劇場公開日 2019年3月1日

  • 予告編を見る

「観客を幸せにするロードムービー」グリーンブック bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観客を幸せにするロードムービー

2019年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 Bullshitな明るさを持っているトニーと、神経質で浮世離れしたドクター・シャーリーとの演奏ツアーは、ギクシャクして始まるが、トニーのあけっぴろげな性格に徐々に引きずられてドクが心を開いていく。ドクがトニーにむりやりフライドチキンを食べさせらるくだりは自然に笑いがこみ上げてくる。ツアーの途中で、トニーが奥さんへ手紙を書くのだが、小学生の作文レベルでひどい。これを教養あるドクが、シェークスピア並の文章にブラッシュアップして妻のドロレス送ってしまう。そしてドロレスが家族にその手紙を読み聞かせるシーンが最高に面白い。
 色々なシーンで当時はひどい黒人差別の状態が描かれているが、映画は善悪を主張しない。見ている方がその事実を受け止めてどう感じるかという構造になっているために、楽しい映画でありながら、ずっしりと重いテーマを考えさせられる。見過ごすのか、徐々に解決するのか、一気に解決するのか。
 終盤で見せたドクと地元の黒人ミュージャンとのセッションは、鳥肌が立つくらい感動した。ミュージック映画といってもいいくらい演奏シーンがよくできている。時間は2時間を超えるが、退屈なシーンは1つもなくとても楽しい時間を過ごすことができた。

bion
みかずきさんのコメント
2024年4月19日

こんにちは。

私の本作レビュー、新観点で蒔き直し中です。
4月21日には、投稿予定です。
再読いただき、再共感して頂けるなら、共感ポイントをお願いします。

ー以上ー

みかずき