「アマンダに必要な人はアマンダを必要とする人」アマンダと僕 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
アマンダに必要な人はアマンダを必要とする人
亡き姉の子どもが女の子(姪)で7歳、という設定はアメリカ映画の『ギフテッド』と同じです。
勿論、アマンダは数学の天才ではないし、姉(母)の死因やストーリーも違うので、比較すること自体ナンセンスだとは思うのですが、決定的な違いがひとつあって、それは何かというと、この映画には『結局は自分の都合から導き出した理屈なのに、したり顔で押し付けてくる大人』が出てこないということです。
アマンダに対して、これがあなたのための方法なのよ、とか、あなたのためにはこうすべきだ、という決め付けや押し付けを強要してくる大人が出てこないのです。
アマンダの周辺にいる大人の誰もが、それぞれの立ち位置で自然体のまま、アマンダの状況を受け止めてアマンダに合わせた振舞いをするだけなのです。
ダヴィッドも過度な義務感や責任感からではなく、お互いに支え合えるパートナーとして養父になることを選択したのだと思います。
ふとしたきっかけで襲ってくる大きな悲しみが消えることはありませんが、いちいち説明などしなくても、お互いにそれぞれ訳があってそういう涙が出てしまう、ということを分かり合えるパートナーがいるだけで、大丈夫!これからも生きていける、そういうことなのだと思います。
※あのワニで有名なラコステブランドの創業者ルネ・ラコステ(ラコスト)はテニスの4大大会7度優勝のフランスの英雄。ダヴィッドを演じたバンサン・ラコストの貴公子のような佇まいを見てると、もしかしたら創業家の人なんじゃないか⁉️
とずっと思い込んで見てました。事実関係はまったく知らないのですが。
私も母親の弟と姪の話って
よくあるタイプの?と思って軽い気持ちで見ていたのが、もう圧巻の出来でした。giftedも好きな映画なのですがグレシャムさんのおっしゃる通りです、まさに。