死霊院 世界で最も呪われた事件のレビュー・感想・評価
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イヤフォン注意!
気になる邦題はさておき、サヴィエ・ジャン監督のエクソシストホラーとのことで期待して鑑賞した。夜中ということもありイヤフォンを付けていたのだが、いざやってきた恐怖シーンで怖いとかよりも音のデカさに飛び上がってしまった。音をMAXにしていたこちらにも非があるが、本家大元?の「死霊館」ユニバースはこんな耳をつんざく轟音ではなかったはずである。そのシーン後にスマホが「耳に支障をきたす音量を超えました」とメッセージを残してくれた位だった。
音で驚かす系のホラーなんていくらでもあるが、これで飛び上がったのならば製作陣の思惑通りの反応なのだろうか。
そんな恐怖演出をやり過ぎな印象もあるが、ベテラン監督という事もあり、作品にはなんとも言えぬ上質さが漂っている。80分ちょっとの本編で掘り下げる所は掘り下げ、流す所は流す分かり易い展開で最後まで飽きずに鑑賞することが出来た。
実際の事件を基に描いた物語だが、実話の部分というのが、「過度な悪魔祓いで人を死なせた」という形で神父が殺人罪に問われたというものである。確かに精神的な疾患で人格が変わった人に対し、エクソシストらはどう判断するのか。本作でも悪魔が憑いているか否かの判断には段階が必要という説明があったが、何だか今までエクソシストをホラー映画のエンターテイメント要素としか認識していなかった気がする。エクソシストという「職業」と認識させられる様な映画だった。
実際の事件を元にした悪魔の存在の証明
実際の事件を元にしたアメリカ・イギリス・ルーマニアの合作オカルトホラー。
修道女の死が悪魔によるものなのか精神疾患によるものなのかを取材するジャーナリストが不可解な現象に巻き込まれる。
ジャーナリスト役に『キングスマン』のソフィー・クックソン。
悪魔の目的や存在理由の描写がほとんどないため、悪魔が単に驚かせるだけの存在になってしまっている。
同じテーマは『エミリー・ローズ』『死霊館3』という良作であるので、それと比較すると浅い印象。
ただ、悪魔祓いシーンはやっぱり緊迫感があって見入ってしまう。
キリスト教に信心がないと共感出来ないか
悪魔祓い殺人を取材した女性記者の、恐怖体験を描く物語。
ホラー映画ですが、サスペンス色が強く、私好みの作品でした。
神を信じない女性記者が、関係者を取材し続ける様子は、サスペンスとして興味をそそられます。
要所で差し込まれる、「ドッキリ」の描写は、効果的に緊迫感を煽ります。
映画全編に流れるルーマニアの風景も、情緒を盛り上げます。
ただ、高い評価をするには、もう一工夫足りないように感じます。
例えば、「悪魔祓い殺人」の際には、ベテラン神父の悪魔祓いを撥ね退けアデリーナを殺した悪魔「アガレス」。でも、クライマックスで主人公に憑りついた時には、簡単に悪魔祓いに屈してしまいます。それは何故だったのでしょう。
また、何故「アガレス」は主人公に転移したのでしょう。確かに主人公は母親の病死で悩んではいましたが、アデリーナとの接触はありませんでした。映画では、接触により「転移する」とされていました。
聾唖の少年の設定も揺れを感じます。父親の話だと神側ともとれますが、それ迄の描写は悪魔側のようでした。神秘性を出したくての登場なのでしょうが、設定や意味づけが不十分だったように感じます。クライマックスで主人公を助ける役回り等あれば、登場させる意味が出てくるのでしょうが・・・
そもそも、私が「キリスト教をまったく信じていない」という根本的な原因もあり、評価は少しだけ控えめにしました。
悪魔祓いに失敗すると殺人罪に問われる?
主人公は若き記者ニコール。ボスにあたるのは伯父さんなのですが、これが名コンビみたいな雰囲気で続編をも期待させる。「もうちょっと調べてみていい?」てな軽い口調でOKをもらうと、どんどん深みにはまっていくのだ。
ルーマニアにおける悪魔祓いの実態。教会にはまだ熟練のエクソシストがいない状況で、ディミトル神父が統合失調症かもしれない修道女の悪魔祓いを執り行った。寸でのところで悪魔は逃げ、彼女を死亡させることになり、監禁・虐待死の罪で逮捕された。他の神父の話を聞くにつれ、「悪魔は転移する」という言葉が引っ掛かっていたニコール。いつしか、グラスの中に虫が入っていたり、奇妙なゴーストを見たり、車が故障したりと、悪魔が彼女の身に迫っていたのだ。
転移する・・・1年前に母を亡くしたニコールは自殺という大罪を犯したゲイブリエル神父と命日が同じ日であることに気づく。いや、それがどう関係しているのかよくわからなかったのですが、タビアンの父→神父→アデリーナ→そしてニコールへと転移していくのです。あぁ、こわ。
でも悪魔のアガレスに憑依されると、目が動物みたいに黒目になってしまい、これがまた可愛い!屋内なのに雨が降ったりと不気味な現象は起こるものの、毒を吐いたり人を殺したりしないのでまだ許せる範囲内。怖がらせるという点で、結局信仰心のないニコールが怯えてしまい、悪魔くんは気に入ったみたいだった・・・
信仰心を持て!というテーマもあり、信じれば母に会えるの?などと可愛い会話をするニコール。夢の中ではエッチなセックスシーンもあり、憎めない性格の女の子。ただ、下半身が虫だらけになるのは勘弁してほしい・・・
原題は「the crucifixion」(磔)
WOWWOWホラー祭の一つ。
いかにもB級な変な邦題より、原題そのままの方がいいのになあ。
よくある悪魔祓い系ではあるが、テーマがはっきりしていて分かりやすい。
神を信じるか否か。
人間は弱く、愚かだか、強い。
自分は信仰する宗教も無いが、
宗教に限らず、ご先祖さまとか、自然とか、見えないものに守られてる感や、
はたまたものの考え方、例えば、自分の信じる方向に迷い無く進むことの強さ、
そういう事が大事だなと思っている、
今の自分のその辺りが、なんか共鳴して、とても良かった。
ルーマニアはやっぱりバンパイア系の舞台ににして欲しいかな。
あと、若い神父さんがイケていてよかった。
ルーマニア人が自然な英語を話すのも、ややこしくなくてまあいいか。
くる!くる!って期待通りの所で驚かせてくれて楽しませてくれた。
逃げたら思うツボ
悪魔払いに失敗して亡くなった修道女アデリーナの事件を捜査するうちに…という物語。
ありがちな設定ながら、セオリー通りのビックリ箱的な恐怖演出と画力の強さがハマって面白く見られた。
身体に沁みる怖さは皆無だけど、パワー系でわかっちゃいるのにビクビクできて楽しめた。
神や悪魔の存在と信仰に対して異議を唱える若手記者ニコールの、立ち入り禁止も何のその!とばかりにズンズン進み続ける行動力の鬼っぷりがとても好き。
母に対するトラウマ的な感情からその信念は強く、自分の気持ちに素直に動き続ける所に好感が持てて肩入れすることができた。
アデリーナにまつわる人々に聞き込み、ただの精神病だったのか本当に悪魔に憑かれていたのかという所にスポットが当たる展開が面白い。
私自身が悪魔に対してまだまだ猜疑心があるため、同じような立場からその真偽を探るようなスタンスが好き。
当然物語が進むうちに後者の方に強く傾いてくるのだけど、悪魔の存在を認めざるを得ない現象が次々起こるので納得して受け入れることができる。もちろんそれが真実かどうかは置いておいて。映画として。
目が闇に包まれたアデリーナの恐ろしい顔面とその奇行は強烈。
特にベッドで呻く彼女の布団を剥いだ際のまさかの状況がお気に入り。アガレスと通じてしまったのね、すごい。
ただ、ニコールに襲いかかるクライマックスが案外サラッと終わってしまったことは残念。
手付け始めというか未満にすぎない段階とはいえもう少しグチャグチャに乱してくれたらなと思ってしまった。具体案を問われると困ってしまうが…。
悪魔についての本と絵を見ている時に一つ気になる伏線があったのに特に触れられず王道に戻ってしまったのもガッカリ。
ガラッと変わる展開があるかと待っていたのに。
メインの登場人物が美男美女で眼福であった。微妙すぎるサービスシーンもご愛嬌。
優しくて色気たっぷりのアントン神父なんてもはや罪だと思う。
修道女が恋をして外の男と関係を持った時の罪の意識と、神父に欲望を抱いてしまう無神論者の意識を対にしているんだろうか。
アガレスについて少し調べたところ、「逃げるものを戻って来させる」能力があるとのこと。
「逃げたら思うツボだ」とはそういうことか。
悪魔に対しての疑問は特に解決されないので引き続き色々観たり読んだりして学んでいきたい。
どうしても、高尚で強大で神に対比できる唯一の存在のような感覚が抜けない。
アガレス
2004年にルーマニアの修道院で起きた悪魔祓いの失敗という名目の殺人事件をNYの記者が追う話。
悪魔に取り憑かれた修道女を神父が3日間磔にしたが、悪魔の仕業ではないと司教に止められ中途半端になった為に死んだという。
信仰心のない記者が真相を追っていくストーリーではあるけれど、次第に不穏な感じになっていく展開で、それは良いのだけれど、中盤以降ただ大きい音で驚かす演出の乱発。しかも連発し過ぎて驚きもしなくなるという残念な感じ。
記者の経験含め信じたり疑ったりが故の夢と言えばそれまでだし、結局最後の字幕処理の内容が全てということで、修道院で信仰に関わる供述の殺人事件があったからネタにしましたというところかな。
ルーマニアの修道院を舞台にした作品です。
この作品は、主人公の若き女性ジャーナリスト(ソフィー・クックソン)が、エクソシズムにまつわる調査のためにルーマニアの修道院?に赴き、そこで起こった殺人事件に関わる物語です。率直に言うと同じストーリーの映画は星の数ほどあり、"ミイラ取りがミイラになる"と言えば野暮すぎるのか?共演の一人、修道女役のブリタニー・アシュワースさんが主役でもよかったのではないかと思うほどスタイルのいい長身な方です。アナベルシリーズみたいな恐怖映画と考えると辛いものがあります。
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