「グレーゾーン。」グリーンブック sawakoさんの映画レビュー(感想・評価)
グレーゾーン。
クリックして本文を読む
公開初日に鑑賞。アカデミー賞発表直後、映画デーかつ金曜という最高のタイミングよく映画館は満員。
アカデミー賞を受賞した黒人差別を描いた作品は「それでも夜は明ける」が記憶に新しいがあちらはリアルで見ているのが辛い。
本作はがさつな運転手と教養ある黒人のジャズピアニストという組み合わせで、コミカルな会話も随所に入りテンポよく進む。勿論理不尽な差別、綿花を摘む黒人労働者からの妬みの視線、俺は黒人より黒人を知っているというトニーのセリフに人種差別とは無縁に育ってきた身としては理解しようとしてもしきれない辛さを感じる。
最強のふたりと構想が同じだというレビューも見るけど、これが実話に基づくというところが何よりすごい。
今日のブランチでモーテンセンのインタビューがあったけど、この作品の良いところは単純に白か黒かではなく、グレーゾーンがたくさんあるところだ、と。
多民族国家のアメリカでもイタリア系は侮辱されたり、闇は深い。
そして、のだめほどではないけど音楽映画としての魅力も特筆すべきところ。スタインウェイのピアノにこだわるセリフで、この時代スタインウェイを用意するのは大変だったのかなーとか、黒人のクラシックピアニストは需要がないとか、音楽に関わる人間としては楽しめるポイントたくさん。
ボヘミアンラプソディーも良かったけど、作品の深さという点ではこちらが選ばれたのは納得。
どんな時代でも差別はなくならない。ジョージアインマイマインドのメロディが今も脳内で流れながら、そんなことを思います。
コメントする