「いろいろ残念」居眠り磐音 S tsunekawa.さんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろ残念
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圧巻は最初の柄本佑の迫力。悪役の柄本明の憎々しさも素晴らしい。柄本親子が光ってた。
主人公の松坂桃李もよかったけど、これは演技うんぬんよりも、話自体がグズグズで、ちょっと可哀想な気がした。
芳根京子の花魁道中は美しいかったけど、そこよりも何故主人公が許嫁になにも言わず出奔したかを描くべきだった。それがないので彼の哀しみ、切なさが全く伝わらない。道中を追う彼に、今頃泣くなら、どうして説明責任を果たさなかったのかと憤りしか感じさせないのは、なんとも悪手。
表現の居眠りも剣技の型だけで、彼の生き方に反映されてないし、一度も居眠りしてない。原作読んでないけど、居眠りには世捨て人みたいな意味合いがあるのではと思う。主人公は真面目に動いてて、抜け感がないんだけど、そもそもそういう設定になってない。
ストーリーをてんこ盛りにして、大事なところは科白で済ませた手抜き作品という印象。
木村佳乃が主人公の斬り合いを目前で見てて、平然と手当てしたのには、違和感しかなかった。町娘が血だらけの店で平気でいられる?勝ち気な娘が震えながらも主人公を助けようとするみたいな健気さを木村佳乃ならどんな風に演じてくれてただろう。許嫁の兄殺しの罪、身分の壁、自分の幸せには目を閉じて居眠りを決め込んで飄々と生きる松坂桃李を見てみたかった。
役者陣も映像もよかったので、本当に残念。
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