いてくるんですね。
後半での展開の速さが心地よく、どんどんと引き込まれていきます。
そして最初の憂鬱な食卓から、最後の食卓へ繋いだのは本当に見事。
あんなラストになるとは思いもしませんでした。
バイトを始めた事で目まぐるしく世界が変わって行く様は、一歩踏み出せばこんなにも世界が変わるという鬱屈した若者へのメッセージとも取れました。
と同時に、監督が自分へ向けたエールだったのかもしれません。
カメラや少し粗めな部分も見受けられたが、だからこそこのチームの次作が気になるとも言えます。それにしても10日で撮り切った情熱が凄いですよね。
この作品はきっと彼らスタッフにとって、とても大きな一歩となった事でしょう。
実に小気味良い作品、本当に面白かったです。
ヤバイ犯罪行為中、なのに笑える不思議な空気感
展開は面白い
普通に面白い
てめえが今置かれてる状況がわかってんのかよ!
面白い!
まあまあな作品
憂鬱なさま・・・ タイトル通りの作品
褒める意見が多すぎる気がします。
面白い! 2019年版「カメ止め」! という感想があったので見に行ったが、個人的にはまるっきり面白くなかった。
確かに恰好良いアクションシーンや撮影テクニック的なものは良かった。
が、見た後に考えさせられる事も無く、爽快感も無く、ただただ こんなストーリー・展開の作品だったのかと思うだけで、つまらなかった。
自分にとっては、「ターミネーター」のようなぶっ飛んだ設定でもなく、銭湯で死体の処理という設定が 家族と食卓を囲む等、日常的な描写も多くて現実に無くもないかな? と感じてきたところで、 「田中を殺せば解決(借金チャラ・主人公が悪事しなくていい・始末されない)」なのはごく自然な流れで、 警察の存在を完全無視、 田中の組織からの復讐は? 松本のありえない生還、 「銭湯の主人が殺された」ニュースにもなってるのに逮捕されてないんかい! しかも殺した本人が言ってる! ヒロインが金払えなくて銭湯に来た・・ 想定内のどうでもいい情報。 銭湯で宴会して終わり なんじゃこれと思いました。
ラストは大団円 という感想がありますがとんでもない! 殺したことをよく忘れられますね!
カメ止めと決定的に違うのは、ゾンビ殺し→あくまでも撮影だった つまりフェイク
メランコリック 人殺し→作中では本当に殺している
という決定的な違いを認識してない人が多すぎます。
出演者は皆さん良い味出してたのに勿体ない!
メランコリック=憂鬱なさま
スプラッター映画でもホラー映画でない、質の高いアクションコメディエンタメ映画でした。
銭湯で起こるスプラッタムービーでもなく、
奇抜なホラー映画でもなく、
サスペンワハハ、、、
めちゃくちゃ楽しい笑えるアクションエンタメ作品でした。
以上
もうちょっと具体的に?
はい。
まさに一球入魂、
ワンカットワンカットに、
こうすると楽しい?
この言い方だったら伝わる?
ニヤッとさせる塩梅はこれくらい?
リリーフをどれくらい点在させる?
緻密な仕掛けで湯船に引っ張り込まれます。
こんなカット割り観た事ある?
顔半分ともうひとり。
こんなアングル観た事ある?
手だけをナメる切り返し。
セリフも芝居もシナリオも、
推敲とリハーサルを重ねたんでしょう。
主人公はもちろん、登場人物全員が魅力的。
一例、
金髪のお兄さんの言葉とアクションと特別ルールと責任感、背景、、、
それにほんの少しだけど主人公が、、、
ああ、言いたい、ネタバレじゃ無いけど、
観る方がいい。
気になったのは、
番台のスーパーボールが売れてました。
どんな人が福引きを引いて当てていったという設定なのでしょうか。
入浴大人料金が350円でした。
これに意味はあるのでしょうか。
という風に見落としてる事もいっぱいありそうな、
緻密で繊細なアイデア、
大胆な語り口、
マストシーマストシーマストシー
(オリバーくん風で)
桶?
真摯に創られた映画
思ったよりゆるい映画
視聴後は、思ったよりアットホームなコメディ映画のような味わいがあった。
カメ止めのような爆発的な笑いではなく、登場人物のゆるさと相まって、クスッとくる感じ。
低予算、短期間の割には丁寧な作りで、エンタメとしては質が高い。
特にキャスティングは素晴らしかった。
星3なのは、難癖つけるようで申し訳ないが、凡庸に思えた点と、脚本や演出にアラが目立った点。
以下、その例をいくつか挙げてみる。
・緊迫感みたいなものがなく、特にあっと驚くサスペンスやサプライズも感じられない。
・画作りに目新しさが感じられない。
・演出なのかどうかわからないが、人が死ぬことに対する現実味に欠ける、また、死体を処理することへの葛藤や苦悩、苦労があまり感じられない。
・主人公が東大生という設定が(最終的に)活きる場面が足りないように感じる。
・彼女がなぜ主人公に惹かれたのかがよくわからない。
・悪役のインパクトだけが弱い(主人公の周りがいいキャラなだけに勿体ない、またなぜ舎弟や護衛的な人が存在しないのか、借金の催促以外に凄惨な場面が欲しかった)
ざっと流れで見た感じでは、伏線や構成はちゃんと成立してるし、展開も飽きさせないし、上記のことなど大して気にしないで見られるくらいにはしっかりできているので、あくまで難癖である。申し訳ない。
風呂が好きっス
ハラハラグダグダヒェヒェ、ホンワカパッパホンワカパッパホンワカホンワカホェッ系。
起きている事は間違いなくスリリングなのに、ユルくてのほほんとした空気が常に漂う。
非日常も日常になれるんだなぁと思った。
「殺す」をこんなにホンワカぽんぽん扱う映画もなかなかないのでは。
充実感のない毎日を送る鍋島和彦。
人と話す時に眉を上げて目を見開く表情の絶妙な気持ち悪さが好き。
(トークショーで登場した和彦役の皆川暢二氏は、どこぞの海岸にでもいそうな堂々とした爽やかイケメンでちょっとびっくりした。改めて俳優ってすごいよね。)
しかし和彦の芯の強さと根の明るさが見え始めると、一気に胸熱と少しの羨ましさが出てくる。
分からないことは追求し、納得いかないことには不服な顔をし、落ち込んだ時に初めての彼女に縋れる性格。
舞い上がりやすくわりと図太いその精神、それもまた良し。
金髪チャランポランな松本のギャップにやられる。
アクションシーンの無駄に綺麗な構えや佇まいから、なんだかドキッとするほどの鋭さと謎のエロさを感じた。
ところどころで光るギャグに笑い、終盤に来る予想外の展開にドキドキて見入り、締めの食卓と飲みの席に心がポカポカしてじんわり涙が滲んだ。
笑いを入れるならもっとバンバン畳みかけて欲しいなとか、テンポが緩いなとか思ったけど、一人一人の日々に寄り添うタッチならこれくらいで良かったのかも。
「よし、やっちまおう」がめちゃくちゃ好き。
殺し屋職や銭湯の中から話の本筋がズレないところが逆に意外だった。
なんとなく、どこかで方向転換して思ってもみない方向に持っていかれるのかなと変に構えていたので。
逆に予想外の収まり方だったのが、逆に新鮮。逆に。
楽しいことがないと言いつつそれなりに生きていけるし、まともな職歴なくてもライフライン止まってもなんとかなるし、たまーーーにある楽しいことのために日々命削れるのって真実だよね。
私の日常はわりと毎日楽しいのでさらにハッピーだね!
先頭店長の顔と話し方が好き。
一枚上手の田中が好き。
ゆりは高校の先輩によく似てて可愛い。
小寺先輩の飄々とした態度が好き。
田村の腹立つモテ男感、しかし結構いいヤツで好き。
生温くてちょいウザな両親好き。
でも何よりの推しメン!それはアンジェラ。
ナイスバディに日本語のアクセントも田中への態度の悪さもかなり大好き。
ストーリーの良さもありながら、キャラの魅力的が大きかった。
みんなそれぞれ誰かしらに当てはめられるでしょう。
上司とか、上司の上の上の人とか、先輩とか後輩とか。
あ、生きるっていいなと思える映画だった。
お腹ぺこぺこになった。
和彦さんへ、Snake VS Block面白いよね。
私自身が知らないだけかもしれないが…
後半が良かった
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