「確かにアカデミー作品賞」グリーンブック bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
確かにアカデミー作品賞
まずは、アカデミー作品賞、おめでとうございます。
最近のアカデミー賞は、一昨年の『ムーンライト』もそうですが、あの大統領の就任以来、白人至上主義からの脱却を意識した選考と言われています。そうした視点から見れば、アカデミー賞に相応しい内容の作品。
舞台となるのは、1960年代のアメリカ社会。人種差別が色濃く残っていて、たとえ一流ピアニストでさえ、ホテル、レストラン、トイレに至るまで、白人との差別を受け、黒人の人達の無言の叫びが聞こえてくるようでした。
イタリア系白人の運転手と黒人ピアニストの全く性格の違う2人の主人公。最初は、思いが通じ合わなかった2人が、次第に互いを理解し、思いやる感情が生まれていく、ロードムービー。
主演のマハーシャラ・アリのピアノ演奏は、本物ということですが、ホントに素晴らしいです。ララランドのライアン・ゴズリン以上の演奏でした。
驚いたのが、ヴィゴ・モーテンセンの変容振り。あのロード・オブ・ザ・リングの凛々しく、肉体美のアラゴルンとは、全く別人。ヘビースモーカーのだらしない激太りの親父となっていました。これも役作りなのでしょうね。
最後は、人種を超えた友情に、ジワッと胸が熱くなる、ステキな作品でした。
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