メランコリックのレビュー・感想・評価
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犯罪に足を突っ込んでいくフリーター
バイト先の銭湯が閉店後に死体処理を行っていて、東大出の世間知らずのフリーターが自然に犯罪に足を突っ込んでいく。ところどころにユーモアが散りばめてあって面白かった。主人公がココリコ田中、松本が金髪になった次長課長の河本に似てて最後まで気になった
ブラックコメディは人情系
ニートがアットホームなアルバイトの殺し屋になる話し。
素人っぽいところが新鮮な田中征爾監督のデビュー作。
時間をかけて楽しんで脚本を書き、一人一人考えて
適所適材のキャスティング。
田中征爾監督のこのデビュー作は沢山の賞を国内外から貰い、
注目された。
そして一昨日、2作目の劇場公開作となった
「死に損なった男」を観ました。
「死に損なった男」に地縛霊のように自殺した男の幽霊が、付き纏う話し。
「人情喜劇」のジャンルでしょうか?
面白いことはそれなりに面白いのです。
しかしなんか「メランコリック」の方が、監督ご本人が楽しんで
撮られた喜びみたいなものが伝わってきます。
「メランコリック」
ストーリーは東大卒で自宅に住む和彦は、近所の銭湯で高校のクラスメイトの
百合に進められたことから、銭湯で働くことになる。
ところがその銭湯の裏の姿は、ヤクザの田中が殺した死体を
処理することだった。
はじめは何も知らなかった和彦が覗き見したことから、その汚仕事を
案外平然と手伝い出すのは、意外な展開です。
更に殺し屋の松本と田中を殺すことを決めて、田中宅へ向かうのですが・・・
金髪のチャラい殺し屋・松本が親も恋人も居ない上に酒も飲めない。
そんな松本が刺された時に担ぎ込む和彦の自宅。
和彦の家の食卓は常に穏やかで温かく母親の美味しいご馳走が
並んでいます。
ブラックコメディがアットホームに、終わる。
田中征爾監督の原点はやはり、ほのぼの系の暖かい色彩でした。
桶?
とりあえず、カースト底辺は同窓会で草を食べる。
東大まで行ったのに〜は百万回聞かれてるけど答えられないカズヒコ。
一般家庭でぬくぬくと少し腫れ物扱いとして育ちバイト三昧な日々。
ある日同級生のユリと偶然風呂屋で再開し、流れでその松乃屋で働くことに。
ユリに一人暮らしぃ?!って食い気味にくるカズヒコのキモいことキモイこと。
そこにはオーナーのアズマじぃちゃんと濃い顔のコデラさん。同期で入ったマツモトくん。この子がすごい頭悪そうなのだけど、きちんとカズヒコの事も目上として丁寧に話し、縦社会に生きてる子なんだなぁ…
そこで見つける死体処理。
釜の火を見ながら、よく燃えてますねぇとポツリ。
あぁ、ここで道を外すのか。
特別手当を貰ってウホーイってデートに誘うとか狂ってる。
それにより承認欲求が満たされて、人生順風満帆…ではない。東大卒でど底辺生活で彼女もいない、コミュ力もないのは自尊心が高い分なににでも縋りたかったのかもしれない。
今作はとにかくテンポ良く、キャラクターもしっかりしているのでとても観やすい。
銭湯と死体処理と言う謎展開も、そうねその方が綺麗にできるしね。と謎の説得力をもたせてくる。
カメラのアングルなども、ほぼキャラのアップで他は背中や別アングルで撮るだけで距離が縮まらない。
食事シーンも両親とカズヒコの間にはボーダーがあるようで、ユリとの食事シーンも同じカメラには入らない。
その分目の演技やカズヒコのメガネに反射する光景など。
マツモトがタナカに出会って、あー、来ちまったよって目の動きがわざとらしくてとても好き。
死体処理がマツモトの方が主導を持っていたことが受け入れられないカズヒコ。
しかし、コデラの死によって2人は急速に距離を縮める。並んでお風呂で話をする2人はすでにバディのよう。
マツモトがタナカに引き渡され、カズヒコの処理をどうするかを話し合っていた間、彼はのほほんと彼女と幸せな時間を過ごしている。
なんならタナカ暗殺の計画後、マツモトが銃のレクチャーをしてる構成がじっくり楽しいBGMだしその後の2人の居酒屋のシーンはとても良かった。
黒組織と一般家庭との異種文化交流みたい。飲酒運転か、なるほど〜。
食事シーンもほとんど映らないのも好ましい。
家庭でも居酒屋でも何を食べてるのか分からない。
その分、必死にうどんを啜るマツモトに良かったねと思えた。
唯一出てたケチャップまみれのオムライスはケチャップだったね。
一般家庭に銃で撃たれた人が帰ってきて、救急車呼べなくて、とりあえず手当をして食卓囲むとかまるっきりファンタジーだし、ボーダーだった間にマツモトが座る事で輪になる。
銭湯もみんなで囲み、輪になる。
幸せと呼べる一瞬のために生きる。幸せってのはそういうものなのだ。
これでいいじゃん、いいって言えよ!って感じをゆる〜く思わされる謎作品でとても好き。
そもそもみんな黒なのに足洗ってその場所で家族営業っぽくするの無理だからね?
結局、カズヒコとマツモトの友情ストーリーでしたね。
「永遠(L'Éternité)」
この映画、個人的見解ですが、邦画史上、最高のラストシーンだと思っています。「一瞬しかないかもしれない永遠」のワンシーンが見所です。
映画のラストシーンで、持続するわけではない、だけどその一瞬にこそ垣間見える「永遠」(小林秀雄が、ランボーの「地獄の季節」を、「また見付かつた、何が、永遠が、海と溶け合う太陽が。」と訳した“Elle est retrouvée.Quoi? — L'Éternité.C'est la mer allée Avec le soleil.”的な「永遠(L'Éternité)」が、少なくともラストシーンに映像として描かれていると私は勝手に思っています。
ゴダールより私は、こちらの永遠の方が好きです。もっと高く評価されて然るべき映画だと一人憤慨しております。映画好きのそこのあなたにぜひお薦めしたい逸品です。
割と好き
東大出て就職できず清掃業とかのアルバイトしかしたことない和彦。ガリ勉すぎるとコミュ力が育たなくなるから、あり得る話。
現実的にはツッコミどころはあるものの、主役俳優の皆川さんの頭はいいけどコミュ障の人のあのたどたどしい自信のなさそうな喋り方とか目線とか吃るところとかの再現性がすごい。
あれってやろうと思ってもなかなかできないんだよね。すごいなーー!
最後は裏切り裏切られ、ええええええ!となったけど、結局円満解決。
でもさ、ヤクザ殺して一般人も殺したら捕まるしヤクザの兄弟が皆殺しにくるでしょ、、だからラストの完璧な瞬間のためにっていうナレーションが不穏に聞こえて堪らん気持ちになったな。
鑑賞後に主役の和彦と彼女役の百合ちゃんが実際に結婚して子供も産まれたって情報を見て、ほっこりした…!
OK?
いい映画よりも好きな映画
好きな映画でしたね。その独特の雰囲気が、淡々と続いていく。
そこには暖かさもあり、胸糞展開もなく、事実が小説よりも奇なりという感じはこういうことなのかもと思ったりしました。
とにかく明るい松本、OKおじさん、冴えない東大生がちっぽけなプライドと共に前に進んでいく姿。全部が絶妙なバランスで話が進んでいき、後味もいいです。
あの家庭の雰囲気も良かったです。
劇団ひとり?
ずーっとココリコ田中だと思って観てた
「逆に聞いていい?」
同級生女子にエロスを感じた!!
全体的に間延びした印象で、台詞読みもゆっくりでしんどかったです。アパートで殺す映画があります(同年の「羊とオオカミの恋と殺人」)が、銭湯の方が騒音と清掃で理に適っていると思います。冴えない主人公に同級生女子がグイグイ来る様にエロスを感じましたが、本編はつまらなかったです。
キングオブB級映画
銭湯+殺し屋+巻き込まれ
カメラや照明には金が掛かっていないし、役者も知名度のある人は出ていない。所謂カメとめのように予算は最低限な作品なのだけど、面白かった。
この作品の肝は銭湯が殺しの仕事場として貸し出されている設定だと思うのだが、なんでも制作が始まってから苦肉の策としてでたアイデアだったそうだ。風呂屋というアイデアがあって、そこから制作が始まったとばかり思っていたのでビックリ。
そういう偶然性によって出来上がる名作もまた良し。
人生も映画もお金ではなくやりがい
途中まではすごく良かった
うだつの上がらない生活を送っている青年が、殺人現場の掃除をさせられることで、人生に充足感を感じるようになり
同僚への嫉妬や、自分だけ銭湯で安全な仕事をしている虚しさが描かれて
そこまではすごくよかった。
ただ、主人公が巻き込まれ始めてから、急によくあるごく普通の価値観の映画になってしまったような感じ。
途中まで、どこに連れてってくれるんだろう?とワクワクしただけに、ガッカリした。
スプラッターかと思いきや成長物語
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