楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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【鬱鬱しい考察系サスペンス映画。】
・2019年公開の日本のサスペンスドラマ映画。
・長野県のとある集落で少女失踪事件が起きてから12年後、同じ場所で再び少女が姿を消す。12年前に誘拐された少女と一緒にいた女性と、12年越しに疑惑をかけられた集落で孤立した青年、同じ集落に暮らす養蜜家でとある出来事をきっかけに村八分にされた男性、その3名が軸となり人間の鬱々しい行動が描かれていく、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・鬱鬱しい中に見出す少しの希望に考えさせられる
・サスペンス要素に引き込まれて最後まで観てしまう
・人間の恐ろしさを学ぶ
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[物語]
・サスペンス要素の部分においても、人間が成長する哲学の部分においても、決して安易な答えを用意してくれていません。その辺が好き嫌いを分けそうですね。私は観てよかったとは思いますが、「目に見える結論」が欲しいタイプなので、若干のモヤモヤは残ります。
・また、負のオーラが凄いです。報われなさといいますか、終始鬱鬱しい。そのダークな雰囲気こそが、サスペンス要素を盛り立ててくれており、かつ、村八分を行っていく人間の恐ろしさをリアルに感じさせてくれているのかもしれませんが。
[演出]
・私は登場人物たちが生活する「空間」にリアリティを感じて、より物語に没頭できたかなぁと思いました。孤独な青年の住む部屋、養蜜家の男性の住む家、集落のお祭り、などなど、田舎な部分やキャラクターの性格をよく表してくれる「空間」に全くの違和感を抱くことなく、いや、むしろそれに強烈なリアリティを感じたからこそ、物語もよりリアルに感じることができたのではないかなぁと思いました。
[映像]
・際立って感じたことはありません。
[音楽]
・大きく目立たずも、黒子となりダークな雰囲気づくりを担ってくれている存在だと思いました。
[演技・配役]
・佐藤浩市さんが泥を食べる凶器のくだり。綾野剛さんの弱弱しさ、一方で内に秘めている(かもしれない)恐ろしい部分を想起させてくれる感じ。とにかく演技が素晴らしいなぁと思いました。杉咲花さんはその2人の間で役柄的にも「淡々」とされていて、2人を際立たせてくれる大きな役割になっていました。そんな中で、ちょっとだけ笑顔になるシーンもあるのですが、それ以外が終始淡々としている分、とても可愛らしく見えて素敵でしたね。
[全体]
・全体的に鬱鬱しい映画ではありますが、最初はサスペンス要素に惹かれて「犯人はいったい誰なんだ?」と物語を、途中からは単純に「え?この人たちどうなっちゃうの?」と人間に焦点がうつっていく、非常によくできた物語だなぁと思いました。
・楽園の意味とは…犯人はいったい…と結論が欲しくなってしまう身としては終わり方は非常にモヤモヤします。笑 考察していくことに事意味がある、という視点で考えるとそれがまた良いですが。いずれにせよ好き嫌いが分かれそうな映画だなぁと思いました。少なくとも、私は観てよかった、と思いました。ありがとうございました。
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#全体3.5 #物語3.6 #演出3.5 #演技3.5 #配役3.5 #映像3.4 #音楽3.4
75点
個人的2019年邦画ランキング2位の作品。
瀬々監督も仰っていましたが、もっと評価されてもっと広まっても良い作品だと思います。
主演3人も演技派を揃え、伝えたいテーマも、映画の空気も、それぞれの演技も、本当に素晴らしい。
テーマは、この世界で人間をやっていると誰しもが体験したことあるような、自分の保身のため、全体の秩序のために誰かを犠牲にしてもしょうがない。みたいな。
この世界は真っ直ぐに生きている純粋な人が馬鹿を見る、非条理な残酷な世界であることを、ある一つの街を舞台に、幼少期から環境に恵まれずに育ってしまった綾野剛と、妻を無くし故郷のために懸命に尽くしていた佐藤浩一。
その二人を取り巻く周りの人々の軽率な憶測とか、声をあげることを恐れて身の保身のために周りに流される様とか、、、いかにも人間臭いし日本人くさい。
私は本当にこの作品が沁みました。
是非。
誰が犯人?!ってそういう問題じゃない。
犯人でもない人が、疑われて死に追いやられてしまう。ちょっと目立った行動をすると反感を買い、最後には殺人犯になってしまう。
人間の怖さと、現代の日本が抱える問題が
誘拐事件を軸に繰り広げられる。
小学生の女の子が行方不明になる。
一緒に帰宅した子は無事家に帰宅。その子は何年もどうして私だけがって悩み続け、何でお前だけが生きてる?なんて言葉を浴びせられて
あの誘拐事件のことが彼女の人生からずっと離れずにつきまとう。
信頼していたある男性が
犯人なんじゃ?と村人たちに疑われる。追いこまれて油をかぶって火をつけて死亡。
こんなことがあっていいのか?と
彼女は立ち上がる。
あー、書いてたら眠くなってきちゃった
片岡礼子はいつもながら素晴らしかった
個人評価:2.0
日本のサスペンスは綾野剛、柄本明、佐藤浩一だけで回っているのだろうか。同原作者の怒りとは、比べ物にならない人物描写と主要人物それぞれの掘り下げの浅さで、とても物足りなさを感じる。
ただ片岡礼子はいつもながら素晴らしかった。
村、怖い
若者が村からいなくなったり、寂れていくのにブチブチ言うのに新しい事はしたくない、お爺ちゃん達!あーやだやだ
そして始まる猛烈な嫌がらせ…怖すぎます。幽霊よりずっと怖い
スーパーがっかりポイント
杉咲花がこんな村なんて!感じで看板持ってワーッ!てなって、それを見たお爺ちゃんが「誰でも良いから犯人を決めたかった…」とか告白?謝る?したから冤罪かと思ったら…杉咲!お前!重要な証言隠してるじゃあねえか!
お爺ちゃん、やっぱりアイツが犯人だよ謝り損だよ(笑)
そして、杉咲花が罪の意識を感じてたのは何に対して?友達を守れなかった事だとしたら「は??」なんですけど…
こういう映画はだいたい面白いと思ってたけどこれは駄目でした。
田舎の集落の気色悪い感じが見ててすごく不快。 で、結局何が言いたい...
田舎の集落の気色悪い感じが見ててすごく不快。
で、結局何が言いたいのかはよくわからない。
いろいろ詰め込みすぎてどのエピソードも中途半端になってしまった気がする。
豪士と善次郎どちらかひとつを掘り下げた内容にした方が良かったんじゃないかな。
楽園とは?
周りの環境が歪んだ人格を生み出す。
たとえ真実がどうであれ、残された人はそれを抱えて生きていかなければならない。
現実でも、集団に圧力をかけられて酷い目に会っている人々はいっぱいいる。自分たちが住んでいるこの世界は全員にとっての楽園となっているのだろうか。
重苦しい。
小さな村には地域独特のルールやしきたり等、他の人をなかなか受け入れない縛り。が あったりする。村八分。ちょっとした思い込みで犯人扱い。とっても恐怖感を感じた。最終的に自殺を選択することになる。最後まで重苦しさから逃れられなかった。気持ちの持っていく所がなかった。
住みずらい世の中で。
楽園はあったの。
すばらしき世界と重なるところが……。綾野剛は流石。
好きじゃない
原作の作家 吉田修一のファンです。
これは未読。
例えば文章は、その人と成りを現すと言うけれど
映画を作るにあたっての監督の器が、作品に出るのだと思う。
綾野剛の無駄使い。
佐藤浩市も。
不必要なセリフを仰々しく言う。
最後の柄本明のセリフ 長々言わせてどうする。
杉咲花のセリフも無理〜。
喘息の吸入も、なんじゃあれは。
地方に暮らす人のことなど
あんまりわかってない人が作った 取ってつけたような憐れみ。
見ていて 何度も中断した。
そう言うこともあるけれどもそう言うことじゃない。
苛立った。
吉田修一の話は絶対こんなのじゃない。
それぞれ
色んな人から見る角度の模写がラスト出てきて
ここでこうなってこうなってたのかぁってなりました。
結局彼が犯人だったのでしょうか?
小説を読んだらもっと細かく分かりますかね?
なんだが、みんながみんな抱えているものがあって
人間模様を描いた作品だなと思いました。
犯人か分からないのに犯人だと決めつけて
連鎖反応でもうみんなが犯人だと思い込んで
追い詰めてしまう人間たちの心理。
何がきっかけで人間が犯罪を犯すかなんて
分からない気がする。
自分は絶対犯罪者にならないと思っていても
どんなことが起きるかわからないと思う。
そしてこれ、実話を元にしたお話と聞いて
ゾッとしました。
面白い面白くないというよりは
最後まで見入ってしまう作品でした。
村八分っていう意味をこの作品で知りました。
日本人の方が、カタコトの話し方の演技をするって
なかなか難しいなと思いました。
カタコトになるのは、その国ごとに独特なクセがあると思うので、それを表現するのも難しいですよね。
楽園ってなんだろう。
あったかな?楽園なんて。
楽園とは
小学生誘拐事件をキッカケに平穏な“楽園”が一変にして失意に包まれる。
人々は心に大きな傷と蟠りを抱えて生きてくには辛く耐えられず、1人の青年を犯人に仕立てる。
その結果、心の中に平穏を取り戻そうとする。
実は平穏な日々は取り戻せているのに、心にある釘を抜こうと“無駄な生き方”をしてしまい、負の連鎖に。
このようなストーリーと、人々の様相を描いていく。
物語の終盤、最後に紡が“私は心に抱えながらで良い、抱えながら生きていく!”と強い意志を示す。
スクリーンを見ているものに訴えかける強く健気なとても心地良い演技で、発せられた言葉が心に刻まれた。
人の嫌な部分が常に、表面に出てて、終始モヤモヤしているが。
先述の紡の言葉と、虹郎くん演じる少年の“俺、かあさんから出てきた時を覚えてる、あーなんて広いんだ、あーなんて自由なんだ”この言葉がつよく残った。
サスペンス要素も適切にあり、良作、私好みです。
俳優陣を申し分無し。
ただ、やっぱりタケシが犯人だったのは、もやもやが残る…
2つの短編の融合
12年前の少女誘拐事件は未解決のまま、直前まで一緒にいて、ケンカしたままY路地で別れたつむぎは、大人になってもそのことを引きずっている。それなのに行方不明になったあいかのおじいちゃんのつむぎに対する態度はちょっと酷い。つむぎに罪は無いのに可哀想。
12年後に起きた行方不明の事件、1人の想像の言葉から豪士が疑われ、アパートに勝手に入られ(不法侵入じゃん!)そこへ豪士が帰宅、あの状態なら何もしてなくても逃げたくなるだろう。逃げるから余計疑われるのだが、トラウマのある豪士はパニックになってあんな行動に。
少女は結局見つかって完全に濡れ衣。豪士に同情してしまう。
でも12年前の犯人はやはり豪士なのか、つむぎが東京で見かけた、あいかと呼ばれていた若い娘は?
善次郎の村八分も酷い話で同情してしまうが殺人を犯していい理由にはならない。
ちょっとどうでもいい疑問、久子は両親と行くはずだった温泉に善次郎と行ったけど、いきなり混浴?両親とも混浴の予定だった?まさかね!
原作は読んでいないのでわからないけど、もともと短編の別の話とのこと。12年前の誘拐事件から上手いこと融合させていてひとつの話につながっている。その辺りは面白いし、
綾野剛のオドオドした暗い感じ、上手いなぁと感心❗️
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