恋の豚のレビュー・感想・評価
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ラブ・ミー・テンダー
恋をした女の子はバラ色の人生になり、綺麗になり、健気になり、強くなり、失恋を経て一回り成長するという話です。
友達の借金の保証人になってしまい、デブ専デリヘルに
勤める羽目になったマリエが主人公。自動販売機の隙間に
小銭を落としてしまい、腕が抜けなくなった所にやって来た
カズがヒモとして転がり込んで来た所から物語が進みます。
全般的にコメディタッチでちょいちょい笑えます。
特にマリエの同僚・萌が電マを肩に当ててマッサージしている
時の店長とのやりとりが大爆笑です。
ひとしきり笑った後にちょっぴりホロリ。男ですが、マリエと
似たような別れをしただけに共感しました。
後味スッキリ。やっぱり恋してる女の子はいいなと思う
作品です。
この作品では全編に「ラブ・ミー・テンダー」のメロディー
が流れます。今までは「ラブ・ミー・テンダー」を聞いても
何とも思わなかったのですが、この映画を見てからこの
甘美な世界こそが「ラブ・ミー・テンダー」なんだと実感
出来るようになりました。
出荷オーライ
作家性の強い城定監督作品。元々の脚本はもっとバイオレンシーな内容で、バッドエンドっぽい感じと取れる語り口(@アフタートーク)だったが、全体的にドライでシニカルな作風に仕上がっている。それも所謂『肥満体型』を揶揄するというコンプライアンス的に表現が許されない時代の、最後の仇花としてのプロットとしてチャレンジした作品だそうだ。確かにデリヘル待機部屋シーンでの台詞は、初めて耳にする人なら、その非人道さに嫌気が差すかも知れない。それも含めての主人公の一種薄弱さに共感が得られず、かなり引いた目線が客席を支配してしまう。ブラックユーモアがイヤらしくストーリーを牽引してしまうのだが、しかし段々と主人公の成長が表情に現れ始めた段階で、身体にコンプレックスを抱く女心の移ろいが作品を彩り始める。相手の男の飄々な言動に振り回されながらも、しかしその正直さと裏表のない自然体がまるで『仏』そのものにみえてくる、そのパラドックスを演出させているfantasyの魔法を懸けられているような浮遊感がそこにある。
実際は体型と性格は相関などなく、ふくよか=おおらかなんてのはステレオタイプのなにものでもない。だからこそこんな夢物語、切ないラブストーリーに昇華出来るのであろう。もっと自分を愛しなさいという強烈なメッセージ性を伝える、中々の力作である。濡れ場を担当した3人の女優は今作が初演技であり、まだまだ惹き付ける魅力は乏しいが、特に主人公役の百合華はその貴重な体格も相俟って、俳優としての鍛練を期待したい。
かなりふんわかとした、ピンク映画の一ジャンルであるが、しかしそんな邦画の種類を絶やして欲しくないと願うばかりである。カタルシスが総てではないのだ。
とてもよかった
健気でお人好しな主人公は実際悪者につけこまれがちなのだけど、そのままのよさを失わないで欲しい。変に警戒心が強くなったり疑り深くなって欲しくないけど気の毒な目にも合わないで欲しいと思った。
彼女が出会う男の風通しのいい感じがすごくよかった。いい時期は長く続かないかもしれないがだからこそ今を好きに過ごせばいいじゃないかといった佇まいが素敵だった。
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