「秀逸な配役に拍手。作品賞受賞も納得した。」グリーンブック ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸な配役に拍手。作品賞受賞も納得した。
こんなにも温かく心が豊かになる映画も珍しい。
内容は非常にありがちなロードムービーではあるが、他のどの映画よりも二人の距離感であったり、ゆっくりとそれぞれの心情等を描写している点が非常にわかりやすく良かった。
それでいてコメディ要素が上手くまとめられており、劇場でもあちこちでクスクスと笑う様子が見て取れたのも観客が2人に引きつけられていたからであろう。
それでいて人種差別問題もしっかりと描写されており、黒人の扱いに対する黒人の視点や白人の視点、イタリア人の視点、またそれに対する愚かさ等も感じ取ることが出来たのと考えさせられた。
このような内容ではあるが、決して暗くなく、また重くなく非常にさわやかで気持ちの良い作品に仕上がっている。
その根底にはトニー・リップの相手を思いやる心やドン・シャーリーの屈託のない笑顔があると感じる。
また劇中の音楽も非常に心地よく、聞き飽きない感じであった。
最後にフライドチキンのくだりは見ていて非常に笑ったし、大好きw
お互いの生まれや育ちや教養・ましてや肌の色なんて何の意味も無い事をひしひしと感じさせてくれるシーンであった。
またラストの抱擁するシーンは何とも言えない気持ちで包まれた、奥さんのコメントは出会った事も無いドン・シャーリーと愛する夫を理解しているからこその一言にまた胸が熱くなった。
良い作品に良い時間を過ごさせてもらった。
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