「寅さん好きで見ましたが…」男はつらいよ お帰り 寅さん くーさんの映画レビュー(感想・評価)
寅さん好きで見ましたが…
正直、あまり好印象は持ちませんでした。
寅さんにハマったときには渥美さんが亡くなられていて、男はつらいよは全てDVDで観ました。
だから、男はつらいよが映画館で見られると知って、とても楽しみにしてました。
どうして生きてるのか、の寅さんと満男のやりとりとか
俺の名前を風に向かって呼べ、とか
寅さんの名言が散りばめられてたのは嬉しかったけど、
いくつかの引っかかりが飲み込むには大きすぎて、好きな映画!とはならなかった…
桑田さんの歌は、わざとリズムを外して歌うのが耳障りだったし、歌の最後の口上にいたっては、なぜ桑田さんの口上など聞かねばならないのか…
寅さんのだけ流してほしかった…
あと、山田洋次作品の若い女性はおしなべてそうなのだけど、言葉遣いがおかしいのが残念。
祖母に浴衣を着せてもらうのに「おばあちゃまが着せて“くださったの”」なんて言葉遣いをする孫はいない。
一般家庭ならなおさら。
「〇〇だ“わ”」みたいな言葉遣いも普通はしないと思う。
こういうの、俳優やスタッフは不自然と思わないのかな。思っても言えないのかな。
居間への手すりとか、博とさくら二人住まいで小さくなったテーブルとか、膝が悪い?博が椅子に座っているのとか、諏訪家の今の描写は良かったけど、
金をせびる泉の父とか、なんであんな風に描いたんだろうなあってエピソードがいくつか。。
志らく、たま平、タコ社長の孫はいない方がよかったと思う。
(たま平の役は必要だけど、あんなに目立とうとするへんちくりんな介護施設職員は現実味がない…
必要な台詞を過度に目立とうとせずに言う、朝日印刷の工員みたいに演出すればよかったのに…)
美保純だって、48作の寅さんでそんなに大きな存在でなかったのに、ことさらに登場させなくてよかったと思う。
リリーさんが喫茶店?バー?をやってるのはわかるけど、神保町に開くかなぁ…とか細かい違和感ばかりです。
目に付いたところばかりあげつらっているけど、寅さんが好きだから公開が楽しみで、映画館に足運んで観ました。
それでも、正直、うーん、です。
登場させたい(義理があって登場させなきゃいけない)人が多かったのだろうけど、そういう余計なものを削って、“寅さんを想う人たちのその後”だけを見せてほしかったです。
寅さんよく知らないけど、話題になってるし気になって観てみた人が、この映画を観て寅さんの他の作品観てみよう、と思うことはない気がしました。
寅さんに関わる人たちのその後が知れて、そうかそうか、というあったかい気持ち、みたいなものはあります。