アンセイン 狂気の真実のレビュー・感想・評価
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ホラージャンルに新風かも。
ソダーバーグ監督は何かのインタビューで『チェ』二部作で自分の中の真面目モードは使い果たしたみたいな発言をしていた。要するに社会派だとかメッセージ性みたいなものを映画に込める気はない、ということだと思うのだが、実際最近のソダーバーグは「何か言いたいことがある!」みたいな映画/ドラマは撮っていない。
とはいえソダーバーグであるからエッジを失ったわけでなく、そのこと自体が映画表現全般への批評や主張のように見える作品が多い。その意味でホラー/スリラー映画である本作は、ソダーバーグが初めて本気で「ジャンル」に挑んだ作品ではなかろうか。
というのも「突然精神病院に入院させられて正気と狂気の淵に迷い込む」という設定自体は斬新なものではないが、表現の仕方がいちいち個性的で「こんなの見たことない!」という感覚がずっと続くのだ。
プロット的にはオーソドックスだが、見せ方はいちいちエッジが効いていて、観ている側の恐怖や不安をチクチクと刺激し続ける。ソダーバーグらしい映画でありつつも、なんとも新しいホラー/スリラーが生まれた気がする。
ストーカー作品の中でも下位
ヴァイオレットがかわいそう
よくもわるくもソダーバーグらしい
この恐怖は本物?妄想?
ストーカー被害からのストレスでカウンセリングに訪れた病院に、強制入院させられた女性の恐怖。
良く出来たサイコサスペンスだと思います。
ストーカーの恐怖、理不尽な病院への怒り。だけではなく、「もしかしたら主人公は本当に精神を病んでいて、この恐怖は妄想なのでは?」という疑いが、映画の魅力をさらに引き立てます。
残念なのが、この疑問に答えが出るのが早すぎたように感じたこと。もう少し引っ張っても良かったかもしれません。その為、少し評価を下げさせて頂きました。
時々思ってしまう(ここもiPhoneで撮ってるんだ〜)が物語のジャマをする
映画の謳い文句「全編iPhoneで撮影」が、どうしても気になる。
話題作りのためなのか、iPhoneで撮影することで「追われている」感・主人公の「ストーカーに見られている」感を演出しているのか、商業用フィルムから家庭用の8mmフィルムに落とす事で画面に独特の不安感が演出されるように、商業用フィルムほどではないが画質は劣るiPhoneの画面に落とすことで、B級映画っぽさを演出しているのか。
撮影開始は2017年7月だったらしく、公開時の2018年3月ほど珍しさや驚きは、今観ると薄い。「全編iPhone撮影」も、2019年後半の今となっては「スマホで映画くらい取れるだろう」と思ってしまう。…ので、これから見る人は「全編iPhone撮影」は気にせずストーリーだけに集中して観ると、いいかもしれない。
「iPhoneで映画が撮れるの!?」という時代に劇場で見てたら、もっと興奮していたかもしれない。それでも(ここもiPhoneで撮ってるんだ〜)がジャマをしていたかも。
でもおもしろかった。
クレアフォイ
あいぽんで撮りました★っぽいのが、良い味。
固定カメラのスリル
機内にて。オーシャンズシリーズでお馴染みのスティーブンソダーバーグ監督最新作ということで、しかもサイコスリラーということで見てみました。
だれを信じればいいかわからないというコンセプトの映画はスパイ映画だったりこのようなサスペンスでよく使われるものだが、本作は全編iPhone撮影、ほとんどが固定カメラでの撮影なので余計に“覗いている”感が出て、映画の演出に騙されながら楽しむことができた。しかも、無機質な音楽が時々かかるため、謎の違和感があり、それもまた良い。
精神病院に病院側が保険金のために入院させるというのは問題になっているものだというのでこの映画を見ると非常に怖くなる。ラストの捉え方も本当に答えが存在しないような気がするため、楽しい。
そしてとにかく嬉しいあの人のカメオ出演!思わず声が出てしまった。
そこらのホラーより断然怖い
決して後味がよい作品ではないが、リアルな恐怖に身がすくむ。
金稼ぎに目が眩んだ精神病院に強制的に入院させられ、しかもその病院にかつてのストーカーが他人になりすまして職員として勤務し始めたら……。何しろ主人公は精神を病んだ入院患者なので何をどう訴えてもまともに取り合ってもらえない。しかも相手は悪徳病院。この下劣極まりない最悪の状況からどうやって脱出するのだろうかと気を揉みながら、最後まで一気に観てしまった。
主人公のタフさがとても現代的で良い。実際にストーキングされた過去をトラウマとして抱える弱さと、理不尽な監禁状態には怒りをあらわにして敢然と立ち向かう強さが入り混じったその姿は、ともすれば類型化されがちなこの手の監禁脱出ものの女性主人公キャラとは明らかに一線を画している。
全編をiPhoneで撮影したという画期的な手法が生み出したに違いない独特なリアリティも物語の緊迫感を後押ししていると思う。
ソダーバーグ監督らしい作品
精神病棟もののサイコスリラー
むりやり精神病棟に入院させられるサイコスリラーは、けっして新しい題材とは言えないが、中盤から、逃れられない本当の理由が見えてくる。
そこへ覆いかぶさるもうひとつの恐怖。
現実なのか、妄想なのか、不安と混乱が主人公を追い詰めていく。
残念なのは、都合よすぎる展開になったこと。
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