ゴッズ・オウン・カントリーのレビュー・感想・評価
全35件中、21~35件目を表示
「変わりたい」と思わせてくれる出会い
結局、男とか女とか、年齢とか国籍とか、そんな世間の常識に囚われずに、ただ心が感じたままに人を愛せたら…
ダメダメでも、失敗しても、傷つけてしまっても、やり直したいという気持ちがあれば、何かが終わって、何かが始まるのだろう。
望みのない死んだ目をしていた若者が、次第にはにかんだり、笑顔を見せたり、泣いたり表情が豊かになっていくのは、マジで胸キュン。
映画の始まりの場面と同じシチュエーションが、後半にも出てくるのだけれど、眼差しがまったく違う。彼の中に確かな何かが、生まれたんだなと。
だれかを変えるほどの、本気モード、持っていたいかな。
男同志だからこその土臭い恋愛
牧場という大自然を舞台に、展開される男同志の恋愛。
野性味溢れた求愛に「おっと」と一瞬のけぞったが、心が打ち解け始めてからは本当にただの恋愛の仕方だった。
「単なるBLではなく、人対人の恋愛映画だよ」と友人に紹介されたが本当にその通り。
恋愛物語としてはありきたりな展開かもしれないけど、そこに病気の父や祖母の想い、若き後継者として牧場を守らなければいけない主人公の迷いと苦悩がうまく調和されている。
多くは語らず、表情や視線で心情が動く様が「あぁ、男だな」って思う。
(多くは語らなすぎて「どういうこと?」と考えさせられるシーンもあるが.....)
ぬるま湯に浸かるような生活をしている自分がなんだか恥ずかしくなった。
仕事も恋も「こと人となら」と思える出会いって運命だな。
完璧な少女漫画的構成
男同士なのと、すぐ行為に及ぶという点をのぞけば、傷ついてやさぐれて人生詰んでる(と思いこんでる)若者から大人への成長ストーリー。愛を知ることで自分が変わり、周囲も変わっていくのだけれど、以前の自分に足を引っ張られ躓いてしまうが、大きな愛が助けてくれる。それを導いたのは成長した主人公自身の在り方だよ。
鉄板のストーリーだけど、分かってるのに、感動してしまうのは、美しい風景と抑制された脇役と音楽のおかげでしょうか
じわじわと好きになれる映画
環境が彼を今までそうさせた。
主人公はダメ人間でした。
大きな秘密ほど、タガが外れた時の勢いは止められない。
その度にきっと後悔をしてきたはず。
そんな彼が、次第に変化していきます。
最後の相手を思う気持ちの台詞は、長年積もってきたものが爆発したのでしょう。
とてもいい言葉でした。
男性であっても女性であっても関係なく、心の支えになってくれる人が一人でもいてくれるだけで、人はこんなにも強くなれる。
恋愛物語というより、青年の成長物語として見てみても楽しめる映画だと思います。
荒々しくかつ繊細なラブストーリー。
カメラの映像・構図が叙情的で美しく、ヨークシャーの荒涼とした大地を背景に、荒々しくかつ繊細な男達の愛を描いたラブストーリー。
初監督とは思えない素晴らしい作品でした。
観て良かった。
素敵なラブストーリー
性描写が一部過激なので、そういうのが苦手な方はやめた方がいいかも。
自分もちょっとビックリしましたが、素直に愛情表現できない主人公が、彼と出会って変わっていくのをとても微笑ましく感じました。
周囲がわかってくれなくても、家族がやさしく支えてくれるのがいいですね。
なんて愛情表現の下手な主人公なんだろう
見始めてすぐに思い出したのは『ブロークバックマウンテン』。美しく悲しい作品でしたね。
でもこの作品は鬱々とする事無く気分良く席を後に出来た。
周囲の家族が厳しくも優しいのが、また救われる。父親に「お前はそれで幸せに成れるのか?」なんて言われたら涙、止まらないでしょ。
素晴らしい
完成されたラブストーリー。
恋を知って人は心が動き、行動する。
同性愛、異性愛は関係ない。
運命の人に出会い、恋をして、決意の先の行動で愛を手に入れた。
劇中の美しくも寂しい風景は映画館で観たい。
ダメダメだったジョニーに感情移入して、応援したくなり、ゲオルゲの優しい瞳に安心感が得られる。
特別男前な二人ではないけど、彼らでなければならなかったと思える。
社会情勢と個人の夢
今の英の姿(の一部)や社会情勢が絡んだ本作は、私にとってはラブストーリーというより人間ドラマ。
移民ゲオルゲさんの知識や虐げられた移民の立場、大きなセクシーな体や眼差し…人気があるというのが分かります。もう一人の主役は未熟で閉塞感に殺されそうになっていて見ているのが辛い人物。そんな主人公の成長のドラマでもありました。
物語の決着の付け方がすごく好きです。私たちが生きる世界だからね。
運命の人
「運命の人」という奴だなあと。
閉塞的な村、牧場の重労働、心を許せる友人もなく孤独な主人公は最初全くいいところなく登場し、暗い目を彷徨わせる。
そこに運命の人登場である。仕事ができ、頼れる感覚、それ以上に視線のやり取りだけで何か運命めいたものを感じさせる。
主人公は嫌な奴というかとにかく荒んでいるが、その背景をあからさまにではなく描こうとしている。保守的で差別的な酒場。都会に行った友人。刹那的で暴力的な関係。それはこの生活が身につけさせたものだと分かるのは、彼が「恋」をして変わっていくからだ。
終盤、父親との対話で彼が本当は自身を変えたがっていることが強くわかる。そして行動を起こし、自ら運命の人を掴みにいくのだ。
そういう意味ではこれは恋物語でもあり、若者の成長物語とも言える。恋をすると人は成長するのだ。
牧場のシーンは極めてリアルであり、人間の感覚もリアルに伝わってきて、台詞が少ない分訴えかけるものがあった。
ストーリーは青春もの
そして感動は、深く観る者の心を揺さぶる。
人を愛すること、それを身をもって体験し成長するJohn。
青春の残酷さが、容赦なく差別をクチに出す。
やがてそこに愛を見つけてしまう。
大人の青春もの!
その続きをいつの日か見せて欲しい
全35件中、21~35件目を表示