不滅の女のレビュー・感想・評価
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マイナス志向だけれど、面白い。
アラン・ロブ=グリエのデビュー作ということだが、この作品は比較的わかりやすく感じた。(とはいえ、やはりよくわからなかったが…)
ひとつひとつの場面で釘付けにさせられ飽きない。イスタンブールの昔の街が美しくエキゾチックで、またミステリアスで、おもしろいのだ。
そして、正体不明の、実存しているかどうかさえ怪しい女。言葉が通じない人びと。彼らのよそ者を見るこわい目つき。モスクの下では女たちが…、作り物の墓で…、などという話。怖いもの見たさの好奇心を刺激される。
主人公も、とりつかれてしまい、頭が朦朧としてしまったらしい。目に見えぬものに誘導されて自ら死に至る。
でも彼は、最初から朦朧として生きる気力がなかったのだろう。いつも丸まった背中、いつもどろんとした目つきがそれを語っていたと思う。
個性を感じる映画でおもしろさはあったが、マイナス志向な方向性と結末が残念だったので、高評価はつけられないかな。
尖塔の下の家には女が囚われている
わけがわからないよママン。。
でもついつい最後まで観てしまうのは何故なんだぜ。
ブレッソンの写真みたいに決まった構図、不自然に止まった俳優、時間を盗むカメラワーク。
これでもかとこれは作り物ですよ!感を強調してくる。
妄想かも知れない女を追ってイスタンブールの街をあてもなく彷徨う、という筋書きからしてすでに押井守みの強さ。
攻殻機動隊の「人形使い」のごみ収集の男の話を延々と見せられる感じ。
にしても昔の人は女のケツを追っかける話が好きだなぁ…
女=永遠の謎を解く探偵、つまりフィルムノワールのファム・ファタールものの枠組みを利用してるのかな。
「トルコ人の夫は嫉妬深い」とか多少なりとも突き放してるぶんマシだけど。
ちょっと「めまい」を思わせる展開もある。
たまには行き先のわからない列車に乗るのも悪くない。
優雅に見えるけど俳優はけっこう大変そう。。
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