グリーンブックのレビュー・感想・評価
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どんどん愛おしくなるトニーリップの魅力
ニューヨークのナイトクラブの用心棒トニーリップが、ひょんなことから黒人ピアニストのお抱え運転手となり、2ヶ月の南部ツアーへのお供をする。
当時の黒人差別がトラップのように張り巡らされ、南部ツアーの過酷さ体感することになる。黒人ピアニストの成功者ゆえの孤独に寄り添っていくトニーの姿に、きっと誰もが涙し鼓舞されるだろう。
契約関係を超えて、友情が芽生えていく心情の描き方はシンプルでありながら、実に奥深い。ロードムービーならではの風景美はもちろんなこと、ガサツなイタリア男とスマートな黒人の掛け合い全てが愛おしく感じる傑作である。
役者陣のプロ意識が随所に感じられる作品。
よかった!
相反する二人の人間が徐々に信頼を深めていく描写はもう最高!
人種差別を扱って入るけれど、説教臭くもなく気難しくもないハートフルな人間ドラマで描かれているので、日本人にもとっつきやすく面白い映画でした!!
いい意味で裏切られた
映画祭で受賞する作品って、期待が高い分、いつも裏切られる。これの、どこが、面白いの?と…。今回は、「受賞作品って、話題になるほど、面白くないよね?」っていう概念を裏切られた。ストーリーなんて、ありきたりの黒人差別の話。白人の嫌なヤツが、きっと改心して、いいヤツになるんでしょう?って思ったら、本当に、いいヤツになっちゃっうし…。でも、面白かった。実話を元に作られたらしいけど、実際は、もっと大変なこともあったんじゃないかな。でも、いい感じで、まとまってたと思う。黒人のドクが、車を降りて、自分は何者でもないって、泣きながら訴えてたシーンは、泣けた。悲しいばかりじゃなくて、心温まる良い作品だった。
欠点のない作品
アカデミー賞を獲る前から注目していた作品。
運転手役の男は無教養で粗暴ということ、冒頭から黒人差別が感じられる描写あるものの、早い段階で意外にもナイスガイであることが見てわかる事が、この作品の質を急速に高めたのかもしれない。
一方の黒人ジャズピアニストの立ち位置、秘めた思いが、彼の弾く鍵盤から響く音が代弁するかのように、徐々にわかってくるところもまた、この作品の持つ魅力である。素晴らしい演技力。
全く異なるふたりが旅を通じてお互いを理解してゆく、ロードムービーの王道とも取れる作品で、この時代を生きる難しさと、それに順応する力を互いに共感しながら見いだしてゆくさまが、押しつけ的な物語ではなく、ごく静かに柔らかく、そして優しく描かれてゆく。
この作品の欠点を探してみても思い当たるところがない。
夜空を見上げながらゆっくりとカティサークを口に含み、喉元を流れ落ちる音が星空に微かに響く、そんな極上の物語でした。
クリスマスに観たかった
こういうの、最高! 厳しい現実と、ほっこりした物語。クリスマスに観てたら、完全にやられていただろうけど、今は3月。アカデミー賞といえども、この辺の封切りの時差の影響は、いかんともしがたい。
人種差別については、ひたすら耐えるのだが、暗さはあまりない。マハーシャラ・アリ主演で、「ムーンライト」果てしのない暗さをイメージするかもしれないが、この作品は大丈夫。底抜けに明るいイタリア人、トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)のおかげで、重苦しさが霞んで来る。ちなみにモーテンセンは、「指輪物語」で、あのカッコいいアラゴルン役の方でした。イメージ全く違ったので、調べてびっくりでした。
切り口満載のこの映画、どこから語れば良いだろう。ロードムービーであり、人種差別を描いたものであり、友情を語ったものでもあり、家族を描いたものでもあり、果ては音楽の自由さについてコメントしたものでもある。これだけのネタを詰め込みながら、軽妙なコメディタッチに仕上げて、展開の慌ただしさや、話運びのダレなどもなく、一気に観れる。細かい伏線があちこちにに張られるが、これも笑いとともにスッキリ回収され、下手なミステリより面白い。映画としての面白さとともに、これだけ分断が深刻な世情になっている中、「多様性最高!」と笑顔になれるのだから、アカデミー作品賞は納得だ。
ブルーレイを買って、絶対クリスマスに再度観る。
2019年ベストムービー!
2人の旅が、アメリカ深南部へと向かうにつれ、観ているわたしたちは、彼らの友情の優しさにどんどん包まれてゆく…そんな映画でした(笑)
*この2人、まるでジャック・レモンとウォルター・マッソーみたい…んっ?ちょっと違うか(笑)
よい作品
今から56年前の話。時代は随分変わったなぁと感じる映画だった。黒人差別は酷かったのね。レストランやトイレも使えなかったなんて今では考えられない事。でもドグは同性愛者だったのね。次の時代は性差別のない世の中になるのかな。
万人におすすめ
普通に面白いし感動。涙出た。
一人はもちろん、カップルに熟年夫婦に家族みんなで、色々な人におすすめできる今は珍しい(笑)映画。
誰かにおすすめを聞かれて迷ったらこれを出しても間違いじゃないと思います。
お見事作品賞!
アラゴルン様がぁぁぁとちょっと太って品のないヴィゴ・モーテンセンに王子様感がないのが残念でしたが、真っ直ぐで、最後はドクと親友になっちゃうお人柄に感動!
人類の黒歴史ですよね、colorに対する奴隷意識、差別…。絶対忘れてはいけない、繰り返してはいけないことだと思います。
同日に「翔んで埼玉」を観たのですが、日本は平和だなぁと思いました。もちろん、日本にだって色々な差別はありますが、出身や肌の色で公共施設やレストランで差別されることはない…
アカデミー最優秀作品賞、お見事です!文句なし!
アカデミー受賞のラベルが邪魔。
主演のビゴ・モーテンセンもマハーシャラ・アリもいい演技だし、涙あり、笑いあり、感動ありのいい作品なのですが…
アカデミーと言うには映像、音楽、脚本どれも普通。
例えば2017年の『ムーンライト』の様な心がひりつく重みや、映画としてこの作品でなきゃと言う感動は有りませんでした。
万人に響きやすく誰が観ても普通にいい作品だけど…
逆にアカデミー受賞のラベルが無い方が楽しめた作品だと思います。
さすがに評判の友情ストーリー
天才ピアニストと下品なイタリアンの友情、音楽が素晴らしいです。最後の運転のチェンジには見事にやられました。クリスマスの夜、奥様の「あなた」のラブレター素敵。書いたのは誰かお見通し、これも素晴らしいです。
味わい深いビゴっっ!!!!
彼や此れやと語りたい気持ちをぐっと堪えて (笑) 一言だけ云いまする!!
『スケアクロウ』(1973)
『ミッドナイト・ラン』(1988)
『セント・オブ・ウーマン / 夢の香り』(1992)
『スモーク』(1995)
『フェイク』(1997)
『最強のふたり』(2011)
の如く、
そ れ 迄 全 く 異 な っ た 人 生 を 歩 ん で き た 男 二 人 が 、何 か し ら の 理 由 で 出 会 い、
ほいで
心 の 深ぁ い 奥 底 の 部 分 で 通 じ 合 い 認 め 合 う 姿 は
ほんまのほんまに美しく素ん晴らしいっっ!!!!
Excellent っっ!!!!
差別おじさん
トニーは口は悪いけれど、情に厚い良い人間。だけど人種差別に対しては無知で鈍感、全く悪気がないようです。こういう「人の良い」人種差別おじさん、残念ながら結構多いと思います。また、皆がやっているからという仲間意識的なものも大きいのかもしれません。日本でも在日差別をするおじさんはいますが、「韓国人の女性とお付き合いしたらきっと変わるだろうなあ」といつも思っていました。この作品は、そんな差別おじさんを素敵に変身させられるかもな作品です。
アメリカ人は田舎者
結末は予想される予定調和的物語ではあるのだが、最後まで面白く見られた。最近のSFX頼りのアメコミ映画に辟易としていたので久しぶりにいいアメリカ映画を観たという感じだ。アメリカの差別社会は黒人白人だけでなく同じ人種でも格差が大きく移民国の違いでも差別があり、おまけにLGBTの差別まである。この映画を見てアメリカという国は基本的には田舎者で教養人もそれほどいないように思える、それは現代でもそれほど変わってないのではないだろうか。主人公のピアニストもポピュラーばかり弾かされてクラッシックは弾かせてもらえない、映画でも最後にオンボロピアノでやっとショパンを聞くことが出来たが、もう少し音楽映画としても楽しみたかった。
ハリウッド流ハートウォーミング
アカデミー賞にふさわしい作品。手紙のくだりにはほこっり。モーテンセン主演男優賞惜しい。
正直、米国の黒人差別や深南部について肌感覚ではわからない。が恐れずに言うと白人目線な気が。ハリウッド商業映画なりのダイバーシティ配慮。黒人映画なら #ブッラックパンサー を推す。
当時の125ドルは、、、、
調べました、1962年→2018年。 ネットってホント便利☆
で、当時の$125は現在の貨幣価値で$1,050ぐらい、ざっと10倍弱弱てとこでしょうか。 $100 ≒ 今の$840、差額$25は→$210。 おーたしかに、週でこの賃上げなら手を打つかもな。 ここでは関係ないので円との為替変動は入れません。
映画の話をしますと、感覚的にですが、この映画はふたりの「強い」人が出てる話かなと思いました。 ふたりの強さはお互い異質です。
ドライバーのトニーは自由な心の持ち主です。 真に自由であり続けるためには強さが必要なのだと、彼をみていてわかります。 彼の強さはひとつには体力と腕力、そして狡猾さです。
彼は愛情を受けるのも上手いので孤独ではありません。 しかし粗野で了見が狭く、わからないものには無関心・非寛容で そこが弱みになっています。
一方、ドクは高等教育と努力によって地位と名声を築いてきました。 しかし肌の色や個人的指向(ネタバレ部分)に強いコンプレックスがあり そこが絡むと途端に暴走し破綻します(南部に真っ向から挑んでいこうとするとか、もうね 笑)
彼をみてるとガードの堅さは弱さなのだとわかります。 それ故に彼は孤独です(ただし理解者はいます)。
この映画では いいか悪いかよりも前に、誰が「強い」か「弱い」かを示す箇所が随所にあった気がしました。
いろんな人が出てきます、金持ちの黒人、貧しい黒人、差別を態度に出す白人、表には出さない白人、差別しない白人、権力の犬、使用人、等々。
主人公もそれぞれ、白人だけど非プロテスタント、黒人だけどルーツが非アフリカン、というのも差別問題が当時から白人/黒人の単純な2項対立の構造ではなかったとわかります。
事は根深く、人は簡単には分かり合えない。
そして大抵はその場で強いものが弱いものを挫きます。 昔からです、どんな時代でも。 よかろうが悪かろうが。
なのでこの映画は、強い体制よりさらに強いふたりが打開していこうとする話ですね。 だからといって強さ万歳・ハイ解決☆ てワケにはいかない。 強くたってひとりじゃムリ、でも協調ゼロ、それぞれに弱さもあり、危なっかしい。 弱さは人を何かしら困難にさせ、だからこそ人は苦しいんだとわかります。
ふたりとも幸せになってほしいと願わずにはおれないキャラクターですが、果たして…。
モノゴトがいいか悪いか、正しいか間違っているかよりも、強いか弱いか、なおかつ自分が何をすべきかすべきでないか、何が出来るか出来ないか、そしてそのためにはどう強くあるべきかを考えさせてくれます。
まずひとりひとりがそれぞれに強くなること。 そして強くあってもなお、信じる者の別の強さにも託してみること、それも強さなのではないかと知りました。
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