劇場公開日 2019年3月1日

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「語り尽くされ過ぎて、何も言う事がないくらいの名作。」グリーンブック ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5語り尽くされ過ぎて、何も言う事がないくらいの名作。

2025年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

癒される

言わずと知れた名作映画。

1960年代の米国南部における黒人への「人種差別問題」がメインテーマ。

あるいは、敗戦国イタリアルーツ白人の用心棒と、裕福な黒人ピアニストによる、
国内では互いにちょっとマイノリティ寄りな2人の「人種を超えた友情」のお話。

あるいは、裕福であるがゆえに、白人でも一般的な黒人でもない事に悩む「孤独」のお話。

あるいは、男でも女でもない、自分が何者だかわからない、セクシャルアイデンティティの「喪失」のお話。

語り尽くされてる作品だと思うので、個人的に印象的だった場面だけ触れる。

後半のレストランのシーン。
是非ウチで演奏して下さいと、VIP扱いで招待しているのに、
演奏前に食事をとろうとすると、貴方はここには入れませんと、
黒人である事を理由に入れてもらえない場面。

現代に生きる我々からすると、トンデモない理不尽な人種差別を描いたシーンに見えるけど、
実は日本でも、こういう事を平気でする組織があるのを、ご存知だろうか?

それは「読売ジャイアンツ」である。
m9( ゚Д゚) オマエダ!

私はベイスターズファンだからよくわかる。
うちの主力選手を金積んで強奪するのは、百歩譲って許す。
プロだし、資本主義の国だから、獲られたくないなら、DeNAがさらに上の高額年俸を払えば済む話。
それが出来ないから移籍するわけで、正当なルールの範疇だ。

しかし、VIP扱いで移籍選手を迎えるのはいいのだが、呼んだ選手に、

「貴方はVIPですけど、ウチは伝統で髭禁止です」
ヽ(゚∀。)ノデントー

と、髭をたくわえた選手に有無を言わさず、髭剃りルールを強要する。
このルールのせいで、村田も梶谷も、巨人移籍後はアゴがつるっつるに。

特に梶谷選手は、トレードマークだったアゴ髭が無くなり、
まるで「毛を刈られた羊」みたく、滑稽な見た目になって爆笑した。

「貴方はVIPですけど、ウチは伝統で黒人の入室は禁止です」
ヽ(゚∀。)ノデントー

これと、一体何が違うの?

ほんと理不尽なルール強要だし、この例外が90年代の屋鋪要選手だけという異常さ。

結局、2025年現在の巨人球団の体質は、60年代米国南部の白人経営店の体質と同質であり、
その共通点から浮き彫りになるのは、
しょーもない「伝統を隠れ蓑にした優位性の保持」でしかなく、
くだらない「脅かされない上下関係の安堵感確保」でしかないのだ。

この優位性の保持が「たかが選手」という言葉を生み出し、
「南部の奴隷制継続」をついこの間まで生み出し続けた。

この脅かされない上下関係の安堵感確保が、「反社に1億払っても辞任しない監督」を生み出し、
「黒人解放運動指導者の暗殺悲劇」をも生み出した。

世界は連動しているのだ。
(p_-)

ようするに何が言いたいかというと、
TVゲーム「燃えろ!プロ野球」でウォーレン・クロマティにデッドボールを与えたら、乱闘イベントが発生しちゃうぞ、
という事ではなく、
心が温まる、ベタ過ぎるくらい善き映画だよって話なのだ。

ソビエト蓮舫
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