「アマンダと僕の心の機微が秀逸」アマンダと僕 Jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
アマンダと僕の心の機微が秀逸
「僕」はパリでアルバイトをしながら暮らす青年。
同じくパリに住む姉とは仲が良く、姉には「アマンダ」という幼い娘がいた。
ある日パリで起こったテロに姉が巻き込まれて死んでしまう。
ピアニストの恋人は腕を負傷してしまう。
「僕」以外に身寄りのいない「アマンダ」
養子にして自力で育てるか、施設に預けるか、幼い頃に離婚して離れてしまった母親を頼るか・・・
パリで「僕」は叔母と代わる代わるで「アマンダ」を世話するが、生きていくためのアルバイトと両立が難しい。
「アマンダ」は突如唯一の肉親を失い、心の拠り所を失ってしまう。
優しくて頼れる叔父さんの「僕」はずっと一緒にいてはくれない。
母親と一緒に暮らしていた家と、叔母の家とを日替わりで移動する日々。
不安に苛む少女。
この二人の物語なわけだけど、この作品にはワザとらしいドラマがない。
時系列に沿って、日々を淡々と描くだけだ。
突如として発生するテロと、残された家族の非可逆な日々。
生活の中で生まれる言葉や表情にやり場のない怒りや悲しみが散りばめられていて、やりきれない思いがスクリーンに映し出される。
そしてアマンダ役の子役がこれがデビューというのはかなり信じがたい。
素晴らしい作品でした。
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