劇場公開日 2022年6月17日

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「司馬遼太郎さん原作映画に、アマチュア アルバイト脚本家を起用した監督・製作サイドの冒険心と勇気に感銘した。」峠 最後のサムライ YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5司馬遼太郎さん原作映画に、アマチュア アルバイト脚本家を起用した監督・製作サイドの冒険心と勇気に感銘した。

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年封切映画では、1or2の期待作で、楽しみに鑑賞したせいか? 僕のハードルが高かったのか?

原作は中学生時に読んだが、
本作脚本家は原作を1度だけ流し読みしただけで、
気の利いた"セリフ"を幾つか、メモをした程度なのだろう。
原作を少しも 読み説いてはおらず、"司馬遼太郎さんらしい点"は表面的なセリフでのみ点在しているだけで、
塩を塗しただけのモノは、料理の味にはなっていない。

武士をテーマとする映画なのに、端役の数人以外
家老という重鎮:主人公ほか、すべての主要人物に月代(さかやき)がないのは驚きだ。
その内、茶髪や赤い髪の毛が,登場するのではないかと期待したが、それは無かった。
それもこれも 桂を買う金も、床山さんやメイクさんを入れるお金さえもない、
学芸会インディーズ映画なのだから、しょうがないと思うしかないのだろう。

"時代考証"という概念を知らない製作者側は登場人物をみな西洋人の様に、手を振って歩かせているし
河井継之助と妻の顔が近づくと。。。キスでもしでかすのではないかと
ハラハラしたが、デコピン!
江戸時代にデコピンは坂本龍馬でもあり得ません。
もちろん、男女が手を握って歩くこともありません。

巨匠:黒沢監督が残した"黒沢組"
どの人も どの人も 凡才ばかり。。。
師匠が巨匠過ぎたので、当時は何も考えずに、言われたままだけの動きをしていたのだろう。
残念ながら、世界の巨匠遺伝子を継ぐ者はどこにもいない。

時代劇に必修である"自然を綺麗"に映そうとしている試みは理解できたが、
NHKの4K,8K映像を見過ぎてしまったせいか?
色の深みを感じられない。 カメラは絞って撮影して欲しかった。

唯一観るべきものは 光と影の扱い方だ。
和室に影の陰影は重要だ。 観るに堪えがたい映画の中で、一矢報いて、芸術的な面を魅せてくれた。
また"わだち"が写り込んでいなかったのも、もうひとつの良い点だった。

この映画を観たら、寅さんでも観れば、満足してもらえて、良いのではないだろうか。

YAS!
YAS!さんのコメント
2022年7月15日

はなもさん、そーなん?さん、rakugoya1さん
メッセージありがとうございます。

役所さんは演技力があるだけでなく、存在感もある 素晴しい役者さんなのだから、制作者側はもっとスポンサーを集めるなりに、お金を集めて、きちんと映画を作って欲しかったと思います。

YAS!
rakugoya1さんのコメント
2022年7月2日

違う味付けでしたが、まだ燃えよ剣の方が好きです。

rakugoya1
そーなん?さんのコメント
2022年7月2日

近年ますます歴史映画はクソ物件になってますね。
私のライフワークである主観を排した歴史観を実現してくれる映像作品って出現するのかなぁ。

そーなん?
はなもさんのコメント
2022年7月2日

こんにちは。
 ヒョエー、厳しいご意見😓ですが、月代やデコピンなど ごもっともだと思いました。

 「塩を塗しただけのものは料理の味にはなってない」おしゃる通りです。私は 役所広司と言う役者の味のみ 味わいました。

はなも