劇場公開日 2019年3月1日

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「誰でも楽しめるロードムービー」グリーンブック chaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5誰でも楽しめるロードムービー

2019年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

本日TOHOシネマズ上野にて鑑賞。
先日の2019アカデミー賞で作品賞を受賞した作品。
人種差別、LGBT、宗教観など重いテーマが根底にえるがそれをオブラートで包み込み誰でもほっこりと感動する作品に仕上げたロードムービーになっている。

ロードオブザリングで精悍な演技を見せてくれたヴィゴ・モーテンセンがでっぷりと体重を増やし下卑たキャラクターを見事に演じてました。
誤字脱字だらけの手紙を送り彼の教養が伺えるがそれは育った環境なのだろう。
彼自身も当初黒人に偏見をもっている。それも彼がいる世界だ。
黒人と付き合いもない世界ではそういう考えに染まって行ってしまうのだろう。

仕事で演奏旅行に出ることになり黒人と始めて向き合っていく。
マハーシャラ・アリ演じる彼とは対照的なピアニスト。
教養溢れ才能がある。
彼がアメリカの南部に敢えて演奏旅行になぜいくのか。
彼の戦いや孤独感がマハーシャラが見事に演じている。
自分の気持ちを素直に見せることのない彼が旅を経ていくごとに少しづつヴィゴに見せていく。
そしてラストはジワっと泣かせてくれる。
時代は1960年のアメリカの偏見を描いている。1960年から約60年近く経っているが今なおアメリカの人種差別の闇は消えない。
本作が2019年のアカデミー作品賞を受賞したがそこまで評価が高いとは思えないしロードムービーとしてみてもそれほど目新しさは感じなかった。
それでも時々泣かせ、笑わせ、ほっこりとさせてくれるいい映画には違いない。

chai