劇場公開日 2019年3月1日

  • 予告編を見る

「実力派W主役のアウトサイダーズ」グリーンブック natsuokaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5実力派W主役のアウトサイダーズ

2019年3月11日
iPhoneアプリから投稿

天才ピアニストだが黒人。白人だが移民でチンピラ。というマイノリティなアウトサイダー同士が、まだまだ社会に受け入れられていなかった時代の心温まるお話し。差別主義的な大統領や移民排斥の世の流れに対するアンチテーゼではあるが、とてもわかりやすく楽しい作品。
ロードオブザリングでワイルドさ全開だったアラゴルンの印象がとにかく強いヴィゴ・モーテンセンはどうしちゃったの?レベルで太った役作りをして、粗暴でやんちゃだがある意味仕事のできる用心棒という役柄をしっかり果たしている。つい最近みたアリータでも悪の中間管理職を演じ、ずっと並行して見ているハウスオブカードでは議員のロビイストだったり大統領首席補佐官など本当に様々な役で圧倒的な存在感を出す超名助演俳優マハーシャラ・アリは、黒人というマイノリティをピアノの腕で乗り越えようとする熱くも静かな天才ピアニストを熱演。この2人の演技は必見。さらに時代をよく理解させてくれるエピソードや、喜怒哀楽の濃淡をしっかり出す脚本もあってとても楽しい作品でした。

なつお