劇場公開日 2019年3月1日

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「万人向け、分かりやすいですが。」グリーンブック 順ちゃんの夫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0万人向け、分かりやすいですが。

2019年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

その時代のアメリカで いかにマイノリティが窮屈な思いをして活きていたか、が描かれています。今の大統領の政策へのハリウッドの意思表示というか、本当にあったのかどうか疑わしい?LGBTの問題も絡めて。中途、二人を助けるのが民主党の某政治家なのも意味深ですね。

映画そのものは単純に愉しめるロードムービーです。脚本も及第点で・・・とはいえ、脚本賞をとるほどか、は疑問ですが(笑)。主役の二人の熱演もあり、丁々発止、二人の会話のリズムにも笑ってしまいました。

ただし 黒人ミュージシャンへの扱いのひどさは ちょうど60年代初めに来日したアートブレーキーなどのジャズミュージシャンがさんざん語ってきたことですし、一方でアメリカのショービジネス=ハリウッドも含めて・・・いかにイタリア移民が大きな力を持ってきたか、も有名な話です。この映画のラスト、クリスマスパーティーで流れてたのが やはりイタリア移民出のフランクシナトラですしね。

正直に云えば・・・この程度でアカデミー作品賞か、という憂いもあります。アカデミー賞候補の選出こそ、マイノリティへの差別だ、と喝破されたのが近日近年だったことも勘案したら。

たとえば 同じロードムービーでアカデミー作品賞を取った【真夜中のカーボーイ】とはとても比肩できないです。見終わった後の響き方が天と地ほど違います。

これは決して 映画少年だったその昔に名画座で独り心を震わせてみた頃と比べて 還暦近い今では心の琴線がさび付いてるわけではない、と思いますが。

順ちゃんの夫