「ありがとう寅さん。山田洋次監督」男はつらいよ お帰り 寅さん MITEEEEEEZOOOさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう寅さん。山田洋次監督
男はつらいよを見る前は正直、名作かもしれないけど長いなーの感覚だったけれども、この作品を見るに当たって本当になんで、もっとちゃんと見ておかなかったかと後悔しまくっていつの間にかどハマりしていた。
やはり70年代の邦画映画は自分の映画肌と合い、トラック野郎然り仁義なき戦い等の名作の数々。そして男はつらいよである!
今作で渥美清演じる車寅次郎は今の時代に住み暮らす、登場人物=観客達の心の中にある寅さんを思い起こさせてくれる仕上がりとなっており、寅さんが皆の心に生き続ける理由や意味。魅力なんかを再確認出来るか仕上がりで。脇をかためた、おいちゃんやおばちゃんタコ社長の面影も見えつつも、遺影に飾られた写真を見て、そして寅さんが出演していない部分は淋しさを感じてしまった。
だが満男や他の登場人物が思い出す寅さんの思い出のシーンで寅さんが画面に映る度に沸き起こる劇場での笑い声には一緒になって自分も笑い、泣き。高度成長から今に至るまでの誰しもの心に有るであろう人生を寅さんというフィルターを通して見ることで、改めて考えさせられる家族や人間同士の絆。生きることの尊さ。人間って日本人っていいなぁ~っとしみじみ感慨深い深い気持ちにさせられた。
1作目から50作目として紡がれ幕を閉じるシリーズに淋しさを感じつつも全てが繋がって完成された壮大な大河ドラマのような大きな作品で最後のこの作品は、個人的にはよくアーティストのLIVEが終った後に行われるアンコール的な作品かなぁって感じがした。
本当、今の時代に大事な何かを教えてくれるような、忘れてはしまいがちな日本人の心の響く作品であった。そして、この名作を作って一区切り付けてくれた山田洋次監督に心からありがとうという言葉を贈りたい!