劇場公開日 2019年3月1日

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「骨の投げ捨て方」グリーンブック Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5骨の投げ捨て方

2019年3月17日
iPhoneアプリから投稿

ヒラリと華麗に捨てる。後部座席でウトウトしてもお洒落な出で立ちを崩さない。酒に酔ったり、この映画の肝にあたる独白などでそれは崩れる。崩れるときのサマにならない居心地の悪さ。マハーシャルアリの真骨頂、見事である。
群れから外れた人の孤独は人種のみならず普遍的なテーマ。活躍する女性にも置き換えることはできる。この映画において、異種から仕打ちについては明確な行動として描かれるが、同種からの行動は控えめ。しかし、無言の眼差しは浴び、拒絶感に戸惑う。他方、異種は、興味は持つが、所詮異種としか認知しない。バーにて同種と和解したのかもしれない。しかし、ラストで、彼は同種への回帰ではなく、種の壁を超越する。
フライドチキンのくだりはこの映画のテーマを汲み取る名シーンでもある。よくできた本であるし、コメディ要素も多い。最後に連発する伏線の回収は少し技巧的かもしれないが。

Kj