アンセイン 狂気の真実のレビュー・感想・評価
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ホラージャンルに新風かも。
ソダーバーグ監督は何かのインタビューで『チェ』二部作で自分の中の真面目モードは使い果たしたみたいな発言をしていた。要するに社会派だとかメッセージ性みたいなものを映画に込める気はない、ということだと思うのだが、実際最近のソダーバーグは「何か言いたいことがある!」みたいな映画/ドラマは撮っていない。 とはいえソダーバーグであるからエッジを失ったわけでなく、そのこと自体が映画表現全般への批評や主張のように見える作品が多い。その意味でホラー/スリラー映画である本作は、ソダーバーグが初めて本気で「ジャンル」に挑んだ作品ではなかろうか。 というのも「突然精神病院に入院させられて正気と狂気の淵に迷い込む」という設定自体は斬新なものではないが、表現の仕方がいちいち個性的で「こんなの見たことない!」という感覚がずっと続くのだ。 プロット的にはオーソドックスだが、見せ方はいちいちエッジが効いていて、観ている側の恐怖や不安をチクチクと刺激し続ける。ソダーバーグらしい映画でありつつも、なんとも新しいホラー/スリラーが生まれた気がする。
ストーカー作品の中でも下位
ストーカーが簡単に施設の従業員になったり、施設の中で人を殺したり管理が行き渡ってないから出来ることだったのか… なんか腑に落ちないことだらけだったし中途半端な気がする。 まぁ最後施設長?が逮捕されたけど、もっと杜撰さを見せて欲しかった。
タイトルなし
保険が下りるので、無理やり患者を入院させ、私腹を肥やす悪徳精神病院。あるんかいなと思わせるソダーバーグの全編iPhone撮影が妙にリアリティを生む。そこに合わさって偶然?この病院に自分のストーカーが勤務しており、母親も殺され、唯一の患者仲間も殺され、物語はハチャメチャな展開に。ラスト、殺したはずのストーカーを町で見かける幻影にいつまでも追い回される主人公の傷は結局癒えない。
ワンカット撮影だからなんだよ
あんな精神病院が男女を大部屋に入れないでしょ。全部iPhoneで撮影してるらしいがそれがなんなのか。ワンカットのみで撮影!とかいう映画もたまにあるが、それになんの意味があるのか甚だ疑問である。
悪くはない。
ストーキング被害から、精神病等?に強制的に入れられてしまうお話。
そこの病院は、経営を成り立たせるために普通の人にも異常扱いして入院させてお金儲けしてるような場所でした。
まず、出会ったあとメガネ男との過去の詳細が結構薄いなと思いました。
話が始まった時にはもうすでに男が病棟で先生をしているため、恐怖心がなかったです。
あの殺された女の子がいちばんの被害者ですね。
意味不明に秒で殺されてましたね。
そしてあの親身的な黒人さんが潜入記者だったことには予想外でびっくりしましたが、なんかそれも、容易いなんじ、携帯もあんなに結構堂々と使ってるのにバレてこないかんじ。
犯人の男が最初からナチュラルに薬検査のところにいて、あ、なに、もういたの?みたいなかんじです。
このシチュエーションなら、もっとうまく見ている側の恐怖心や、心理をあおれる使い方ができたなと感じました。
誰目線だよって話ですが…。
けどいつもこう言う映画を見て思うのは
もし精神科に入れられてしまったら
何を言っても真実を話しても
この人は頭がおかしいからって言ったら
そう思われてしまう世界だと感じます。
うそでも、ほんとうでも、どんな話をしても
信じてくれる人がいない限り、この人は
精神がいかれてるからと言われたら
だからか。で終わりにされてしまいますね。
なんかリアルにありそうな映画だなって感じでした。
たのしくはないです。
映画としても、見所もあまり見受けられませんでした。
また見ようとは思いません。
けど、リアルにありそうだなって感覚で見てました。
スマートフォンだけで撮った映像で作った作品という
その点は本当に素晴らしいと思います。
言われなければ気付きません。
言われたら、たしかに定点カメラが多いなと思います。
カメラワークの少なさをかんじます。
精神のズレを人はどこで判断して
どこから入院させるレベルで
何が本当で何がうそで誰を信じるのか
みたいな感覚で見た映画でした。
医者が異常って言ったらもう異常ですもんね。
そう診断された瞬間からその人の人生変わりますね。
ヴァイオレットがかわいそう
全編iPhoneで撮影なんだ、知らなかった。 ちょっとカメラワークがなんか固い?と思ったのはそのせいなんだろうか。 「クワイエットルーム」みたいな感じ?と思いながら見てたけど、結局どストレートのサイコスリラーっていう。 ちょっと期待はずれだったかなー。
よくもわるくもソダーバーグらしい
個人評価:3.1 ソダーバーグらしい大作とアングラ作を交互に作るやり方。ソダーバーグらしい演出を感じるが、やはり片手間な感じが否めない。クレア・フォイの演技は良いが、本がつまらないので、TVドラマの雰囲気だ。
この恐怖は本物?妄想?
ストーカー被害からのストレスでカウンセリングに訪れた病院に、強制入院させられた女性の恐怖。 良く出来たサイコサスペンスだと思います。 ストーカーの恐怖、理不尽な病院への怒り。だけではなく、「もしかしたら主人公は本当に精神を病んでいて、この恐怖は妄想なのでは?」という疑いが、映画の魅力をさらに引き立てます。 残念なのが、この疑問に答えが出るのが早すぎたように感じたこと。もう少し引っ張っても良かったかもしれません。その為、少し評価を下げさせて頂きました。
時々思ってしまう(ここもiPhoneで撮ってるんだ〜)が物語のジャマをする
映画の謳い文句「全編iPhoneで撮影」が、どうしても気になる。 話題作りのためなのか、iPhoneで撮影することで「追われている」感・主人公の「ストーカーに見られている」感を演出しているのか、商業用フィルムから家庭用の8mmフィルムに落とす事で画面に独特の不安感が演出されるように、商業用フィルムほどではないが画質は劣るiPhoneの画面に落とすことで、B級映画っぽさを演出しているのか。 撮影開始は2017年7月だったらしく、公開時の2018年3月ほど珍しさや驚きは、今観ると薄い。「全編iPhone撮影」も、2019年後半の今となっては「スマホで映画くらい取れるだろう」と思ってしまう。…ので、これから見る人は「全編iPhone撮影」は気にせずストーリーだけに集中して観ると、いいかもしれない。 「iPhoneで映画が撮れるの!?」という時代に劇場で見てたら、もっと興奮していたかもしれない。それでも(ここもiPhoneで撮ってるんだ〜)がジャマをしていたかも。 でもおもしろかった。
身近に起こりそうな怖い話
iPhoneで撮影したスティーブン・ソダーバーグのサイコ・スリラー。ソダーバーグなので、サイコなサスペンスといえども、病院の保険金詐欺という社会性が組み込まれていました。B級というと、何とも言えない「古い感じ」が漂うのですが、そこは、スティーブン・ソダーバーグ、全体的にスタイリッシュできちんとまとまった作りで一気に見てしまいました。なんていうか、B級でもかっこいい!(笑)
今じゃ特別なことでもない、心の問題をカウンセリングで相談すること。担当医が「自殺したいと思ったことありますか?」と質問したあたりから、不穏な空気が流れはじめて、もがいても叫んでも、病院から出られなくなって外界と遮断されてしまうソーヤー。そこには、あのストーカーが職員で働いていて……。ちょっとした行き違いから、自分の身にも起こってしまいそうな話。あー、こわ。
冒頭は青みがかった画面でした。『トラフィック』という映画を思い出しました。あの映画では青、黄色、普通色とエピソードごとに画面の色づけをしていましたが、青い画面には何か意味があったのか。切羽詰まって困っている状況なのか?
また、精神科医との対話で進んで行く感じは『セックスと嘘とビデオテープ』を彷彿とさせるものがありました。iPhoneでの撮影はインタビューのようなドキュメンタリー感があって、これも、『セックスと嘘とビデオテープ』の男主人公グレアムのビデオ撮影と重なってしまいました。
女主人公ソーヤーの噛みつきそうな顔が印象に残っています。男勝りで負けん気が強くて言葉も悪い。黒人のネイトに携帯電話を借りるとき、説得するのに「お返しにしゃぶる」からと。そして、携帯電話を返したとき「フェラはまた今度」とあっさりと。ちょっとくすくすと笑ってしまいました。
マット・ディモンが特別出演でちらっと出てきたけれど、台詞は長かったです。普通の相談員ですが、ちょっとここで普通モードに戻り、ほっこりしました。
もしか、これを日本でドラマにしたら、女主人公は濱田マリ、ストーカー男は髭をつけた小日向さんかな。
知っている人は知っていると思いますが、撮影のピーター・アンドリュースは、ソダーバーグのことです。
クレアフォイ
いずれが正常でいずれが狂気かが揺れ動いているのは面白いが、中盤で片側に振り切れて、その後は、サイコサスペンスまっしぐら。リアリティは薄く、ストーカー問題というよりも、エンターテイメント。しかし、よく纏めている。
母親は結局どうなったんだ?
アメリカの保険制度は日本と全く違うので、よくわからなかったけど、入院費が保険から下りるだけ下りたら、はい退院ですよ。といった保険会社とグルになった病院という、社会派要素を含んだサスペンスホラー。ストーカーのカウンセリングを受けにきた病院で、そこに本人がいるとは驚き!最近見た病院映画では『キュア禁断の隔離病棟』があったけど、病気でもないのに入院させられるなんてことは現実社会でも多いんだろうなぁ。特に日本は保険がきくから・・・
メインのストーリーにはちょっと違和感ありだけど、静かに社会派メッセージを伝えてくれるところがソダーバーグらしいところ。全編iPhoneによる撮影ということもあって、かなり抑え気味の映像ではあるけど、何を言っても退院させてくれない病院話法がかなり説得力を持って描かれていた。何しろ母親さえも言いくるめてたし。
終盤はちょっとわからない部分もあったけど、情報を親身になって教えてくれたり携帯を貸してくれたネイドが実は潜入捜査する記者だったというところが良かった。で、母親は結局どうなったんだ?などと、わからない部分も残してくれるなんてのはさすがだ・・・知りたいけど。
あいぽんで撮りました★っぽいのが、良い味。
日常にありがちな状況(日本ではそこまでだけども)を、まさかのiPhoneで全編撮影。当然ながら変な効果も演出もないわけで…リアル・ムービーを観ているような気持ちに。それがこの映画の怖さを盛り上げていて面白い。 別に嫌ってわけじゃないんだけど、途中突然特別出演してるマット・デイモン見た瞬間一気に現実に引き戻されてなんか寂しい気分になったw
ちょっと勿体ないつくり
はっきりとした入院の説明なしに看護師が病室へ誘導し入院をさせる。
この映像だけ見ても、ここが普通の精神科ではないとわかる。
法的に形だけでも入院に対して説明が必要だから。
(閉鎖病棟に入院させるのは行動制限をかけると言う事なので、まともに人権を尊重し法を守るならこんな入院はさせない。)
だが、救いを求めソーヤーは警察に電話をする。「ここに強制入院させられた」と。
(通信の自由があるので精神科では電話もあり、警察や弁護士に直接同様の事を言う患者は多い)
ソーヤーは正気であるがために、不当な入院にストレスを溜める。
そしてストレスの元であるストーカー、デビットの登場によってさらに混乱を深める。
精神科は倫理がついて回る所であり、患者の意思と治療が全く噛み合わない事があるのが当たり前なので、物語半ばまでソーヤーが精神的に不安定でストーカーにつけ回されている妄想に駆られているのか?それとも服薬時に現れるデビットが本当にストーカーなのか?観ている方は悩むのだが、物語中盤でソーヤーが借りた携帯で母親に連絡した所から、一気に話が狂い出す。
ソーヤーに携帯を貸したネイトを拷問で殺害し、デビットがストーカーとしての本領を発揮、キモい告白を始めるのだ。
デビットの告白を異常な切り返しで他の患者を巻き込んで逃走するソーヤーはまたも捕まってしまい、山小屋で暮らそうと山へ向かうデビットと最後の闘いを。
ラストのカットで彼女が立ち直れておらず、不安定なままの表情を見せて終わる為、後を引く感じになる。
この作品がミステリー作品であるとするなら、もう少し妄想でソーヤーがおかしいとミスリードさせる工夫しても良かったと思う。
固定カメラのスリル
機内にて。オーシャンズシリーズでお馴染みのスティーブンソダーバーグ監督最新作ということで、しかもサイコスリラーということで見てみました。 だれを信じればいいかわからないというコンセプトの映画はスパイ映画だったりこのようなサスペンスでよく使われるものだが、本作は全編iPhone撮影、ほとんどが固定カメラでの撮影なので余計に“覗いている”感が出て、映画の演出に騙されながら楽しむことができた。しかも、無機質な音楽が時々かかるため、謎の違和感があり、それもまた良い。 精神病院に病院側が保険金のために入院させるというのは問題になっているものだというのでこの映画を見ると非常に怖くなる。ラストの捉え方も本当に答えが存在しないような気がするため、楽しい。 そしてとにかく嬉しいあの人のカメオ出演!思わず声が出てしまった。
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