劇場公開日 2019年8月3日

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「驚愕の変化球から来るのは、今に刺さる人の心の温かさ」メランコリック かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0驚愕の変化球から来るのは、今に刺さる人の心の温かさ

2021年1月26日
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鑑賞方法:VOD

さぞバイオレンスでアウトローな映画に仕上がっていると思ったら、銭湯にぴったりの温かい映画に仕上がっていた。
東大卒のニート鍋岡は、好意を持ってくれた副島から風呂場のバイトを始める。しかし、そこは死体処理というもうひとつの顔を持っていて…。"変幻自在"という言葉がピッタリくるように、コロコロと作品が表情を変えてくる。それでいながら、序盤に押さえられた伏線をジリジリと回収しつつ、サスペンス色からドラマ色へと変貌していく。その展開に息つく間もなく拐われ、圧倒される。その過程にハラハラしつつ、変化を成長に変えて行く鍋岡に気づく。これは、逃げていた人生に訪れた岐路に立った男の成長物語だったのだと。
作品が終わったとき、ホッとするような多幸感が体を包む。お風呂に浸かった時のような、あの温かさで。異色作でありながら、意欲作。そしてもう一度、人の温もりに触れたくなるような作品だった。

たいよーさん。