「お帰り寅さん。50年分ありがとう。」男はつらいよ お帰り 寅さん kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
お帰り寅さん。50年分ありがとう。
桑田佳祐の歌を聴きながら、実は寅さんをスクリーンで観るのが初めてだったと気づいた。あぁ、正月映画といえば007だよな~セクシーな場面もあるし…などと、典型的なムッツリスケベ状態だった小学生時代。大人になるにつれ寅さんに憧れるようになった自分の歴史まで振り返ってしまいました。そんなオープニングタイトルからのクレジットは一旦活字になったのに、古い筆文字を使っていたのも原点回帰だったのかもしれません。
サラリーマンを辞め、小説家になっていた満男。まだまだ駆け出しではあったが、サイン会を催されるほどの人気だったのだ。妻ひとみは6年前に他界していて、中学生の娘ユリ(桜田ひより)とともに七回忌法要へとカフェとなったくるまやへ向かう。やっぱり泉ちゃんとは上手くいかなかったんだな~と思いに耽りながらも、満男とひとみさんとの馴れ初めなんてのも訊いてみたくなった。もしや、貧乏暮らしで指輪を買えずにケースだけでプロポーズしたんじゃないだろうな?…と、これは別の映画でした(汗)
おいちゃん、おばちゃんは死んでしまっていたけど、博、さくらは健在。あけみだってタコ社長の代わりに諏訪家を和ましてくれている。シリーズ後半から登場している三平ちゃんだって、しっかり仕事をしてるようで安心できるのです。三平ちゃんの奥さんは誰?と、細かなことまで気になりだしたらキリがない(予想としては木村加代ちゃん)。
とにかく懐かしい!とはいえ、明け方まで復習のためシリーズ後半をチェックしたのに、これまた回想シーンでバンバン飛び出てくる。法事でも仏壇の上にはメロンが置いてあるし、棚の上には地球儀(第33作)だってある。出版社の壁には山田監督作品の『東京家族』や『隠し剣 鬼の爪』といったポスター。細かなところでは、ジャズ喫茶に飾ってあったフルートが泉そのものを連想させるという小道具の工夫があった。“メロン騒動”については、後半に回想されるので、劇場は大盛り上がりでした。
世相の反映というか、いろんなメッセージも当然盛り込まれていて、ヨーロッパに住む泉が務めているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の演説による、シリア難民の問題。高齢者の余生や介護、最期を看取るという家族の在り方、認知症や介護器具だってそれとなく問題意識を投げかけてくる。くるまやの中にも居室用手すりが設置されているのは圧倒的存在感があった。
後藤久美子、浅丘ルリ子、夏木マリ、さらに倍賞千恵子、前田吟、佐藤蛾次郎みんな懐かしい(昨日も観たんだけど)。とにかく20年以上の歳月が彼、彼女たちの加齢も感じさせるが、元気そのものだったのがうれしい。あぁぁ、こんな感情、寅さんだったら上手く言えるのに、もどかしい・・・多分「元気だったか?」と優しい口調で語りかけてくれるはず。
とにかく回想シーンが満載なので、寅さんの人となりを楽しむにはシリーズ未見でも大丈夫。もちろんファンであれば、涙がとめどなく流れる映像のオンパレードなので大満足できるはず。他のマドンナにも会いたいな~と思っている人の期待も裏切ることはありませんでした。個人的には大原麗子のワンショット(若い時のほう)で号泣。各マドンナの「寅さんに会いたい」と呟くカットがあればもっと最高でした。
そういや、『男はつらいよ』シリーズにはエンドロールというものが無く、いつも「終」の文字でバーンと締めくくっていたのに、今回は初めてのエンドロール。その最後に6名の方のお名前が出てくるのですが、渥美清の名前がない!これは寅さんからの「ご苦労さん」というメッセージに違いない。いつでも寅さんがみんなのことを温かく見守ってくれてるんだなぁ、と思うとまた泣けた。
kossyさん、コメントありがとうございます。
山田監督の言葉は、にわかファンの自分には受け止めきれないほど、本当に奥深い言葉だと思います。その真意に触れるためにも、時間を見つけて過去作も少しずつ見てみようと思います。
kossyさんへ
毎度毎度です!「男はつらいよ」ですが、劇場どころかTVやメディア含めても通算で数回しか見た事が有りませんw が。妙に懐かしく、くるまやでの騒動もホンワカするのが不思議です。これが人情喜劇の雛型なんですね。寅さんは、肝心なところで自分から逃げてしまう、ってところが切なくて良いんですね!
遂に見て参りました!
もうただただ幸福感に浸っています。
満男たちもしっかりと“今”を生きていましたね。
色々語り出したらキリありませんが、きっと寅さんも温かく見守っている事でしょう。日本の何処かで。
kossyさん
試写会で観られたのが羨ましい!
レビューを見て、一層新作の寅さんに会えるのが楽しみになりました♪
いろんな思いを馳せて、その日を楽しみにしています♪
また、いろんな作品の楽しいレビューを楽しみにしています♪
近大さん、毎度どうもです!
もう、寅さんファンにとっては宝箱のような映画でした。どれもこれもがキラキラ輝く、美しい思い出ばかり。
ぜひ劇場で楽しんでください♪
巫女さん、毎度です!
たしかケンカするシーンはちょっとだけあったと思いますが、「表へ出ろ」とまではならなかったかな・・・あ、すでに忘れてますw
masamiさん、お褒めいただきありがとうございます!
レビューはさっさっさ~と書いたもので、上手くいきませんでしたし、まだまだ発見できるものがあるかなぁと期待して、公開後また観に行きますね。
地球儀の発見はなかなかだったでしょ?w
嗚呼!名レビュー!
早く寅さんに会いたい!
実は私も試写会に当たったので、
12/13に観に行きます!アップは遅れるかもしれないけど、長文になるかもしれないけど、まずは大画面で寅さんに会いたい。