男はつらいよ お帰り 寅さんのレビュー・感想・評価
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渥美清の芸の凄さを再確認
年末の映画館で、22年振りの「男はつらいよ」の新作を鑑賞。製作の知らせを聞いた時には、過去の作品の映像ダイジェストになることを危惧していたが、満男とイズミの再会を軸に、過去の名シーンと寅さんの姿をストーリーに上手に嵌めている。
ただ、うつむき加減の満男の屈託が全体のトーンを覆っていて、笑いが起こるシーンは、過去の寅さんの登場シーンが中心。寅さん=渥美清の口上、仕草、言い回し、テンポ、間といった「笑いの芸」の凄さを再確認した。
歴代のマドンナが次々と現れるところは圧巻。中でも、太地喜和子の姿に、はっとした。
生きてて良かったな~~~!!!???
過去の映像とのリミックスな感じでした。
寅さん、
海外もあったり、九州や沖縄とか、山陰とかがロケ地らしく。(笑)
映画館では面白いけれど、面白すぎるのもっと感じてしまった今日この頃。(笑)
寅さんは長男なのか。
妹が結婚して、みつお??。(笑)
みつおが結婚して、女の子一人。(笑)
相手の設定が微妙で。
いやー海外での仕事はしんどいな~~~とか。
そりゃー痛みをしらないと駄目なしごとなのかもな~~~だとか。
いろいろ思いを巡らしながら。
いい感じにまとまって。
気が付いたら寅さんはいなくなっていて。
いい感じにまとまっておりまして。
これから続編がつづくのか。
あのカッコイイぼっちゃんからの続編。
柴又とかつまんねーぞーー~~~~~みたいな。
空手野郎なのか~~~
少しだけ期待しておりまする。(笑)
★の数は郷愁が半分そして優越感が少し…
観る前は“何を今更寅さん”と思っていたが、観ているうちに涙腺崩壊、それは見終わった後も暫く続いた。
映画の作り方としては少しずるっこいような気もする。寅さん映画の名場面集だけで優に一本の面白い映画が作れるだろう。『ザッツ・エンターテイメント』の日本版である。かの名高き「メロン騒動」も出てくる。今見ても抱腹絶倒である。オールドファンならずっと見ていたい。
しかし本作の骨子はあくまで現在の満男の生活であり、特に再会した初恋の相手泉との三日間の物語である。
山田洋次監督の若い世代の描き方は最早類型的でしかない。
しかし中年層・老年層の描き方はさすがであり悲しくもある。前田吟、倍賞千恵子は既に立派な?ジジババであり(ところどころ若き日の姿が出てくるのでよけいにそう感じることになる)、あのハキハキしていたリリーでさえいいバハァと化している(老いたリリーを出したのが良かったかどうか、は今だに疑問)。しかしこれは自分も歳を取ったことへの認識に跳ね返ってくるが、それは決してネガティブなものではない。今や立派な中年となりそれぞれ自分の家庭を持ち仕事を持ち自分の人生を送っている満男と泉とが三日間だけ互いの変わらぬ想いを確認しまた自分たちのそれぞれの生活に戻って行く。若いときにはいくら望んで手に入らないものもある、過ぎた日々は決して戻ってはこない、でもそれで良いのだと思える、受け入れて前に進むしかない、それはある程度人生という年月を経ないとわからない達観だろう。そう、歳を重ねることは決して悪いことではない。若いときには見えなかったことも見えてくるから。
満男と泉も不倫というドロドロ世界には堕ちず互いにプラトニックな想いを抱えながら(恐らく一生、そしてこれは家族があろうがなかろうが関係ない)別れていく。そう言えば寅さんの(一方通行の)恋もすべからくプラトニックな恋であった。寅さんの肉体関係を伴わないプラトニックな恋はキレイごとだという批判的なレビューを嘗て読んだことがあるが、本当の恋とはプラトニックなものではないだろうか。片想いこそ本当の恋だとも言う(自分の体験少し入ってます)。
しかし山田洋次は本編の主題であるほろ苦い満男/泉の出会いと別れの影に、泉の現在の両親の姿を通して苦い現実も忘れず描いている(これも親の介護が現実問題となった年齢層には身につまされる話だ)。
それにしても、歴代マドンナが、次々にうつし出されるが、寅さんシリーズは昭和後半を代表する女優の宝庫だったと思う。あんなに早くこの世を去ってしまうとは思わなかった太地喜和子や大原麗子の姿にまた涙…
♪「奮闘努力の甲斐もなく…今日も泪の…今日も泪の陽が落ちる…陽がぁ落ちる…」やっぱり寅さんには人生を教えてもらっていたのかなぁ…
車寅次郎は殺された
大看板に期待して木戸銭を払ったけれども、金返せ!の声を挙げたい。
まずは桑田のおふざけにムカつきます。
その後も過去のフィルムの再編集だらけで、制作期間を何に費やしたのか解りません。
松竹と山田洋次がグルになって、目先の現金かき集める為の映画にしか思えない。
亡くなった歌手の歌や俳優の演技がテクノロジーによって再現されつつある今日、皆んなの心の中で活きいき活躍し続けていた車寅次郎は、山田洋次が道連れにする形で完全に葬り去られました。
木戸銭払う必要なんかありません。
どうせ地上波でOAされますから、御用とお急ぎじゃあ無い皆さんはソレまでお待ち下さい。
寅さん。
寅さんだけは、いつまでも歳をとらない。スクリーンの中で輝いてたままだ。
構成としては、よくできた作品だと思う。ただ、あそこまで初恋の人にこだわらなくても良かったかなとも思う。もっと満男の現在の人生を見て見たかった気もする。
にしても、暫く女優業をしてないせいか、後藤久美子の演技の下手さが気になった。
あと桑田佳祐の出演は邪魔だ。
日本映画史に輝く金字塔
途中『寅さん』が薄らと現れる数回のシーンは無くてよくね?
OPの桑田さんで無く『寅さん』のままでいいじゃない。EDに『寅さん』の唄でエンドロール流すとしても。
それくらい『寅さん』は偉大なんだから。
流石の編集だと思います。同じキャストでこれだけ続いたギネス作品。
数々の登場女優のほとんどを即答できる自分にちょっと寂しさをかんじます。
おいちゃんもおばちゃんもたこ社長も子供の頃親に連れられてスクリーンで観た『男はつらいよ』と同じ(当たり前だけど)
そして感じずにはいられない在命キャスト達の年齢の経過…
『寅さん』がまだ生きていたら…ってみんな思うんだろうね。
山田監督の引き際って?って気になります。
自分には、楽しめない作品だと思っていた
平成生まれの20代、
映画「男はつらいよ」シリーズを
まともに観たことはなく、
自分の中にある寅さんの記憶は
子供の頃にテレビでやっていた
アニメ版「男はつらいよ」だけ。
ハッキリ言ってしまうと
自分の心の中に寅さんはいない。
映画に行く前に少しは予習しようかと
思っていたけど
仕事が忙しくてそれも出来ず、
昔、テレビの特集などで得た
浅い知識のみを基に鑑賞。
過去作のシーンを交えつつ
寅さんを懐かしむ…評判はいいけど、
新参者、特に若者には合わない作品だと
観る前は思っていた。
鑑賞。
正直にいうと、
ここまで感動するとは思ってなかった。
難しい感想なんて何一つない。
面白い。楽しい。感動する。泣ける。
そんな単純な、だけど一番欲しかった
幸福感に包まれる。
過去作の回想はもちろん面白いが
現代パートも今を生きる悩みや苦しみ、
そんなアレコレを抱えながらも
一生懸命前を向いて生きる人達に
心を打たれる。
寅さんに思い入れのない自分が
ここまで心を動かされるのなら、
寅さんを観てきた人たちにとって
今作がどんな感動を与えているかなんて、
自分には想像もつかない。
今ではもう会えない、だけど
今でも心に残り続けてる人は
誰しも一人はいるのだと思う。
車 寅次郎はあの世界の人々の中に
残り続けている。
そして「男はつらいよ」という
作品が好きなファンたちの中にも、
令和の時代となった今でも
残り続けているのだと、
笑顔で映画館を後にする観客を見て
思いました。
アイルビーバック!!!???
いやー個人的には劇場ハツでしたが。
面白く感じてしまいました。(笑)
感情第一優先な家族と。
感情優先すぎて、すれ違ってしまうのか、はたまた運命??なのか。(笑)
まあ仕方がないのか。(笑)
上手く、まとまっていて、いいとこどりで、編集されてあって。
うまく乗っかていて。
ちょこちょこ笑えまして。
あーーーー寅さんお金ないなーーーーとか。(笑)
妹さんわかってないのかなーーとか。(笑)
場面、場面で。(笑)
タコ社長の髪型にわらったり。(笑)
新キャラなのか、その周辺の環境に笑えたり。(笑)
人間模様に笑えました。
個人的には面白いので家で観た方が良い人も多いとかどうとか。(笑)
やっぱり老舗の味ですか???(笑)
ギャグが面白かった。 けど、現在の話はどういう話なのかわかりにくか...
ギャグが面白かった。
けど、現在の話はどういう話なのかわかりにくかった。
昔の話と同じ人で役者のビジュアルの成長が面白かった。
昔の寅さんの映画観てみたいと思いました。
寅さんが言うから心に沁みる言葉
寅さんは、ほんと、笑わして泣かせて。泣き所も、じんわりと。良い泣かせ方。
(癌で余命短い、事故で家族亡くした、とか、無理矢理の悲劇的な涙でない。)
修羅場をくぐり抜けた人しか言えない、相手を思いやる一言が、心に沁みる。寅さんが言うから、ハラに落ちる言葉。
寅さんの『達者でな』の一言、心身共に健やかで過ごすことは、実は簡単ではないが、しっかり心掛けたらお前は幸せになれるし、なる資格もある、と、メッセージが込められている。
日本人は皆、寅さんに憧れていた。
大反則技を自らかかりに行く
そもそも シリーズ作品の中で寅さんが恋の応援団長なってる回は面白くない!て思っているので
今回最悪なんですけど けどね
このリングには上がらない訳にはいかない
例え大反則技をかけられるのがわかっていても です
見せ物としては0点です
でも やっぱり反則技でウルウルです
この映画フウに言えば
初恋の人に会ったら少し心配した通りとんだブスになっていたけど コレもソレもアレもまるごと好き!
て感じですね
でも 言わせてもらえば ミツオはゲタ顔の子どもの時の方がずーっとずーっと好きです
生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかある内の一つはこの作品に出会えた事です♪
男はつらいよの新作が発表されてからずっと公開を楽しみにしてました。
奇しくも今年の2月にたまたま寄った柴又の「寅さん記念館」で今回の新作の撮影をされていたのに出逢う事が出来、山田洋次監督やスタッフの皆様、倍賞千恵子さん、前田吟さん、桜田ひよりさん達の撮影風景を傍らで見学させて頂いたのはラッキーかつ良い思い出です。
先行上映会の申し込みも外れて、早く観る機会が少なくなってきてますが、それでもその日が近づくにつれ、ワクワクとドキドキが大きくなってくる。
リバイバル上映で過去作を観ると余計にその期待感が膨らむ。早く寅さんにスクリーンで逢いたいなぁと言う思いが募る。
流行る気持ちを押さえながら、そして、何処で観ようかと考えたけど、やはり地元の葛飾のMOVIX亀有で鑑賞しました。
で、感想はと言うと、大感動。
ものすごく良かった♪
人それぞれに感想があるかと思いますが、個人的にベストに近いまとめ方かと。観ていて万感の思いが胸にギュンと来ます。
今までの作品のシーンとの構成はかなり練り込まれている感じでこの手のありがちの安易な回想作品ではなく、山田洋次監督の並々ならぬ寅さんへの思いと熱意が詰まっています。
甥の満男の物語が中心ではある事から、渥美清さんの体調不良からの満男を主軸にした第42作からの完結編でもあります。
なので、今までの寅さんを観ていないと正直分からない所がかなりある事やちょっと楽しめ難いのではないかと思います。
だからこそ、今まで寅さんを応援してきた人や寅さんが大好きな人へのプレゼントとしてと解釈。
集大成的な側面と番外編的な側面を持っています。
先に細かい事を書くと、正直余計かなぁと思える演出描写がなきにしもあらず。
出版社のトイレでの出川哲朗さんやサイン会での濱田マリさん。泉の前にサイン会に並んでいたオタク風なファン。
老人ホームでの立川志らく師匠の出番とかなんて、豪華と言えば豪華ではあるけど、正直要るのかな?と思えてしまう。
また橋爪功さん演じる泉の父の演出も正直やり過ぎな感じに思えます。泉の父親の一男は寺尾聰さんが演じられていたのですが、寺尾聰さんを起用出来なかった理由があるにしても名優 橋爪功さんの使い方としてはどうなんでしょうか?と感じます。
桑田佳祐さんが歌う「男はつらいよ」もいろんな宣伝を兼ねてと言うのは分かるけど、それでも違和感は感じます。
またエンディングで渥美清さんの歌うオリジナルが流れますが、そこにグッと来る分、桑田さんが露払い的になってるのはどうなんでしょうか?
かなり豪華な露払いですw
寅さんが大好きで男はつらいよに出演したい!と言う芸能人の方の思いもあっての出演の場面を増やしての大人の事情はそれなりに分かりますし、今までのファンだけでなく、新規のファン拡大を含み寅さんを観て頂こうとの配慮を考慮したとしても、ちょっとむず痒い感じがしなくはないのですが、如何でしょうか?
本当は細かい事を気にせずに楽しめばいいんですが、すいません。書いてしまいましたw
それでも寅さんをスクリーンで観れた事の幸せに胸が熱くなります。
おいちゃんもおばちゃんも御前様もタコ社長も亡くなってる。
くるまや(とらや)もカフェに変わってる。
裏の印刷工場はやってないっぽい。
さくらさん、博さん、源ちゃん、三平ちゃんは健在でタコ社長の娘役の美保純さんの出演が嬉しい♪
満男が小説家になってると言うのは「ALWAYS 三丁目の夕日」の茶川さんかい!と思いましたが、サラリーマンを辞めて小説家になる辺りは自由人の寅さんの血筋だなぁと解釈。
満男の娘のユリ役の桜田ひよりさんも健気で良い感じ。
編集者の高野役の池脇千鶴さんがとても可愛らしくて良い♪
満男の永遠のマドンナ、後藤久美子さん演じる泉との恋愛の行方も、このまとめ方が良いのではないかと。ベストではないけどベター。
互いを思いやりながらも結ばれないのは男はつらいよと言う作品の宿命でw、寅さんへのリスペクトと解釈。
リリー役の浅丘ルリ子役の出演はやっぱり嬉しい♪
寅さんへの思いや名場面が随所に出てくる。
泉の母親の夏木マリさんはある意味ボーナストラック。だからこそ寺尾聰さんを父親役として起用して欲しかった。
泉が母親の礼子と車で言い争うシーンから、礼子が癇癪起こして一人で帰ろうとしても満男が“お母さんを一人にしてはいけない。伯父さんならこう言うと思う!”と言う台詞は寅さんの思いを代弁してます。
一番気になっていたのは劇中で寅さんはどうなっているのか?と言う事。
亡くなっているのか?、それとも死んだと言う報せが無いまま、多分何処かで生きているのではないか?と言う事。
多分正解は後者で、死んだと言う報せは無いままに、またひょっこり突然帰ってくるかと皆思っている。今度は長い長い旅に出ているだけ。
劇中では寅さんの思い出は語られても、その事には触れられていない。優しい配慮です。
いろんな名場面も盛り込まれて、特に「メロン騒動」のシーンは今観ても笑えるし、劇場内でも盛り上がる♪
特に第13作目の「寅次郎恋やつれ」の回想シーンで吉永小百合さん演じる、未亡人になった歌子がとらやを訪ねてくる際に歌子への過剰な気遣いから“博!お前は死ね!!”と発し、それを止めようとするさくらに“黙れ!未亡人!!”と暴言連発w
もう大爆笑とそのテンポの良さに「これぞコメディの真骨頂!」を見ました。
他にもいろんな名場面が出てきて、知ってるシーンが写し出されると思わずニヤッとしてしまう。
「あー生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかあるだろう。そのために人間生きてんじゃねえか?」
「好きだった態度で示せ!」
「困った事があったら、風に向かって俺の名前を呼べ。いつだって駆けつけてやるよ」
数々の名言に寅さんへの思い出が駆け巡り、いろんな思いが突き刺さるんですよね。
観る側のファン以上に共演した出演者の方はそれを感じている。そのシンクロが嬉しく、切なく、楽しい。
エンディングに近づくに連れて、この幸せな時間が終わらないで欲しい。
ずっと寅さんを観る時間が続けば良いのになぁと言う思いが強くなっていき、ラストで満男が外を眺めながら、寅さんを思い出し、涙を流すシーンはファンの気持ちを代弁したシーンかと思います。
今までのマドンナが登場し、いろんなシーンが写し出される。観る人それぞれに思い出はマドンナがいて、思い出の作品があるかと思います。
それを考えると涙腺が緩みます。
ある程度の歳になると昔を懐かしくなったり、古い物や味わい深い物に恋い焦がれるが、若い頃にはその良さが解らなかった。
それは未熟とも言えるけど、当時は振り返る程の経験も少なく、それ以上に未来は夢と可能性に溢れていた。
だから、いろんな経験が積み重なった今は昔を懐かしく思い、寅さんを思いやる気持ちが沸き立つ。それは人生の旅情に感じます。
現在の葛飾柴又の風景が写し出されても、昔と変わらない優しい風景でほっこりします。
いろんな思い出が優しく駆け巡る。
多分、これ以降の男はつらいよの続編は作られないと思うし、正直作らないで欲しい。
勿論、また寅さんを観れる事は嬉しかったりするけど、それでも今回の新作が集大成となり、幻となっていた完結編かと思います。
先日公開された「スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」は「これぞ、大作映画!」と言う感じでしたが、この男はつらいよ お帰り寅さんは「これぞ、日本の映画!」と言う感じです。
一度は止まった筈の時間が再び動き出して、50年に渡る長期シリーズが完結する時をリアルタイムに目撃出来たなのが嬉しく思います。
「生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかあるだろう。そのために人間生きてんじゃねえか?」
生まれてきて良かった。その何べんかの内の一つはこの作品に出会えた事です。
男はつらいよに関わられた全ての方に感謝。
亡くなられた渥美清さん、下條正巳さん、三崎千恵子さん、太宰久雄さん、笠智衆さん。
改めて御冥福をお祈りつつ、有り難うと言いたいです。
長文でまとまりの無い拙い文章ですが、50年の歴史を誇る男はつらいよの集大成。
お薦めです♪
何もかも懐かしい
題名からAIの寅さんが登場するのかなと思ったりしましたが、やはり違いました。それとも桑田が代理演技。そんなことをしたら、ファンが怒ります。映画は現時点での満男と家族の回想シーンとして過去作品の場面をうまく取り込んでいました。そして、あえて寅さんの行方については語ることはなくストーリーは進んでいく。でも、最後にはどこにいるのかしら、おにいちゃんはと桜には言って欲しかったです。
山田組 卒業制作、かな
山田洋次監督も88歳。体力のいる映画撮影にいつまで携われるかわからない。
その意味でこの作品は山田組の卒業制作映画、だったなあ。
これは茶化す意味ではない。随所に男はつらいよの名場面。劇場内の笑いもそんななかにあったな。
そして橋爪功。言わずと知れた家族はつらいよ。
終わり方は次を予感させるけど、前田吟、倍賞千恵子が元気なときに撮れてよかったんじゃないのかな。
それにしても松竹は次の世代は誰が背負うんだ?
編集の妙
デジタルリマスターした全シリーズからの抜粋映像を、現代に差し込む編集の匠を観せていただきました。
いやぁ、「国民的美少女」と言われていた頃の、ゴクミの美しさにメロメロになりそうでした(現代のゴクミについては発言を控えさせていただきます)。
作中、寅さんの今の生死については、誰も語りません。
涙を流すのみ。
山田洋次監督は、とにかくセリフを最小限しか使わないのが良いです。
ただ、みんな上手い役者のはずなのに、昔の「男はつらいよ」シリーズのテンポに合わせた演技をするので、セリフが下手に不自然に聞こえるのでありました。
特に主演の吉岡秀隆さんが、一本調子の疲れ切った中年セリフすぎてひどく。おまけに、目が死んでいて、かつての初々しい子ども〜高校生の姿が擦れて消えていくような後ろ向きな寂しさが漂い、辛かったな。
「お帰り」ではあるが、それ以上に吉岡さんのテイストから、「これで成仏してね、打ち止め」みたいに思えてしまいました。
そんな中で、救いというか、一番私がしっくり来たのが、桑田佳祐の主題歌。
これがPVっぽくて余計だ、嫌いだという意見もわかります。
そりゃ、オリジナルの渥美清さん歌唱と比べちゃいけない。
だけれども、渥美さんは亡くなっているわけで。
オリジナルは「ダメな自分を自覚した、周りへの照れや妹への申し訳なさ」みたいな【陰】が味にあるんですね。
しかし、寅さんが不在な本作では、「リスペクトできる素晴らしいおじさんだったよ」っていう、【陽】に歌い上げていて。
「みんな寅さん好きだよね!」って、共感を作り出すのに成功していた気がしました。
名作を利用しながら、まさかの駄作
今作品の主演は完全に吉岡秀隆さんで、故・渥美清さんは特別出演くらいの扱いが妥当なところなのですが、それでは興業的に弱いと考えたのか、予告や宣伝は「寅さん懐かし名場面集」のようなものばかり
もっと正々堂々とファンに向き合わないと、
誠実さに欠けるのではないでしょうか
また、物議をかもしている主題歌の件ですが、「夏の湘南江の島」ソングをメインにしているサザンオールスターズに「東京下町の正月映画」の主題歌を歌わせるという、製作者のセンスの無さにつきます(モノマネまでさせられて、むしろ痛々しいくらい)
ストーリー的には、主役の満男が書店でサイン会を開くほどのベストセラー作家という“うまくいきすぎ”の設定なのですが……
ここは売れない無名のフリーライター(取材と称して全国フラフラと旅している)くらいのほうが、車寅次郎の甥として感情移入できたかもしれません
あと、ラストシーンが『ニューシネマパラダイス』と少し似ているので、これだと「おかえりトラさん」ではなくて「おかえりトトさん」になっちゃうな……と余計な心配をしてしまいました😥
山田洋次監督の遺産
50周年をやるならシンプルにリバイバル上映をするって方法もあったと思うが、それをせずこうして新作を発表した事にまずは敬意を表さずにはいられない。
そこにはもちろんファンへのプレゼント的な意味が大きいとは思うが、同時に今作には「男はつらいよ」シリーズが日本映画史に残さなくてはいけない大切な遺産である事を改めて確信させてくれる大きな意味も備わっていると思った。
回想シーンとして登場する名場面の数々は今なお大画面のスクリーンで観ても別格のオーラを放っており、その都度目頭が熱くなっていた。
特に渥美清はスクリーンの中において物凄い存在感だ。
観ている自分らは単にノスタルジーに浸るだけではなく、このシリーズがもたらす圧倒的な魅力にただただ打ちのめされる。
物語の登場人物のそれぞれが「寅さんロス」だったが、それは同時に観ているこちら側も同じであり、まさにスクリーンとお客さんが一体となった空間が存在していた。そして各々が寅さんがいてくれたらなぁとか寅さんならこう言ってくれるだろうとか想像しながら前を向いて人生を歩んでいくという、なるほどこのやり方で後世に本シリーズの魅力を伝えていくのもありかもなと感じた。
今後、このパターンで新作が作られていくのかはわからないが、とにかくまた劇場のスクリーンで寅さんに会えた喜びは何にもかえがたい。
ありがとう寅さん!祝50周年!
男はつらいよ 著作権フリー版に期待
時は現代、満男の視点で寅さんが描かれている世界観の映画。
小説家という職業柄、次回作もできる伏線あり。
山田監督の手を離れ、車寅次郎というキャラクターを著作権フリーにして二次創作可能にすれば、より多くの作品が生まれ、カオスの中から記憶している寅さんとすり合わせ、観る側にとっての寅さんの活躍が生まれる可能性を感じさせる作品。
冒頭の桑田圭祐演じる寅さんと彼の歌う挿入歌で、スクリーンを通して冒頭の頭出しに正直、がっかり。
けど、映画が終わったあとで流れる銀幕のエンドロールで流れるいつもながらの寅さんが歌う曲を聴きながら、寅さんが冒頭で夢を見てから登場する寸劇とすりあわせ、今回の冒頭こそ、いつもどおりの寸劇よろしく今は亡き渥美清を重ねる。
過去に登場したマドンナは若く、いまとなっては年老いてしまい、ありのままの現実を突きつけられる。
昔の映像と現在の映像が、流れみんな年を取ったものだと思っているけど、実は観ている観客もまた年を取っている。
現代では朱美の息子が、寅さんのDNAを引き継いだ破天荒なキャラクターで、この土地から生まれて育つ人間は、同じような性格を育て上げるような錯覚に陥る。
りりーのお店のシーンではカメオで、船越英二つながりで、船越英一郎が客となってカウンターでカフェを注文するのではないかなどの期待が膨らむ。
デジタル合成ではなく、将来的に「AI版 車寅次郎」「寅次郎クローン人間」「アニメ 男はつらいよ」などの空想を広げさせる作品でした。
全339件中、221~240件目を表示