「自分には、楽しめない作品だと思っていた」男はつらいよ お帰り 寅さん サイレンスさんの映画レビュー(感想・評価)
自分には、楽しめない作品だと思っていた
平成生まれの20代、
映画「男はつらいよ」シリーズを
まともに観たことはなく、
自分の中にある寅さんの記憶は
子供の頃にテレビでやっていた
アニメ版「男はつらいよ」だけ。
ハッキリ言ってしまうと
自分の心の中に寅さんはいない。
映画に行く前に少しは予習しようかと
思っていたけど
仕事が忙しくてそれも出来ず、
昔、テレビの特集などで得た
浅い知識のみを基に鑑賞。
過去作のシーンを交えつつ
寅さんを懐かしむ…評判はいいけど、
新参者、特に若者には合わない作品だと
観る前は思っていた。
鑑賞。
正直にいうと、
ここまで感動するとは思ってなかった。
難しい感想なんて何一つない。
面白い。楽しい。感動する。泣ける。
そんな単純な、だけど一番欲しかった
幸福感に包まれる。
過去作の回想はもちろん面白いが
現代パートも今を生きる悩みや苦しみ、
そんなアレコレを抱えながらも
一生懸命前を向いて生きる人達に
心を打たれる。
寅さんに思い入れのない自分が
ここまで心を動かされるのなら、
寅さんを観てきた人たちにとって
今作がどんな感動を与えているかなんて、
自分には想像もつかない。
今ではもう会えない、だけど
今でも心に残り続けてる人は
誰しも一人はいるのだと思う。
車 寅次郎はあの世界の人々の中に
残り続けている。
そして「男はつらいよ」という
作品が好きなファンたちの中にも、
令和の時代となった今でも
残り続けているのだと、
笑顔で映画館を後にする観客を見て
思いました。
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