「くりまるな、ゆーとすればいいんだ」長いお別れ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
くりまるな、ゆーとすればいいんだ
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かつて中学校の校長をしていた厳格な東昇平(山崎努)。
ふたりの娘は独立し、妻・曜子(松原智恵子)とふたり暮らし。
昇平の70歳の誕生日に、長女・麻里(竹内結子)、次女・芙美(蒼井優)は久々に実家に顔を出し、一家が揃った。
が、そこで母から父が認知症を発症している旨を告げられる・・・
といったところから始まる物語で、認知症を扱ったドラマも多く、ドキュメンタリーには佳作・秀作も何本もあり、いまさら・・・感もある。
期待するところは、前作『湯を沸かすほどの熱い愛』でみせた中野量太監督の熱い演出なのだが、前作程の熱さがない。
ベテラン山崎努、実力派・蒼井優の見ごたえある演技で飽きずに観れるが、妻や長女の人物造形が類型的すぎる。
冒頭と終盤に登場する遊園地のシーンなんかは、やはり監督の演出力を感じさせるが、アメリカ住まいの長女とその息子の話など、ノーリアリティといってもいいぐらい。
とはいえ、途中、昇平が芙美にアドバイスする「くりまるな、ゆーとすればいいんだ」なんて、印象的な台詞もあり、そう悪い点も付けたくないなぁとも思います。
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