「文化や民族を超越した面白さもある」テルアビブ・オン・ファイア kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
文化や民族を超越した面白さもある
脚本を検閲され、言われたとおりに修正していく話といえば「笑の大学」(三谷幸喜演出の舞台で映画化もされた名脚本)を思い出す。無茶苦茶な指示を出されても、それを上回る面白い脚本に仕上げていく話は印象深い。
検問所の役人という強者と言われた通りに直さざるを得ない弱者という構図は同じだが、本作はプロデューサーや他の脚本家、俳優たちからの要望も調整するという荒技が繰り出される。基本板挟みの面白さだ。さらに、パレスチナとイスラエルという民族問題も扱う。
いかんせん中東の民族問題は馴染みがなさすぎる(時代設定の問題もある)。わからないながらも笑える箇所はあってそれなりに楽しめたが、もっと笑いに走れたのか、それともものすごくがんばって笑いにしてたのか。そういう意味で自分にはちゃんとした評価ができない気がした。
ただ、最後の決断はやはり笑えた。文化や民族の違いを超越した面白さなんだなと実感した。
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